“最長の短距離走”に二度目の挑戦。進化を遂げたいまの全てをぶつけていく。 “最長の短距離走”に二度目の挑戦。進化を遂げたいまの全てをぶつけていく。

10 400m競走・4×400mリレーを「する」人 ウォルシュジュリアン選手 10 400m競走・4×400mリレーを「する」人 ウォルシュジュリアン選手

再びつかんだ大舞台への切符。より成長した心身で、駆け抜けるトラック1周。 再びつかんだ大舞台への切符。より成長した心身で、駆け抜けるトラック1周。

今回の五輪に対し、
どのような思いを持っていますか。

2016年のリオデジャネイロ五輪では予選落ちという非常に悔しい経験をしたので、今回は前回大会を上回るより良い成績を残したいというのが正直な気持ちです。大学在学中だった前回と比べると、身体の管理やオフシーズンとのメリハリ、日常生活の中での心構えが大きく変化しているので、その成果を出したいですね。私が出場するのは400mと4×400mリレーの2種目。400mは短距離走の中で最長の距離なので、スタートで勝負が決するというよりは後半200mで順位が激しく入れ替わるのが常です。私の持ち味は前半からの積極的なスピードにあるので、いかに前半での速度と順位をキープしたまま後半を走りきれるかに注目して観ていただければと思います。また、リレーはチーム戦なので、個人の駆け引きに加えチームとしての戦略も見逃せません。チーム日本の仕上がりに確かな手ごたえを感じています。

必要な筋肉をストイックに鍛え、「勝てる」状態に自身を洗練させる。 必要な筋肉をストイックに鍛え、「勝てる」状態に自身を洗練させる。

大会本番へ向けた、
これからの調整について教えてください。

出場権を得られた安心感はありますが、まだまだ気を引き締めていかなければなりません。コンディションを完璧に仕上げるため、直前まで入念に準備していきたいと考えています。特にこだわりたいのは、体重のコントロールです。走りの軽やかさを追求していくと、本来そこに必要のない筋肉は極限までそぎ落として体重を減らしたほうが、理想に近づきます。自分にとってベストな体重で本番を迎えられるよう、細かい調整を行うつもりです。実は、オフシーズンはチョコレートなどの甘味でリフレッシュしているのですが、シーズン中は食事の量と内容をシビアに管理しています。一方で、体重コントロールによって必要な筋肉までも落としてしまっては意味がありません。短距離走における永遠の課題として語られるのが、ハムストリングと大臀筋のお尻の筋肉。瞬発力に大きく関わるため、年間を通して重点的にトレーニングをしていますが、大会を前に一層鍛えていきたいです。また、身体だけでなく心も、大会に向けて整えていかなくてはいけません。メンタル面で一番支えになっているのは、家族や周囲の方々からの応援です。家族とは競技についてあまり細かい話をしませんが、それでもやはり、応援してくれている事実が前へ踏み出す力になっています。出身の東村山市や、これまでお世話になった地域の皆さんからの応援もそうです。東京五輪ではもちろん決勝に進み、良い順位を取りたいですが、まずは全力を出し切ることにこだわりたいと思います。今の自分が持てる最大限でどこまで世界と戦えるか。楽しみにしていてください。

ベストを尽くす! ジュリアン

PROFILE

ウォルシュ ジュリアン / WALSH JULIAN JAMMY

【出身地】
東京都

【所属】
富士通株式会社 陸上競技部
(東洋大学 ライフデザイン学部 健康スポーツ学科 2019年3月卒業)

記事の内容は取材当時(2021年7月)のものです。

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