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Action & Impacts

教育

現代社会を生き抜く知と考え方を身につけ
哲学を礎に、未来を切り拓く人材を育成

14学部51学科・専攻、大学院15研究科を擁する東洋大学は、「諸学の基礎は哲学にあり」という建学の精神のもと、哲学教育を基盤とした“知”を積み重ねてきました。充実した環境の中で興味の赴くまま専門的かつ横断的に学び、哲学教育によるものの見方・考え方を身につけることで、急速に変化する現代社会においても本質を見極め、未来を切り拓く人材へと成長します。

[ 01 ]

学生・教員の優れた研究成果が
国内外で高い評価を獲得

東洋大学の学生・教員が、さまざまな学会等で優れた研究成果を発表し、国内外で高い評価を受けています。情報連携学部のYadanar Linさんは、オープンソースの大規模言語モデル(LLM)と検索拡張生成(RAG)を活用したマルチモーダル AI プログラミングチューターAthenaを開発し、第21回IEEE TOWERS※にてTOWERS Best Awardを受賞しました。また、生命科学部生体医工学科の小河繁彦教授は、アメリカ・テキサス大学との国際共同研究の一環として実施した研究論文が、The American Physiological Societyによる厳選論文コレクション「APSselect」に選出されました。動脈硬化度の測定で使用している脈波伝播速度(PWV)による測定方法ではPWV法による測定値の変化があることを解明し、今後の測定手法の改良に貢献することが期待されます。

IEEE Transdisciplinary-Oriented Workshop for Emerging Researchers

TOWERS Best Awardを受賞したYadanar Linさん(左)と指導教員のKhan教授(右)
TOWERS Best Awardを受賞したYadanar Linさん(左)と
指導教員のKhan教授(右)

[ 02 ]

哲学する力を養う教育
学生食堂の運営やプロジェクトを通して実践

創立者 井上円了の精神を受け継ぎ、東洋大学では自らの哲学を持ち、主体的に考え行動する力を育む教育を重視しています。その実践の一つが、朝霞キャンパスの学生食堂「Umart!」。ここでは、食環境科学部の教員・学生が企画・運営に携わっています。食について専門的に学ぶ学生がコンセプトや店名の決定から、メニュー開発、広告制作、データ分析などに携わり、活発な議論を重ねながらより実践的な学びを深めています。また、経営学部・食環境科学部の学生による「酒粕プロジェクトU-go~酵母の贈り物~」を立ち上げ、東洋大学の産学協同ブランド酒「越生梅林エスティ」の醸造過程で生まれる酒粕を使った学食メニュー開発を行いました。市場調査や試食会などを重ね、他学部と協働することで、さらなる主体性や専門性を磨いています。

酒粕を取り入れた3種類のメニューを発表
酒粕を取り入れた3種類のメニューを発表

[ 03 ]

社会とつながる実践的な学びで
教育の質向上を目指す

東洋大学は、各学部・研究科が教育の質をさらに高めるため、「教育力強化支援事業」を通して、意欲的で革新的なプロジェクトを企画、実施しています。社会学部メディアコミュニケーション学科の「『産・官・学』連携による最先端メディア体感教育プロジェクト」では、学生がメタバースを活用したCM動画制作や映像制作、雑誌編集などに挑戦。次世代ビジネスモデルの学習とアクティブラーニングを取り入れた実践教育を行っています。また、国際観光学部の「国際観光プランニングコンテスト」では、学生がゼミ単位でチームを組み、専門分野に基づいた観光プランの立案を行います。観光プランニング能力はもちろん、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力など、即戦力となるスキルや知識を身につけています。

予選を勝ち抜いた8チームがプレゼンテーションを実施
予選を勝ち抜いた8チームがプレゼンテーションを実施

[ 04 ]

進化したグローバル教育を
より多くの学生に届ける

明治時代に視察のため3度の世界視察を行い、“旅する哲学者”と呼ばれた創立者 井上円了の理念を継承する東洋大学では、世界で学び、世界に学ぶための支援が充実しています。2024年度から、株式会社ECCと連携した学内英会話講座を無償で開講。2024年度の受講者は1,623名にのぼり、有償で実施していた前年度に比べて274.6%となりました。学生からは「英語で話すことが楽しくなった」などの前向きな声が多く寄せられています。また、文部科学省「スーパーグローバル大学創成支援」の事業総括評価では、A評価を獲得。「エリートから中核人材に至るまで幅広く育成することで、全学のグローバル化構造をピラミッド型からダイヤモンド型へ変革を行ったことは、大規模総合私立大学としての強みを最大限に活用しており、高く評価できる」などのコメントがありました。

日常会話から英語資格試験対策まで、幅広いプログラムを用意
日常会話から英語資格試験対策まで、幅広いプログラムを用意

[ 05 ]

「主活力」を身につける
多様な支援で目指すキャリアを実現

東洋大学では、「主体的に考えて活動する力=主活力」の向上を軸に、キャリア支援・就職支援を行っています。2024年度はキャリア支援の一環として、沖縄県産業振興公社と連携し、株式会社博報堂の現役マーケターを講師に招いた事業設計講座を開講。沖縄県内企業のECサイト構築や販路拡大といったリアルな課題に挑戦し、ビジネスの基礎を学びながら企業の課題解決に貢献する経験を積みました。また、人気企業や各業界のリーディングカンパニーへの就職を目指す学生に対して、早期より対策を始める「UP講座」も実施。1年次から3年次までにONE UP、TWO UP、THREE UP講座と段階を踏み、自己分析から業界研究まで事前に基礎を固めることで、自信をもって就職活動に臨める土台を築きます。

事業設計講座では、企業担当者を唸らせるアイデアを学生が考案
事業設計講座では、企業担当者を唸らせるアイデアを学生が考案

[ 06 ]

多くの人々に教育への門戸を開き
多様な博士人材を育成

東洋大学では、大学院教育の充実を図り、多様なバックグラウンドを持つ人々に学びの機会を広げています。入学者の学修歴が幅広いことを踏まえ、基礎的な知識の補完を行うリメディアル教育を提供するため、「大学院生の学部科目履修制度導入のためのガイドライン」を制定し、2025年度より制度の運用を開始しました。また、科学技術振興機構による「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)令和6年度新規プロジェクト」に、本学の「健康と人間の安全保障のための哲学を持つ多様な挑戦的研究者育成プロジェクト」が採択されました。既存の枠組みにとらわれない自由で挑戦的・融合的な研究を支援し、卓越した博士人材の育成に注力しています。採用された大学院生へは、研究費と生活費の支給により、研究に専念できる環境を整えるとともに、キャリア開発・育成コンテンツの提供を始めとする多様な支援を行っています。

「健康と人間の安全保障のための哲学を持つ多様な挑戦的研究者育成プロジェクト」に採択された若手研究者
「健康と人間の安全保障のための哲学を持つ
多様な挑戦的研究者育成プロジェクト」に採択された若手研究者