2017(平成29)年10月21日(土)、本学川越キャンパスにおいて「川越フォーラム2017・ホームカミングデー in 川越」を開催しました。
川越フォーラムは、大学院に関連した講演やセミナー、本学大学院で取り組んでいる研究紹介を通じて大学院を身近に感じていただき、卒業後の進路選択の一つとして大学院進学を検討いただくことを目的としたイベントです。
2015年度より実施を開始した理工学部・理工学研究科主催『理工学フォーラム』から川越キャンパスの全学部・研究科が主催するイベントとして内容を発展させ、今年度より規模を拡大し実施しています。
イベント当日は、合計353名の方が川越キャンパスに来場されました。
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大熊廣一 常務理事による挨拶 | 会場の様子 |
寺田信幸 理工学部長(生体医工学科教授)による講演の様子
学部生及び父兄の方を対象に、寺田信幸理工学部長が学部4年間の教育に加えて大学院博士前期課程2年間の教育を受ける意義について、理工系の学部生と大学院生の卒業後の進路傾向の違いや生涯賃金格差など具体的な例を挙げ解説しました。
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高岩裕也さん(理工学研究科 建築・都市デザイン専攻 博士後期課程在学)講演 | 山内皓太氏 株式会社シマ研究所勤務 (工学研究科バイオ・応用化学専攻 2011年度修了)講演 |
現役の大学院生と理工学分野において社会で活躍している大学院修了生が、学部と大学院の違いや大学院で学んだこと、就職して感じた大学院の意義について語りました。
高岩裕也さん「大学での4年間と大学院2年間は、自身のやりたいことができる人生の中でとても貴重な6年間です。真理探究のかけがえのない期間に自分を高めたいという方は、ぜひ大学院への進学を検討してほしいと思います。」
山内皓太氏「大学院進学をすると、学部4年間で得た知識の使い方がわかり、更に好きな分野を好きなだけ研究できます。また、研究をするにあたってはスケジューリングが非常に重要です。一日・一週間のスケジューリングが上手くなると、一日を長く使うことができ、今後の人生にもプラスになります。」
同じキャンパスで学んだ先輩方の経験談とあり、参加した学生たちは真剣な表情で耳を傾けていました。
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日頃取り組んでいる研究や課題の成果について大学院生が1人10分(発表7分質疑3分)で発表し、学外企業の方から講評をいただきました。
発表タイトルと発表者は以下の通りです。
研究科 | 専攻 | 氏名 | 研究発表タイトル |
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理工学研究科 | 機能システム専攻 | 三浦 純哉 | 熱疲労現象の解析的再現と簡易疲労設計法 |
理工学研究科 | 生体医工学専攻 | 中村 萌 | チューブマイクを用いた就寝時高齢者見守りシステムの開発 |
理工学研究科 | 生体医工学専攻 | 吉岡 優海 | アナフィラキシー反応時の脳内神経ネットワークに関する研究 |
理工学研究科 | 電気電子情報専攻 | 関口 諒 | ペルチェ素子の冷却効率を向上させる新しい駆動方式と高精度解析法の提案 |
理工学研究科 | 電気電子情報専攻 | 森山 秀哉 | バルクRashba電子系における負屈折現象 |
理工学研究科 | 応用化学専攻 | 安藤 圭祐 | ダイヤモンド-繊維状ナノ炭素複合材料“マリモカーボン”の化学合成と燃料電池への応用 |
理工学研究科 | 応用化学専攻 | 田中 千智 | ヒト表皮細胞(HaCaT)を用いたアトピー性皮膚炎症抑制物質の探索 |
理工学研究科 | 都市環境デザイン専攻 | 色川 拓斗 | マクロデータを用いた家庭系ごみ排出量に影響する要因の把握 |
理工学研究科 | 都市環境デザイン専攻 | 柿島 隼徒 | 浄化槽から排出される温室効果ガスCH₄・N₂Oの特性評価 |
理工学研究科 | 建築学専攻 | 山口 幸平 | 大規模改修工事における不確定要素に伴うコスト管理 |
理工学研究科 | 建築学専攻 | 佐藤 恵 | 接着系あと施工アンカーを用いた部材の構造特性評価に関する研究 |
学際・融合科学研究科 | バイオ・ナノサイエンス融合専攻 | 田沼 友理 | Synthesis and characterisation of magnetic endohedral fullerenes |
