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ポスト福島の哲学「自然災害と予知不可能な死」

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「ポスト福島の哲学」研究会:オバーグ・アンドリュー「自然災害と予知不可能な死:私たち自身の死について考えるためのよい方法はあるのか?」

 2015年7月7日、東洋大学白山キャンパス8号館第2会議室にて、「ポスト福島の哲学」研究会が開催され、オバーグ・アンドリュー研究員(東洋大学国際地域学部)により、「自然災害と予知不可能な死:私たち自身の死について考えるためのよい方法はあるのか?」と題する発表が行われた。本発表の概要は次の通りである。まず、実際に生きているがしばしば理解し損なう不確実性の世界の中に自分たちの位置を定めることから出発し、次に、蓋然性や意思決定に関わる心理学的体系についての簡潔な説明が述べられた。このことを背景として、もしこの予知不可能な世界で、心理学が私たちに示してきたように、感情的にかつ直観的に私たちが行為する傾向にあるならば、自身の避けることのできない将来の死について、いかにして私たちは考えるべきなのであろうか、という問いが提示された。オバーグ研究員この問いは、死は害悪であるというネーゲル、ソレンセン、チャペル、そしてウィリアムズの議論に答えるローゼンバウムの実験可能な反論を用いて、死は害悪ではないというエピクロス主義的試みを検討することによって取り組まれる。たとえ死それ自体は害悪ではないとしても、私たちが死について考える仕方は二通りあり得るということが見出されよう。すなわち、死にゆく過程と将来のなさという事実である。最後に、私たちの来たるべき死についていかにより良く考えられるかについて、それを乗り越えるような試論が述べられた。小規模な研究会ながら活発な意見が交わされ、実りあるものとなった。

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