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学術研究推進センター共催国際シンポジウム

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国際シンポジウム

「人間は何を知り、何を考えてきたか?―伝統的な知の集積と近代科学の接点を探る―」

 11月8日(土)、東洋大学白山キャンパス8号館125記念ホールにおいて、国際シンポジウム「人間は何を知り、何を考えてきたのか?―伝統的な知の集積と近代科学の接点を探る―」が開催された。このシンポジウムは、東洋大学学術研究推進センターと共催で行なわれ、5人の発表者がそれぞれの立場から報告を行った。以下、発表順に紹介し、発表の概略を記す。共催1 

 天野文雄氏(京都造形芸術大学舞台芸術研究センター所長)は、「能楽研究における近代と前近代―能楽史研究、能作者研究、作品研究をめぐって―」という表題で、能楽における「近代能楽」の詳密な資料から、日本の伝統芸能が近代においてどのような取り扱いを受けてきたのかを論じ、現代に生きる我々の伝統に対する一つの視座として、過去と今との間の連続と不連続の観点を提示した。 

 デイビッド・クーニン氏(日本ユダヤ教団ラビ)は、「ユダヤ教―未来を見据え、過去を想う」と共催2いう題目において、ユダヤ教の歴史と教義を紹介し、その歴史の中で他宗教や他文化との融和、寛容がユダヤ教の特徴を顕していると述べた。

共催3 八木誠一氏(東京工業大学名誉教授)は、「新約聖書と現代」と題し、キリスト教の聖典である新約聖書を、現代においてどのように読むのかを中心に発表した。八木氏は、その聖書解釈の中で、「復活」をキーワードに、自我への固執を批判し、それを克服する中で、超越的な全人格へと至るという宗教の教義の本質を提示した。共催4

 シュリーパーダ・スブラマニヤム氏(アーンドラ・ブラデーシュ州東洋写本図書館長)は、「サンスクリット文献における六派哲学」という題で、インドにおける「哲学」の可能性について論じた。シュリーパーダ氏は、インドに古くから哲学的な思想が根付いており、その精神が現代においても大切に保存される必要があると述べた。

共催5 廣澤隆之氏(大正大学)は、「仏教が問う近代知の諸相」と題して、伝統的な仏教と近代的な仏教学の差異について指摘した。廣澤氏は、仏教自体に伝統と近代という二項対立があるのではなく、明治以降西洋から輸入した仏教学という「学問の視点」で反省的に歴史を見なおすときに、その違いが生じるものであると述べた。廣澤氏は、前者の仏教が後者の仏教学に取り込まれることなく、排除されることなく、両者の位相を明確にしつつ、互いに批判される必要があるとした。共催6

 以上のように、立場の全く異なる論者によって、多様な発表が繰り広げられた。これらに対し、本センターの宮本久義研究員(東洋大学文学部)は、総合討論におけるコメンテーターとして、それぞれの立場における伝統を尊重しつつも、それを現代の中で活かすことの困難さと可能性について言及した。その後、発表者同士の質疑応答、フロアも交えての討論が行われ、シンポジウムは盛況の内に幕を閉じた。

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