学際・融合科学研究科 | バイオ・ナノサイエンス融合専攻 | 石戸 佑馬 | Synthesis of magnetic particles via pyrolysis in ethanol under subcritical conditions |
「研究口頭発表を聴講して、学生の皆さんのプレゼンテーション能力の高さに驚きました。企業入社後には、自分の開発したもの・設計したものを多くの方々に説明しなければいけません。そういった機会に、目的や目標、考え方を的確に聴き手に伝えるプレゼンテーション能力が非常に重要になります。今回、英語でのプレゼンテーションもありましたが、海外の方との交渉の際にも論理的なプレゼンテーションができれば、大きな協力を得ることができます。ぜひ、こういった研究発表の場を活用して、自分の考えを人に伝える鍛錬や語学の勉強に励んでいただきたいと思います。」
「質疑応答の際に『この研究がうまくいくと、どのようなことに役に立つのか』という問いが多くありました。自分の行っている研究が世の中でどのように役に立つのか、どのような良いことをもたらすのかを考えながら進めていくことが、企業入社後にも活きる経験になると思います。」
「今回、暮らしの問題を解決するもの、社会背景を問題に取り上げたものや地球環境に関することなど、幅広い分野から研究発表がされており非常に興味深く聴講させていただきました。思考を深め、視野が広がるきっかけとなるとともに、自身の研究のヒントになることもありますので、こういった異分野の研究に触れる機会を大切にしてほしいと思います。」
「皆さんの研究成果は、最終的には我々の生活にどのような恩恵を与えることができるか、というところに結びつきます。少子高齢化など日本が抱えている様々な課題に関心をもち、日本の行く先を見据えた広い視野で研究に取り組んでほしいと思います。」
理工学研究科、学際・融合科学研究科、総合情報学研究科 約70の研究室のパネルが展示され、学生たちは所属する研究室について、来場した在学生・父兄の方・OB・企業担当者に紹介しました。
<パネル展示場所>
理工学研究科、学際・融合科学研究科:2号館
総合情報学研究科:7号館
土江 寛裕教授 (法学部企業法学科教授、陸上競技部短距離部門コーチ)による講演
陸上競技部短距離部門コーチの土江寛裕教授(法学部企業法学科)が、選手時代から今日に至るまでの豊富な経験をもとに、世界を舞台に活躍するための心構えや必要となる資質・能力について講演しました。
また、リオデジャネイロオリンピックで銀メダル(4×100mリレー)を獲得し、9月に福井運動公園陸上競技場において行われた日本学生陸上競技対校選手権大会 男子100メートル決勝で9.98秒という日本記録樹立の快挙を成し遂げた本学4年生の桐生祥秀選手の指導・育成等についてもお話しました。
交流会では、在学生・卒業生・企業の方・教職員が親睦を図るとともに、研究口頭発表の優秀賞の表彰を行いました。
研究口頭発表優秀賞は、口頭発表を聴講した学生・父兄の方・企業の方・教員に回答いただいたアンケートをもとに決定しました。
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研究口頭発表表彰者の集合写真 左から 学際・融合科学研究科長 花尻達郎教授、田沼友理さん(バイオ・ナノサイエンス融合専攻)、 森山秀哉さん(電気電子情報専攻)、安藤圭祐さん(応用化学専攻)、 柿島隼徒さん(都市環境デザイン専攻)、理工学研究科長 秋山哲一教授 |
研究科 | 専攻 | 氏名 | 研究発表タイトル |
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理工学研究科 | 電気電子情報専攻 | 森山 秀哉 | バルクRashba電子系における負屈折現象 |
理工学研究科 | 応用化学専攻 | 安藤 圭祐 | ダイヤモンド-繊維状ナノ炭素複合材料“マリモカーボン”の化学合成と燃料電池への応用 |
理工学研究科 | 都市環境デザイン専攻 | 柿島 隼徒 | 浄化槽から排出される温室効果ガスCH₄・N₂Oの特性評価 |
学際・融合科学研究科 | バイオ・ナノサイエンス融合専攻 | 田沼 友理 | Synthesis and characterisation of magnetic endohedral fullerenes |
Graduate School of Interdisciplinary New Science