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だいすけさん
近所の大学生
オナモミについてわかりやすく教えてくれる
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しゅうとくん
小学3年生の男の子
まっちゃの飼い主
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まっちゃ
イヌ
散歩帰りにたくさんのひっつき虫を連れてくる

本コンテンツは、オナモミのトゲ先端のフック状構造が、繊維にひっかかる性質をマジックテープに応用した、という内容を扱います。基盤となるメカニズムを直感的に理解しやすいため、小学校低学年を推奨としました。

あ、しゅうとくん!こんにちは、犬の散歩かな?



図1 犬にひっつき虫がくっついているイメージ
イラスト:イラストやに一部加筆
ワンワン!(河川敷で遊んでて気づいたらいっぱいついてくるやつだワン)


本当だ、たくさんついているね。これはオナモミという植物の種なんだよ。
え!そうなの!?


河川敷や畑に見られるオナモミは種を遠くに届けるために犬やタヌキなどにくっつく能力を持っているんだ。動物に種を運んでもらうなんて面白い植物だよね!
犬の他にタヌキにもくっつくのか。あ!僕の服にもくっつくのかな??


良いところに気づいたね!実際にやってみようか!
へぇー面白い!他にも動物にくっつく植物ってあるのかな?


オナモミの他にもヌスビトハギやゴボウの実などがあるよ

オナモミ

ヌスビトハギ

ゴボウの実
写真1 ひっつき虫の例
へぇー!いろいろあるんだね! ところで散歩しているだけで、どうして落ちずにくっついていんだろう??


お、いいところに気がついたね!それじゃあ、少し観察してみようか!どんな特徴があるかな?
トゲトゲしてる!


そうだね、他にはどんな特徴があるかな?
ん?よく見ると先の方が曲がっている気がする...


その通り!この先端の「かぎ」になっている所が「動物の毛」と絡んでくっついているんだ。



実はこの形をヒントにしたものがあって、それは「マジックテープ」だよ
マジックテープ?


そう!しゅうとくんのサンダルやカバンにも使われている、ビリビリとつけたりはずしたりできるテープね。
あー!これか!


写真3 マジックテープ
写真:Photo AC

「マジックテープ」を発明したスイスのジョルジュさんは山に愛犬と行ったときに愛犬にゴボウの実がくっついていたことをきっかけに、このひっつく能力に気づいたんだ!
散歩中に気づくなんて僕といっしょだ!


そうだね!ジョルジュさんの開発したマジックテープは細かい「カギ」と「輪っか」がならんでいる 2種類の面でできていて、2種類の面がくっつくのは、「カギ」が「輪っか」に引っかるからなんだ。
なるほど!


図2 2種類の面の仕組み
イラスト:Co-MoreBiomimetics作製

ちなみに「カギ」と「輪っか」の関係は、「ゴボウの実」と「動物の毛」と同じになっているね。
あ!だからせっかくとってもすぐにくっついちゃうのか!


マジックテープはなんどでも貼って剥がすことができるから、身の回りのものに使われている便利なものなんだ!
なるほど。マジックテープにはすごい秘密があったんだね! なんだかマジックテープをビリビリしたくなっちゃったよ!


あはは!それはいいね! そういえば、今ちょうど大学のこもれび祭(注1)でオナモミを使った魚つりの遊びをやっているか ら一緒に行ってみよう!
(*注1 こもれび祭とは毎年10月末頃に東洋大学川越キャンパスでおこなわれる学園祭のこと!)
お魚つり!?楽しそう!やってみたい!

体験して学ぶ!バイオミメティクス 8オナモミ実験
参考文献
https://note.com/morito_official/n/na21867ef2442 ,(閲覧日:2023.09.17)
http://www.asahi-net.or.jp/~ep3nkizm/asobo/hittuki.htm ,(閲覧日:2023.09.17)
https://sewingschool.hapimade.com/hook_and_loop-fastener/ ,(閲覧日:2023.09.17)