No.05

水中で繰り広げられる姿かたちの七変化 河童 meets 競泳 水中で繰り広げられる姿かたちの七変化 河童 meets 競泳

いろんな姿の仲間がいるんだよ。

河童って?

川や沼など、水辺に現れる妖怪。緑色の体に背には甲羅、頭に皿、黄色いくちばしという姿をイメージするが、これはひとつのパターンにすぎない。江戸時代までに描かれた資料では、毛むくじゃらの姿や赤色の皮膚、4足歩行の様子などさまざまな姿で描かれており、実際に岩手県遠野市では「河童は赤色」という言い伝えもある。水辺で悪さをする妖怪としての伝承の過程で、人々にとって身近であった亀やカエルをモデルとしてイメージが統一されていったと考えられている。

参考:小澤葉菜「『河童』のイメージの変遷について:
図像資料の分析を中心に」『常民文化』34号、2011年

基礎情報
河童(かっぱ)
[大きさ] 約100cm 
[苦手なもの] 日差し 
[好物] キュウリ

河童が解説!競泳にまつわる七変化のはなし 河童が解説!競泳にまつわる七変化のはなし

「水」にまつわるオリンピック競技のひとつ、「競泳」。河童にさまざまな姿があるように、競泳選手が着用する水着も、これまでにさまざまな形態への変化を経ている。生地や構造で水中での抵抗力も大きく変わるため、泳ぎをサポートする水着の開発が盛んに行われている。すべすべした生地や、面積が狭いほうが水中での摩擦が少ないのではないかという考えを持ってしまうが、実は正反対。ざらざらとしたサメ肌のような生地や、筋肉の凹凸をなだらかにする面積の広い水着のほうが、水中の抵抗をなくしスムーズに泳げる。近年は、体の動きをサポートしながら流水抵抗を減らす水着も数多く誕生している。

【参考】日経スタイル「五輪競泳水着『50年の進化』飽くなき抵抗との戦い」

スポーツを哲学する!理工学部生体医工学科 望月教授の哲学 東洋大学理工学部生体医工学科 教授 望月 修 スポーツを哲学する!理工学部生体医工学科 望月教授の哲学 東洋大学理工学部生体医工学科 教授 望月 修

競泳水着の開発は近年になって活発になった印象がありますが、実は50年以上も試行錯誤を繰り返してきた歴史があります。1964年の東京五輪での日本の公式水着は、絹ではなく合成繊維のナイロン(ポリアミド)を100%使用したものでした。縦方向への伸縮性が弱く、フィット性に欠けるものだったと言われています。抵抗を最も受けやすい胸元に日本国旗のワッペンが縫い付けてあるというのも、現代の水着の特性とは異なっていました。

2000年代前半の競泳水着の進化は、革新的です。サメの肌のような生地で水中の抵抗を少なくする技術も開発されました。水着の表面に「リブレット形状」と呼ばれる溝を作り、人間の肉体の凹凸よりも摩擦抵抗を減らすことができるのが大きな特長です。一時期話題になった『高速水着』と呼ばれる水着にも同様の素材が用いられていました。全身を覆うフルスーツ型も、この頃から一気に主流となりました。

現在は競泳水着のルールも改正され、生地の厚さや浮力に至るまで、細かな決まりが定められました。フルスーツ型から、男性はへそ下から膝まで・女性は肩から膝までと丈の規定も変更されました。現在は、キックサポートをメインにした水着や、水面に対して体を水平に保つ「フラットスイム理論」を実証するための水着などが登場しています。

流体力学的には、河童は川の中に現れる「渦」と考えられています。我々は川に住む生物と渦との関係を調べ、その中でカエルの飛び込みの観察から、造波抵抗を抑え飛び込み抵抗を低減するスイミングギヤの開発に取り組んでいます。

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妖怪イラスト:伊野孝行
(イラストレーター・東洋大学法学部卒業生)