肉体と精神の両方を競う極限のレース。 マラソン 肉体と精神の両方を競う極限のレース。 マラソン

42.195kmにわたる肉体の限界への挑戦と、
その裏で繰り広げられる巧妙な心理戦。
勝負のカギを握るのは、最も苦しい後半のレース展開。
どこで勝負を仕掛け、駆け引きを制するのか。
一気にギアを上げる迫力のクライマックスから、
一瞬も目が離せない。

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出場選手 内容 日時
服部勇馬 男子マラソン決勝 8.8(日)7:00-9:45

競技の見どころ分析

マラソン男子日本代表内定
服部選手のイチオシ!

私の走りの中で、特に注目してほしいのは終盤。粘り強さや、ここぞという所で勝負をかける力など、私の持ち味は、レース後半に発揮されるからです。私はあまり前半から積極的にレースの流れを作るタイプではありません。後半にレースが動いてから、たとえ前を走る選手と距離が離れていても焦らず粘り、じわじわと相手を追い詰めて仕留める、そんなレース展開をしています。もちろん後半は肉体的にも精神的にもかなりつらくなってきますが、これまでストイックに行ってきた確かな練習が心の支えになり、諦めず踏ん張ることができます。東京五輪においても、ぜひ終盤の走りに期待してください。これまでの全てを夢の舞台へぶつけます。

Profile
服部 勇馬(はっとり ゆうま)・・・
新潟県出身/トヨタ自動車株式会社 陸上長距離部(2016年 東洋大学経済学部 経済学科 卒業)

Point 1 給水する水は"ただの水"ではない!?
選手の生命線となるスペシャルドリンク

走ること以外に、レースを左右する重要なポイント。それが給水です。マラソンでは5kmごとに給水地点が設けられており、選手たちは運動パフォーマンスを維持できるよう、独自のスペシャルドリンクを用意しています。レース後には体重が2kg減る選手もいると言われていますが、選手たちの身体から汗として失われるのは水分だけではありません。ナトリウムやカリウムなど、運動能力に関わるイオン(電解質)が流れ出てしまうため、それらを効果的に補う必要があるのです。選手たちは1人ひとり、自分の身体能力や体調に合わせたり、さらには給水地点とゴールまでの距離も計算してイオン濃度を調整したりとこだわり抜いたドリンクを作ります。ランナーの戦いは、ドリンクを準備する段階からすでに始まっていると言えるでしょう。ちなみに、服部勇馬選手は発汗量が多いそうですが、5kmごとの計画的な給水でコンディションを維持し、身体へのダメージを軽減させることを意識しているため、レース後でもあまり体重が減っていないそうです。

Point 2 好記録を出すために必要不可欠な存在
陰の立役者「ペースメーカー」

マラソンコースを走るのは、競技に参加しているランナーたちだけではないということを、みなさんはご存じでしょうか。先頭集団を引っ張っているのは、実はランナーではなく「ペースメーカー」と呼ばれる走者なのです。ランナーとともに走りながら、序盤からレース全体のペースが乱れないように調整し、ときには壁となって向かい風からランナーたちを守り、不要な体力消費を抑えることも。さまざまな役割を担う存在なのですが、最も重要な使命は、ランナーが好記録を出せるようレースをリードすること。状況によっては、世界記録や日本記録を上回るペースで引っ張るなど、記録更新のカギを握っていると言っても過言ではない、まさに陰の立役者。中継画面に映ることもあるので、チェックしてみてはいかがでしょうか。

Point 3 目に見えないランナーの心理戦
いつギアを上げ、勝負を仕掛けるのか

どこの地点で勝負を仕掛け、ギアを上げるのか。マラソンでは、つねにランナーたちの心理戦、目に見えない駆け引きが行われています。勝負を仕掛けるタイミングを見極めることは、特にレース終盤においては大きなカギとなります。仕掛けるタイミングを一度誤ってしまうと、順位を大きく落としてしまう結果になることも。例えば、勝負を仕掛けるタイミングが早すぎると後半に失速。逆に、勝負を仕掛けるタイミングが遅すぎると、前の選手に追いつくタイミングを失ってしまいます。レースが動く最も苦しい終盤の駆け引きは、ぜひ注目したいポイントです。

参考:RUNNER SUPPORT SITE マラソンに必要な水分補給とは、2020年/asahi.com ペースメーカー表舞台 記録を左右、時には主役、2003年/週プレNEWS、2017年/
日本経済新聞 マラソン、ペースメーカーうまく使えば数分短縮も、2013年/ベースボールマガジン社 【マラソン】高橋尚子氏が語るMGC女子展望、2019年

知ればもっと楽しめる! Sports Knowledge

マラソンの起源について >>>

マラソンと名付けられたのは、紀元前490年のギリシャでの「マラトンの戦い」にちなんでのこと。勝利を報告するため、ギリシャの兵士がアテネまで走り、使命を全うした兵士はそのまま息絶えてしまったという故事に由来しています。兵士が走った距離約40kmが、コースの長さのルーツになっていると言われますが、第1回オリンピックで実施されたマラソン競技において走られた距離は曖昧だったそうです。

コースが42.195kmになった理由 >>>

42.195kmで初めてマラソンが行われたのは第4回大会のロンドンオリンピック。元々は、41.843kmで設定されていたのですが、イギリス王妃のアレクサンドラが「スタートはウィンザー城の庭で、ゴールはロイヤルボックスの前で見たい」とわがままな注文をつけたため、距離が延長され42.195kmになったという説が有力です。

競技 and 選手DATA

マラソン(男子)

【世界記録】

2:01:39

(ケニア/
エリウド・キプチョゲ)

【アジア記録】

2:04:43

(バーレーン/
エルハサン・エルアバシ)

【日本記録】

2:05:29

(大迫傑)

服部 勇馬

【近年の主な戦績】
2017年第101回日本陸上競技選手権大会 10000m 10位
2017年第31回サフォークランド士別ハーフマラソン大会 8位
2017年第69回金栗杯玉名ハーフマラソン大会 2位
2017年第9回穂の国・豊橋ハーフマラソン 1位
2018年プラハマラソン 5位
2018年ウスティーハーフマラソン 6位
2018年第72回福岡国際マラソン選手権大会 1位
2018年第63回全日本実業団対抗駅伝競走大会 区間1位 総合3位
2018年天皇杯 第24回全国男子駅伝 区間2位 総合7位(愛知県として出場)
2019年ゴールドコーストハーフマラソン 3位
2019年マラソングランドチャンピオンシップ(MGC) 2位
2019年第64回全日本実業団対抗駅伝競走大会 区間3位 総合2位
【自己ベスト】
2:07:27(日本13位)
(2018.12 第72回福岡国際マラソン選手権大会)

※競技&選手DATAは2020年3月現在のデータです。

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