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東洋大学主催セミナー「シェイクスピア英語の醍醐味」実施報告

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平成30年6月21日に、国際英語音声学会の協力のもと、英国等で俳優や演出家として活躍されている、
Ben Crystal(ベン・クリスタル)氏をお招きし特別セミナーを開催しました。
当日は学内外から120名の学生および教職員が集まり会場は満席となりました。

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担当教員からの講評

英国の著述家、俳優、演出家のベン・クリスタル(Ben Crystal)氏による講演会が行われ、学内外から多くの参加者があり盛会のうちに終了しました。クリスタル氏の講演は「シェイクスピア英語の醍醐味(英題: Speaking the Bright and Beautiful English of Shakespeare)」と題するものでした。さすがは本場の俳優、『ヘンリー五世』の有名な前口上を耳に心地の良い美しい音楽的な英語で朗誦するという印象深い「演出」で講演が始まりました。本論に入ると、氏は、シェイクスピアのテクストをモーツアルトの楽譜に喩え、「あなたがもしモーツアルトが好きで、それを子供にも好きになってもらおうと思うなら、あなたは子供にまずモーツアルトの楽譜を読ませますか。それとも、子供をコンサートへ連れていって生の演奏を聴かせ、一緒に楽器を演奏する練習を手伝ってあげますか」と問われました。すると、その後者の方法を自ら教室で実践するかのように、『マクベス』二幕二場にみえるマクベスとマクベス夫人がダンカンを殺害した後に慌てふためく対話部分(台本では八行分)をスクリーンで示され、その場面を参加者に演じてもらうアクティブ・ラーニングの方法で、その場面の醍醐味について解説されました。氏によると、シェイクスピアのテクストは、長い時を共に過ごし、互いの不幸を悲しみ互いの幸せを祝う深い絆で結ばれていた一座の役者達が演じるために書かれたもので、すべのモーメントには当時の役者たちの阿吽の呼吸が刻み込まれているということでした。したがって、テクストを緻密に―とはいっても文学テクストを読むようにではなく、舞台でその場面を演じるように声に出して―読み、そして、サイレントな部分については、想像を働かせて演技方法や息遣いを考えながら読んでいけば、その場面に作用している感情(emotions)がまるで音楽のように響いて聞こえてくるということでした。

それがシェイクスピア英語の醍醐味であり、クリスタル氏自身がモットーとしている「シェイクスピアの美しい英語を話す(Speaking the Bright and Beautiful English of Shakespeare)」という営みそのものであることも教えていただきました。講演の最後に、冒頭で引かれた『ヘンリー五世』の前口上を、今度はシェイクスピア時代の英語発音を言語学分野における最新の学説に基づいて復元した発音に忠実に朗誦されました。あらゆる方法でシェイクスピアに「忠実」にテクストを読むことが、新しい発見の連続に満ちた愉しい営みであることを改めて学びました。

(報告者:五十嵐博久・内丸公平・田中一隆)


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