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東国大学校仏教大学共同セミナー

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国大学校仏教大学(韓国)と東洋大学国際哲学研究センター(日本)の共同研究 第1回研究会

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 2014年11月6日、韓国ソウル特別市にある東国大学校、茶香館セミナー室において東国大学校仏教大学(韓国)と東洋大学国際哲学研究センター(日本)との共同研究の第1回研究会が開催された。東国大学校は、韓国仏教の中心宗派である曹渓宗の宗立大学であり、3万人を超える学生を有する総合大学である。東国大学校と東洋大学とは1995年に交流協定を締結したが、従来、活発な交流は行われてこなかった。そうした中、昨年、竹村牧男研究員(東洋大学学長)が鄭承碩氏(東国大学校仏教大学長)と協議を行い、両校の研究交流を活性化させることで合意した。合意内容は、(1)2年間、研究会を継続すること。(2)研究会は1年に2回、韓国と日本で開催すること。3、研究テーマは「20世紀以後における韓日両国の仏教の変遷について」にすることである。

 第1回となる今回の研究会は午前10時から始まった。午前の司会は禹濟宣氏(東国大学校)、通訳は朴基烈氏(東国大学校)が務めた。まず開会式が行われ、鄭承碩氏が開会の辞を述べ、竹村研究員と朴正克氏(東国大学校学術副総長)が祝辞を述べた。2

 10時半から発表が行われた。第1発表:竹村研究員「近代日本の仏教界と井上円了」は、主題について、(1)明治初期の日本仏教界の状況、(2)円了における哲学と仏教、(3)円了の仏教復興運動、(4)円了の仏教改革への視点、の4つに分けて論じた。第2発表:金浩星氏(東国大学校)「井上円了の解析学的方法論-奮闘哲学を中心に」は、主題について、(1)「活」選択の教判、(2)教外別伝的な読書法、(3)重頌とパロディースタイルの書き方、に分けて論じた。

 午後の発表は、司会を金浩星氏が務めた。通訳は同じく朴基烈氏である。第3発表:三浦節夫研究員(東洋大学ライフデザイン学部)「井上円了と東アジア(一)-井上円了の朝鮮巡講」は、先行研究の紹介と問題点を指摘した後、第一回の満韓紀行、第二回の朝鮮巡講に分けて論じた。第4発表:姜文善(慧源スニム)氏(東国大学校)「近代期韓日の比丘尼の存在様相に対する試論的考察-宗制の変遷を中心に」は、主題について、(1)近現代期韓国仏教界の宗制変化、(2)近現代期韓国比丘尼の様相、(3)近現代期日本曹洞宗の宗制と尼僧、に分けて論じた。第5発表:佐藤厚客員研究員(専修大学)「100年前の東洋大学留学生、李鍾天―論文「仏教と哲学」と井上円了の思想」は、主題について、(1)李鍾天の略伝、(2)論文「仏教と哲学」と井上円了の思想、に分けて論じた。第6発表:高榮燮(東国大学校)「大韓時代の日本の留学生達の仏教研究の動向」は、主題について、(1)在日仏教留学生の国内外の寺院分布、(2)在日仏教留学生の日本の学校分布、(3)日本留学生の仏教研究活動、(4)日本留学生の帰国後の動向、に分けて論じた。

 午後5時半から閉会式が行われた。まず竹村研究員が全体の講評を行い、最後に鄭氏が全体の総括と次回開催の要項を説明した。

 それぞれの発表に際しては、他の発表者や会場から質問がなされ、有意義な研究会となった。

 今回の研究会の意義として次の二点を挙げることができる。第一には、両校の研究交流が実質化したこと。これにより将来、さらに人的交流を進め、学問交流を深めることにより、両校にとって有意義な研究会になることが期待される。第二には、発表内容に関して井上円了に関する発表テーマが多かったこと。これは韓国に井上円了を紹介するよい機会になったとともに、日本だけでなくアジアにおける井上円了、および井上円了思想の位置づけを探索する研究上の一つの方向性を示したと思われる。なお、東国大学校より井上円了文献を図書館に所蔵したいとの要請があったので、後日、東洋大学から同大学図書館に寄贈することを確約した。3

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