2020年度 賃借対照表レビュー
資産の状況
2020年度末の資産総額は、2,514億6,700万円で前年度末に比べ60億7,200万円増加しました。固定資産は、2,168億1,800万円となり、うち有形固定資産については、附属姫路中学校高等学校で隣接地を購入したことにより土地が増加したこと、赤羽台キャンパス新校舎建築及び附属姫路中学校高等学校第3校舎建築に伴い建物が増加したことのほか、赤羽台キャンパス新校舎及び附属姫路中学校高等学校第3校舎の機器備品や教育・研究のための機器備品、図書の購入などの増加により、前年度末に比べ合計で80億2,100万円増加し1,639億2,000万円となりました。特定資産は、第2号基本金引当特定資産を赤羽台キャンパス新校舎建築工事費用の一部として50億円を取り崩したことのほか、減価償却引当特定資産は、大学で10億円、附属牛久中学高等学校で1億4,000万円を組み入れ、附属姫路中学校高等学校で第3校舎建築工事費用の一部として1億1,800万円取り崩したことなどにより10億2,200万円の増加、また老朽化建物の大規模修繕や建て替えの備えとして、大学で建設準備引当特定資産へ20億円を組み入れたことなどにより、前年度末に比べ合計で18億2,000万円減少の522億3,600万円となりました。その他の固定資産は、前年度末に比べ1億5,000万円減少し6億6,300万円に、流動資産は現金預金が8,700万円、未収入金が6,900万円、立替金が1億100万円増加しましたが、有価証券が株式の売却により3億1,800万円減少したことなどで、前年度末に比べ合計で2,100万円増加し346億4,900万円となりました。
負債・基本金の状況
負債総額は197億1,500万円で前年度末に比べ5億5,100万円増加しました。固定負債は退職給与引当金が9,600万円増加したことにより89億3,800万円に、流動負債は未払金が7億3,900万円増加し、前受金が2億6,600万円減少したことなどにより、前年度末に比べ合計で4億5,500万円増加し107億7,700万円となりました。
基本金は前年度末に比べ12億7,500万円増加して2,674億3,500万円となりました。このうち第1号基本金は赤羽台キャンパス新校舎建築工事や附属姫路中学校高等学校第3校舎建築工事に係る組み入れや、施設の改修、機器備品など施設設備充実による取得などにより、前年度末に比べ62億7,500万円増加し2,434億7,400万円となりました。
収支差額の状況
資産総額2,514億6,700万円に対して、負債総額が197億1,500万円になったため、純資産は前年度末に比べ55億2,100万円増加し2,317億5,300万円となり、基本金が2,674億3,500万円であることから、繰越収支差額はマイナス356億8,200万円となりました。なお、今年度末における減価償却累計額の合計は840億4,900万円、基本金の未組入額は7億1,200万円となりました。
2020年度 収支計算書レビュー
収入の状況
当年度の事業活動収入の合計は455億1,500万円で、教育活動収支の主な収入項目としては、学生生徒等納付金が前年度より5億5,200万円増加し357億1,900万円に、入学検定料などの手数料が大学の志願者数の減少により前年度より3億3,900万円減少し22億5,700万円に、施設設備以外の特別寄付金や一般寄付金、現物寄付などの寄付金が前年度より1億5,700万円増加し3億8,800万円に、経常費等補助金が前年度より9億5,600万円増加し51億3,800万円になりました。これは国の高等教育修学支援新制度による学生の減免額分が授業料等減免交付金として経常費等補助金に計上したことにより増加になりました。
教育活動外収支では、受取利息・配当金が前年度より1億7,000万円増加し3億3,600万円に、その他の教育活動外収入では為替差益が5,600万円発生しました。
特別収支では施設設備に係る寄付金や現物寄付、施設設備補助金などのその他の特別収入が前年度より1億700万円増加し2億1,300万円になりました。
支出の状況
当年度の事業活動支出の合計は399億9,400万円で、教育活動収支の主な支出項目としては、人件費が前年度より3,800万円増加し215億9,900万円に、教育研究経費がコロナ禍の学生支援として新規奨学金の給付や国の高等教育修学支援新制度による奨学費が増加したことから、前年度より13億300万円増加し166億6,200万円に、管理経費が前年度より1億7,400万円減少し15億2,900万円となりました。なお、全体のうち45億1,000万円は減価償却額になります。
収支差額の状況
教育活動収支差額に教育活動外収支差額を加えた経常収支差額は、前年度より2億4,400万円増加し55億900万円で、さらに特別収支差額の1,200万円を加えた基本金組入前当年度収支差額は、前年度より4億2,400万円増加し55億2,1000万円となりました。基本金組入額を差し引いた当年度収支差額はプラスの42億4,600万円で、翌年度繰越収支差額はマイナス356億8,200万円(支出超過)となりました。