井上円了の教育理念

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- あと がき
昨年、二〇二〇年は「新型コロナウイルス感染症パンデミックの年」として人々の記憶に刻ま
れることと思います。二〇二一年を迎えた現在もなお、それは続いており、世界中の人々が未曽
有の事態に影響を受けています。医療や福祉に関わる人々は自ら命の危険にさらされながらも、
強い使命感の下で対応を続け、人々の生活を根幹から支える労働に従事する人々も黙々とその働 学びを継続するためにあらゆることに挑戦をしてきました。
きを続けています。そうした人々の努力によって守られながら、私たちもまた感染対策を進め、
世界中の人々がこの事態への「チャレンジャー」としてこの困難を受け止め、知恵と経験を交
流しながら、適切な情報を選びとり、判断し、新しい方法を駆使して命と暮らしを守りたいと奮 三点ほど挙げてみたいと思います。
あとがき
闘する姿は、 本書で語られてきた円了先生の考え方や教育理念と幾重にも交差します。以下では、
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第一に、 「他者のために奮闘する」という人間の在り方です。その姿はまさに医療や福祉関係
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