09 10,000m競走を「する」人 相澤選手 09 10,000m競走を「する」人 相澤選手

辛さを乗り越えたその先で勝利を手にすることができた。 辛さを乗り越えたその先で勝利を手にすることができた。

東京五輪内定を手にした2020年の日本選手権を振り返って、率直な感想をお聞かせください。

2020年は、「日本選手権で優勝し、東京五輪出場を決める」という目標を掲げて走り抜けた一年でした。11月に宮崎県延岡市で行われた記録会で初めて27分台を出すことができ、そこで得た自信が日本選手権での日本記録更新につながったのだと思います。とても良い形でシーズンを終えることができました。

10,000mに向けた練習メニューは、大学時代に取り組んでいた駅伝仕様のものと比べると、インターバルのペースがどうしても速くなります。当初は「きつい」「やりたくない」という気持ちもあったのですが、2019年の秋頃から徐々に身体が慣れ、練習が一気に軌道に乗りました。レベルの高いチームに身を置いて日々トレーニングを積めたこともあり、日本選手権は本当にベストな状態で臨めたと思います。レース中も今までで一番良い走りができていると感じ、7,000mを超えたあたりから「これは勝てるな」と確信しました。前半は少しきつかったのですが、粘り強く、最後まで集中して走り切ることができました。
レース後、東洋大学陸上競技部の酒井俊幸監督からは「今回の結果はゴールではなく通過点。その先の大きな目標につながる走りができたから、そこに向けて取り組んでいこう」とメッセージをいただきました。

東京五輪はあくまで通過点。マラソンを最大の目標に10,000mに真剣に向き合う。 東京五輪はあくまで通過点。マラソンを最大の目標に10,000mに真剣に向き合う。

コロナ禍による影響も
大きかったのではないでしょうか。

確かに、2020年は思うように練習できない時期もありました。ただ、東京五輪の開催が1年延期になったからこそ、内定を勝ち取れたという面もあります。もともと、2024年のパリ五輪はマラソンで出場することを目標に掲げており、東京五輪は「10,000mで出られればいいな」と甘く考えていました。しかし開催延期になったことで、日本選手権でしっかり記録を残し、必ず東京五輪に出場しようと切り替えて、強い思いを抱くようになり、せっかく巡ってきたチャンスを逃すまいと、自分を奮い立たせました。

そのように気持ちをシフトできたのは、在学時の酒井監督の教えによるところが大きいと感じます。大学時代、部としてはもちろん箱根駅伝での総合優勝をはじめ三大駅伝での三冠達成を目指していたのですが、酒井監督はその先を見据えていました。常に、「箱根がゴールではない。その先のさらに大きな国際舞台での目標達成に向けて、目の前の練習に向き合おう」とおっしゃっていたのが印象的です。私の場合、「マラソンで五輪出場」という目標のためにトラックに注力し、着実に実力を伸ばせていたからこそ、東京五輪の10,000mに照準を合わせられたのだと思います。

支えてくれた人たちへの恩返しをするために。 支えてくれた人たちへの恩返しをするために。

東京五輪に向けての意気込みを教えてください。

自己ベストを出すという強い気持ちで臨み、自分の持ち味である“強さ”が感じられる走りをしたいです。今回はマラソンという最終目標に到達するまでの通過点でもあるので、入賞を目指して走り抜けたいです。また、応援してくれている人に勇気や感動を与えたいとも思っています。社会人になって、自分が競技に集中できるのは周囲がサポートしてくれているおかげだと、より強く感じるようになりました。これまで支えてくださった多くの方々に、東京五輪で良い走りを見せることで恩返しができればと考えています。

東洋大学陸上競技部には「その1秒をけずりだせ」というスローガンがあります。私もこの言葉を胸に、東京五輪までの一日一日、一時間、一分、一秒を大切に過ごしていきます。

PROFILE

相澤 晃 / AIZAWA AKIRA

【出身地】
福島県

【所属】
旭化成株式会社 陸上部
(東洋大学 経済学部 経済学科 2020年3月卒業)

記事の内容は取材当時(2021年1月)のものです。

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