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公民連携専攻修了の中村賢一さん(現客員教授)が「地方創生人材支援制度」により奈良県広陵町へ派遣決定

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(写真左から)福川理事長、中村さん、竹村学長、根本専攻長
(写真左から)福川理事長、中村さん、竹村学長、根本専攻長

■地方創生人材支援制度は、政府(まち・ひと・しごと創生本部)が、地方創生に取り組む地方自治体が重点分野(インフラ、農林水産、子育て、観光・広報など)を推進するにあたり、必要となる知識や経験を有する国家公務員や大学研究者、民間人材を、市町村長の補佐役として派遣し、地域に応じた「処方せんづくり」を支援する制度です。

このたび発表された平成29年度派遣者として、大学院経済学研究科公民連携専攻を修了した中村賢一さん(写真右)が、2017年5月から奈良県広陵町に派遣されることになりました。                                     

今回は、広陵町が取り組む地域経営全般を対象とする「まちづくり政策監(タウンマネージャー)」に就くことになりました。

今回の派遣対象自治体は31都道府県55箇所ですが、大半は国家公務員が派遣されており、大学からの派遣者は中村さんを含め2名でした。

本学からは、平成28年度派遣者として、2015年3月大学院経済学研究科公民連携専攻を修了した栢工裕史さんが、2016年5月から青森県三戸町に派遣されており、2年連続となります。

 

■中村賢一さんからのメッセージ

 

Q 中村さんはとても多様な経歴をお持ちと伺いました。画像2

中村さんのプロフィールをお教えいただけますでしょうか。

 

A 私は、東京都の武蔵小山出身なのですが、父親の仕事の都合で、小学生時代は北海道札幌市で過ごしました。

大自然の中で育ったこと、また北海道という土地のおおらかな雰囲気が現在の私を形作っていると思います。

職歴としましては、国家公務員として勤めた後、国会議員秘書、民間企業、ホテル支配人、地方公務員などを経験しました。ホテルでの勤務時代には、ブライダルコーディネーター、ソムリエ、利き酒師、カラーコーディネーター、1級レストランサービス技能士、テーブルマナー講師、儀典オーガナイザー、サービス介助士などの資格も取得し、ホスピタリティある接客に務めました。

そのような中、ある短期大学から非常勤講師の依頼をされたのですが、人に教える仕事をする以上、しっかりとした学問の裏付けを持つ必要があるな、と考えた私は、東洋大学の国際地域学研究科国際観光学専攻に入学することに決めました。

この国際地域学研究科修了後、経済学研究科公民連携専攻へと進みました。結果的に双方で学ぶことになったのは、一度目の在学中に、勤務先で起こった変化がきっかけです。私の勤務するホテルは郵政省の管轄だったのですが、ご存じの通り、民営化によって経営者が変わりました。当時の私には「民営化」とはどういうもので、なぜ必要で、どんな価値があることなのかといった知識がほとんどありませんでした。しかし、世間の注目も集まり、変わっていく職場環境に不安を抱える従業員も増える中、「組織で役職に就いている者として、きちんと知らなくていいのだろうか?」という強い疑問がわいてきたのです。経済学研究科に公民連携専攻が新設されたのは、その2年前のこと。まるで私がここで学ぶことが、運命だったのではないかと思えるようなタイミングでした。

公民連携在学中に加西市主幹(その後次長に昇格)に採用されたことから、ホテル勤務を辞め、当時最先端のPPPによる行財政運営への導入に向けて無我夢中で取り組みました。

今は、民間インフラ企業役員の傍ら東洋大学大学院経済学研究科公民連携専攻の客員教授を務めています。

 

Q 今回の地方創生人材支援制度へ応募された理由をお教えください。

A PPPの仕事に携わってみて、これからの日本の行政のあり方には大きな変革が必要だということを常々感じていました。しかし、民間で取り組んでも外からの改革では限界がある、ということも感じていました。外からではなく“内側”からの改革が必要だという考えに至った時に、丁度今回のオファーがあることを知り、応募しました。

 

Q 今回の派遣について、ご家族の方はどうおっしゃっていますか?

