北島寿典選手

2006年度工学部卒業

“目の前のことを大切にしていたら 
 オリンピックにたどり着いた。”

陸上・男子マラソン
北島 寿典選手
Hisanori Kitajima

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北島寿典選手インタビュー

[2016年6月末現在]

東洋大学時代の思い出

 僕は高校時代、普通の公立高校で陸上をしていたのですが、東洋大の選手が出場する記録会にたまたま出場し、当時の川嶋伸次監督(現・旭化成陸上部コーチ)に声を掛けていただいたのが進学のキッカケです。川嶋監督が就任されてから東洋大学は力を伸ばしていたので、「僕も強くなりたいな」と思っていたし、なんといっても最初に自分の走りを見てくれていたこともあって、東洋大学に決めました。学部は……高校時代に理系のクラスにいたので、工学部(現・理工学部)を選びました。

 工学部は川越キャンパスにあり、トラックも合宿所も川越で(笑)。授業が終わるたびに寮に戻れたので、勉強にもすぐ取り掛かれるし、とても便利でしたよ。

3年生で初めての箱根駅伝

 大学1年の時は故障でなかなか走れませんでしたが、2年になってからは練習も積めるようになり、関東インカレで入賞することも出来ました。箱根駅伝で走ったのは3年生になってからです。

 箱根駅伝の応援はすごかったです。一区間の20km近く、ずっと応援が続く大会はないでしょう。前半は何かフワフワした感じで疲れも感じないまま走れたほどでした。走ってみると、親、友だち、みんながよろこんでくれたのがうれしかったですね。それで自分が安心した面もありました。

 4年生では8区で区間賞も獲得できて、それが肩書というわけではありませんが、自分の中では励みになり、その後に陸上を続けていく上でプラスになりました。

大きな目標は立てず、目の前のことを大切に

 東洋大学を卒業してから、安川電機で競技を続けることになりましたが、それほど大きな目標を立てていたわけではありませんでした。
今の大学生は「将来は東京オリンピックでメダルを取りたいです」と目標を高く持って、初マラソンに挑んでいますが、僕はそんなタイプではありませんでした。
いつかはマラソンを走ってみたいという思いはありましたが、将来の目標を立てるというよりも、その日、その日の練習を大切にしたいという感じで。 なので、初マラソンは30歳を過ぎてからです(笑)。

 最初に2015年延岡西日本マラソンで優勝し、次のシドニーマラソンでも優勝できました。そして2016年3月のびわ湖毎日マラソンで日本人トップに入って、オリンピック代表に選んでいただきました。
マラソンでも最初から優勝を狙っていくのではなく、はじめは完走することだけを考えて、「30kmまでは楽に走れたな」とか、35kmで集団が5人になって、「優勝が狙えるかもしれない」と思うような、徐々に目標を上げていくタイプなんです。 遠くを見るよりも、目の前のことを大切にしていたら、オリンピックにたどりついたという感じがします。

オリンピックの、その先も

 今回、代表に選ばれ、東洋大学を卒業してから10年近く経っているのに、関係者の方や卒業生の方に応援していただけるのは本当にありがたいことです。その思いにしっかりと応えると同時に、卒業生のひとりとして目標にしてもらえるような走り、そして選手になっていきたいと思いますね。

 ただし、今回のリオデジャネイロ五輪をキャリアの集大成と考えるのではなく、陸上やマラソンが大好きなので、長く続けられるように頑張っていきたいと思います。

 後輩のみなさんには、箱根駅伝で頑張ってほしいです。最近、「東洋大のOBです」というと、「おっ」という表情をされて、「箱根、強いですよね」と言われるのが、うれしいんです(笑)。

(interviewer 生島淳 / photo 小倉和徳)


プロフィール

北島寿典選手
北島 寿典(きたじま ひさのり)
安川電機陸上部所属(2006年度工学部コンピュテーショナル情報工学科卒業)
1984年10月16日生まれ(31歳)
身長 170cm  体重 55kg
出身地 群馬県前橋市
出身校 群馬県立中央高校、前橋市立第七中学校

主な成績

2015年 延岡西日本マラソン(2015年2月8日) 2時間12分28秒 優勝
シドニーマラソン(2015年9月20日) 2時間12分44秒 優勝
2016年 びわ湖毎日マラソン(2016年3月6日) 2時間9分16秒 2位

自己ベスト

5000m 13分54秒14
10000m 28分08秒53
ハーフマラソン 1時間02分50秒
マラソン 2時間9分16秒

(2016年6月末現在)