井上円了の教育理念

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- 明治二〇年代、近代的な学校教育制度が整えられ、それに家庭教育を合わせて教育を捉える方
法が見え始めていたころ、円了先生は学校生活という限られた時間の先にある大人の学びに深い
関心を寄せ、五二九一回という講演を全国各地で実施され、聴衆は一四〇万人を超えたと本書で
も紹介されています。円了先生は、 家庭教育や学校教育の、 そして社会教育のさらに先に「自然」 たと読み取れます。
を考えておられ、広大無辺な世界としての「自然」と向き合う自己教育の思想を表明しておられ
私たちが学び知り得たと思っていることは、世界の広さに比べてみれば、わずかな部分でしか
ありません。世界には未知の存在や現象があふれており、そこに謙虚に耳を傾け、深い探究心を
もって学びを続けていこうではないかと述べられているのです。 を続けましょう。 東洋大学
学長 矢口悦子
あとがき
さあ、知の探究を続け、世界の幸福と明るい未来に貢献できるように自己を磨いてチャレンジ
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