志木市放課後子ども教室“りんくす”&東洋大学 連携プロジェクト
子どもたちが運動を好きになってくれることを目標に運動教室を開催しています
ライフデザイン学部健康スポーツ学科では、2013年度より新たに、志木市放課後子ども教室 “りんくす”と連携して、幼児、児童を対象としたサッカー教室やダンス教室を行う取り組みを始めました。“りんくす”とは志木市の市民組織で、志木市教育委員会と協働し、多世代の大人が集まり子どもたちと一緒に居場所をつくる活動を行っています。この連携プロジェクトでは、チラシ作成や参加者募集などの教室運営を、“りんくす”の市民ボランティアの方たち(主に子どもたちのお母さんたち)が行い、プログラムの作成と子どもたちへの運動指導を学生が行っています。この取り組みにより、子どもの運動指導に興味のある学生たちが実践を通して学べるようになりました。日頃接する機会の少ない幼児や児童と接しながら、運動を楽しんでもらうためのコツを考えたり、体づくりや動きづくりに効果的な指導技術を磨きます。
また市民組織である“りんくす”と関わることにより、地域の人々によるまちづくりを実践的に学ぶことのできる貴重な機会にもなっています。
<サッカー教室>
6月22日と7月13日の2日間、サッカー教室を行いました。
1日目は、あいにくグラウンドコンディションが悪かったため体育館での開催になりました。この日のプログラムは、(1)ゾンビ鬼ごっこ(ウォーミングアップ)、(2)ドリブルリレー、(3)シュート練習、(4)ゲームを予定していました。運動指導プログラムは、対象となる子どもの年齢や運動能力に合わせて作成しなければなりませんが、この運動教室は申し込み制ではないため、当日にならないと、参加する子どもの年齢も人数もわからないところが難しい点です。この日は想定していたよりも小学校1~2年生の参加者が多く、その場で課題を易しく変更するなどメニューを調整しながら運動指導を行いました。
指導にあたった学生たちからは、反省点として、「子どもたちが課題の意図を理解できていないのではと思う場面があったので、子どもたちが理解できているのか確かめる方法を考える」、「子どもたちの動きが変わるような、わかりやすい説明を工夫する」などが挙げられました。
2日目は、子どもたち念願の広々としたグラウンドで活動することができました。この日のプログラムは、(1)しっぽとり鬼ごっこ、(2)試合を想定したドリブル・シュート練習、(3)幼児、小学生、中学生、大学生の合同チームによるゲームでした。(2)のみ、小学校低学年、小学校中学年、小学校高学年の3グループに分かれて行いました。前回の反省を踏まえ、子どもたちがより理解しやすいように、説明を行う際は、注意を自分の方に向けさせるよう抑揚のある話し方をするなどの工夫をしました。また、この日が最終日なので、より実践的なドリブル・シュート練習にするため、例えば高学年のグループでは、ディフェンスを抜く練習などをプログラムに組み込みました。
最後の合同チームによるゲームは、前回の教室のあと、子どもたちからはもっとゲームをやりたかったとの意見が多く聞かれたため、時間を多めに取りました。ゲーム中に指導にあたった学生たちは、幼児も中学生も、また男子も女子も楽しめるように、個人の力や特性を考えながら、指示を出したりパスを出したり、常に考えながらよく動きました。また、ドリブル練習ではあまり乗り気でなかった幼児が、試合では果敢にボールを取りに突っ込んでいく様子を目の当たりにして、あらためて、練習も大切だがゲームも大事だということに気づかされるなど、大学内の授業だけでは学べない多くのことを、この2日間で学びました。
<ダンス教室>
8月26、27、28日の3日間、ダンス教室を行いました。小学校3年生~6年生、計16名の子どもたちが参加して、嵐の「Face Down」を踊りました。3日間のプログラムは以下の通りです。
1日目:(1)レクリエーション、(2)全員でのサビパートの練習
2日目:(1)サビパート練習(ウォーミングアップ)(2)5人グループ(人数が足りないグループには学生が入る)の発表、(3)嵐の役別に分かれての練習、(4)5人グループに戻っての練習
3日目:(1)サビパート練習(ウォーミングアップ)、(2)5人グループでの練習、(3)舞台の範囲をテープでつくり発表会に向けてのリハーサル(1チーム5分で2回ローテーション)
今回のダンス教室では、子どもたちに音楽に合わせて体を動かすこと、グループでのダンスの楽しさを知ってもらうため、学生のアイディアで指導方法に様々な工夫を取り入れました。
嵐の役別(大野班、櫻井班、松本班、二宮班、相葉班)に分かれての練習では、子どもたちが5人グループで踊る際の自分の位置を確認するために、5人の役を示す色違いのコマをつくり、それを動かしながら説明しました。個々のダンスの指導では、カウントが大切なパートでは、カウントがわかりやすいように拍手する学生と、振付を見せておしえる学生とに役割を分担して教えたり、歌った方がわかりやすいパートは、歌いながら教えたりといった指導方法を取りました。
また、サッカー教室を担当していた男子学生も参加して、ダンス教室が始まる前後にウォーミングアップも兼ねて、鬼ごっこなどをして遊んだことも、子どもたちには大好評でした。子どもたちに遠慮なく跳びつかれ、男子学生たちはへとへとでしたが、子どもたちの持つ、有り余る体力を実感したのではないでしょうか。
初日こそ少し難しそうにしていた子どもたちですが、学生たちのこうした細やかな指導もあり、最終日には、嵐になりきって格好良く踊れるようになり、お母さんやお父さんを招いての発表会も大成功でした。発表会を終え、学生たちはそれぞれ、自分が教えたグループの子どもたちの成長ぶりに感動し、最終日には離れがたい気持ちでいっぱいのようでした。