A 妻は「またか」といった感じです(笑)。色々経験してますから。諦め半分かもしれませんが、応援してくれていますよ。感謝してます。

 

Q 入学を検討されている方へひとことお願いいたします。

A 私が東洋大学大学院公民連携専攻で学んだ「公民連携(PPP)」は、これからの行政の根幹をなす手法になっていくものです。特に、今の地方は少子高齢化と人口減少に向かっており、財政的に逼迫しているところが多い状況です。これまでの行政の運営スタイルでは間違いなく立ち行かなくなっていきます。PPPはそんな現状を打破するために、民間の力を借りて行政を行うための可能性を探る学問です。しかし、まだ新しい経済概念でありながら、現場では即戦力を切実に求めています。そのため、この専攻では実践的な授業が多く、実在する自治体ともさまざまな形で連携をはかっています。

今回、派遣されることになったのも、こうした経験を認めていただいたものと思います。

社会人大学院には、やはり人生を変えるだけの魅力が間違いなくあると思います。

皆さんの中でも興味がある方はぜひ一歩すすめてみてください。

 

■中村賢一さんの在学時代インタビュー記事はこちら

■公民連携専攻の概要はこちら

 

■根本専攻長からのメッセージ

今回の東洋大学として、中村賢一さんの派遣が決定したことを受けて、くわしい経緯などを根本専攻長に伺いました。

画像3

Q 今回の地方創生人材支援制度による派遣は、大半が国家公務員で、大学からの派遣者は中村賢一さんを含め2名ということですが、大学からの派遣は難しいことなのでしょうか?

A 国家公務員には国家公務員の良さ、民間企業には民間企業の良さがあります。大学の研究者の場合は、しがらみのない客観性、政策の根拠を示す論理性が特徴だと思います。反面、地方自治体、民間双方の知識や人脈を持っている人は一般的には少ないので、大学からの派遣は難しいと言えますが、公民連携専攻では、官と民の双方の視点から物事を探求するので、その点はご評価いただけると思います。さらに、中村さん自身で、国、自治体、民間企業で多様な経験をしているという点は強みでした。

 

Q 広陵町の地方創生を実現するために中村さんへのヒントというのはありますか?

A 知識、経験とも申し分ないので何も心配していませんが、広陵町のポジションを把握しておくのは重要かと思います。専攻でよく使っている人口コーホート図(平成27年の年齢別人口と平成22年の5才下の年齢別人口を差し引いたもの)を見ると、高校、大学、就職期では人が出ていきますが、5~9才代と30~40才代は転入してくることが分かります。つまり、地元には高等教育や若年雇用の場が少ないが、30代以上にとっての通勤環境、子育て環境には優れている、典型的なベッドタウンということになります。人口、特に子どグラフもの転入が増えている今の時期に、将来人口が右肩下がりになることを見据えて、計画的に取り組んで行くことが大事だと思います。

 

Q 今回派遣される中村賢一さんは、公民連携専攻の在学時代はどんな学生でしたか?

A 入学時点ではホテル支配人という肩書でした。その前は議員秘書、その前は国家公務員という異色のキャリアにまず驚きました。勉学にも熱心なことはもちろんですが、実践への応用を心がけ、在学中に自治体の任期付き職員に採用されたというのもなかなかないことです。大学院で学びつつすぐに実務に応用し、それまでPFIでしか用いられていなかった競争的対話というプロセスを通常のPPPに導入して民の知恵を入れたのは大きな功績だと思います。

 

Q根本専攻長、地方創生人材支援制度に対して、公民連携専攻はどのような貢献ができますか?

A 人を育て、現場に送り込み、応援する。これにつきますが、世界のどの大学よりも環境が整っています。現場で活躍したいと考える多くの人材に入学をおすすめします。

報告をする中村さん
理事長、学長に今回の派遣について報告をする中村さん
(写真左から)竹村学長、福川理事長、中村さん、根本専攻長
 

 

■中村賢一さんプロフィール

国家公務員、ホテル支配人、自治体幹部職員等官民双方における多様な経歴を有し、現在は民間インフラ企業役員の傍ら東洋大学大学院経済学研究科公民連携専攻客員教授を務める。

 

■根本専攻長プロフィール

東洋大学大学院経済学研究科公民連携専攻長。 日本政策投資銀行を経て、現職。「朽ちるインフラ」(日本経済新聞出版社)でPPPの可能性を拡大。