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「宗教間の共生は可能か」シンポジウムを開催いたしました

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写真1 第3ユニットでは、2013年11月30日(土)14時00分~16時30分、東洋大学白山キャンパス6号館2階「6211教室」にて、「宗教間の共生は可能か」と題するシンポジウムを開催した。これは、昨今特に問題とされている宗教間の共生ということに焦点をあてて、主に仏教研究者を中心として、共生の可能性を探ろうという意図のもと行われたシンポジウムである。企画立案者の渡辺章悟研究員による開会あいさつ(趣旨説明)の後、3名の提題者が提題を行った。

写真2 釈悟震先生((公財)中村元東方研究所専任研究員)は、「異宗教間の共存は可能か―仏教国スリランカを中心に」と題する提題を行った。19世紀後半にスリランカで行われたパーナドゥラー論争と呼ばれる仏教徒とキリスト教徒の論争を題材とし、「宗教の理解を通じて、異文化に対する認識を広げ、ひいては人間理解を深め」る必要があり、「異宗教間の対話はより深く行われなければならない」と結んだ。バイカル客員研究員(桜美林大学准教授)は、「モンゴル帝国時代の仏教とキリスト教―カラコルムの宗教弁論大会を中心として―」と題し、1254年、モンケ・ハーンの治世下、モンゴル帝国の都であるカラコルムのネストリウス派キリスト教礼拝堂において開催されたキリスト教徒、イスラム教徒と仏教徒による弁論大会を取り上げ、「世界の三大宗教の信徒、またカトリック教に異端とされていたネストリウス派キリスト教徒が、このような平和な環境の中、平等な立場で弁論できたことは有史以来、はじめての出来事だと言っても過言ではない。これはモンゴル遊牧文化を継承した帝国のハーンたちの寛容性と調和性がもたらしたものであると考えられる」と結んだ。最後に、菅野博史先生(創価大学教授)が、「富永仲基と平田篤胤の仏教批判」と題する提題を行った。富永は、明治以降の近代仏教学において常識となった大乗非仏説論、つまり、大乗経典は歴史的釈尊が直接説いたものではないとする説を、すでに江戸時代、『出定後語』において歴史的観点から提唱した思想家である。他方、平田は、それを受けて仏教研究に取り組み、『出定笑語』を著した国学者である。その両者の仏教批判を詳しく紹介した上で、特に平田について、「日本の古伝説を補うためと、それの普遍性を論証するために、中国、インドの古伝を研究する必要があったこと、国学の宗教化にともなって、同じ土俵の競争相手とも言うべき仏教を厳しく批判する必要があったことなどを理由として、仏教の研究に取り組んだと思われる」と指摘し、さらに、「彼が仏教界の制度的改革にはまったく消極的であったことも見逃せない事実」として指摘した。

写真3 続く総合討論では、フロアからの共生についての展望、一神教と多神教の間の共生の可能性など、さまざまな質問に対して、提題者が丁寧に答えた。最後に、宮本久義研究員(第3ユニット長)が閉会のあいさつを行った。シンポジウムは40名ほどの参加者があり、共生の可能性に正面から切り込んだ有意義な会となった。

 

 

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