
2020年初頭から瞬く間にパンデミックと言われる世界的な流行となった新型コロナウイルス感染症。その脅威と影響は多岐に及んでいます。本学では各学部長や事務局部長等をメンバーとする「東洋大学新型コロナウイルス感染症対策委員会」を組織し、感染防止対策を徹底することを基本方針とし、学生の学修機会を確保することはもちろん、コロナ禍で抱える悩みや不安に寄り添った対応を講じるために、教職協働でさまざまな取り組みを行っています。
初めての緊急事態宣言の発出により、2020年度の春学期は全ての授業やガイダンス等をオンラインに切り替えて実施しました。非対面授業の基盤となる情報環境整備は一定程度進められていましたが、より円滑に進めるため、学内にサポートデスクを開設し、教員への授業運営支援を行いました。また、通信環境が十分整っていない学生のためにPC教室を開放したほか、図書館では郵送対応による資料貸出及び文献複写の対応を行いました。
9月中旬から開始した秋学期は、キャンパスに入構できる人数を管理しながら、約半数程度の科目において対面授業を再開、オンライン授業と交えて実施しました。対面授業では同時にオンライン配信する「ハイフレックス授業」とすることで、来日できない留学生や諸事情により対面で授業を受けられない学生にも配慮しました。
2020年6月、オンライン授業実施に伴う学習環境の整備等に必要な費用として、学部生及び大学院生(通学課程のみ)を対象に一律5万円、総額約15億円の特別修学支援金を給付しました。
コロナ禍による家計急変で経済的に困窮している学生を支援するため、校友会(卒業生)・甫水会(保証人)・役員・教職員等からの寄付を原資として、学生一人あたり10万円~25万円の奨学金の給付を実施。2021年4月現在、908名(給付総額約1億8千万円)に給付し、2021年度も継続しています。
本学関係者(校友会[卒業生]、甫水会[保証人]、教職員、学生、大学生協等)から食料品等の寄贈を募り、コロナ禍で不安を抱える在学生を支援し、学業を継続する環境や意欲を支えることを目的とした活動です。2020年度は2回開催、米類、乾麺類、飲料などを多数ご寄付いただき、合計464名の学生に配布しました。この取り組みは2021年度も継続しています。
ラーニングサポートセンター、教職支援室、学生サポート室/相談室、国際教育センター等では相談窓口を開設し、オンラインなどを活用しながら、学生の悩みや不安に寄り添った対応を行いました。
各キャンパスへの入構は原則として学生・教職員・本学教育研究従事者に限定しました。また、入口ではサーモグラフィーによる検温を行う環境を整備しました。マスクの着用・手洗いの励行・日頃の健康管理について掲示やアナウンスをしています。体調に不安のある学生等の健康管理も独自の方法で継続しています。
対面授業の実施にあたっては、3密回避のため、キャンパスごとに入構者の総数を管理しました。例えば、約2万人が就学する白山キャンパスでは、対面での授業の実施日・実施回数を学部単位としたローテー ション制にするなどの措置を講じました。
教室では、3人掛けの座席は1名のみの利用とするなど、着席時に前後が重ならないようにしました。また、着席可能な座席にQRコードを貼付し、学生は着席時にこれを読み取ることで万が一陽性者が出た場合でも学生のトレーサビリティを確保し、万が一陽性者が出た場合のキャンパス内での感染拡大防止に努めました。
市中での感染防止対応策を判断基準とした、本学の学生・教職員の行動状況(教育活動、課外活動、研究活動等)を6つのレベルに分けて明示した「新型コロナウイルス感染拡大防止のための東洋大学行動指針」を策定し、Webサイト等で公表しています。また、教職員に向けてコロナ禍における授業運営や課外活動等が円滑に行えるよう、さまざまなガイドラインを策定しました。