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TOYO people:経済学部経済学科 角南俊介准教授

TOYO people:経済学部経済学科 角南俊介准教授

2015年7月7日更新

スポーツの動作を分析する、新しい学問
世界で戦う日本選手を育てるために

経営学部 角南俊介准教授
経済学部経済学科 角南俊介准教授

サッカー指導者を志す過程で出会った「スポーツバイオメカニクス」に感銘を受け、指導と研究という異なる2つの立場で活躍してきた角南俊介准教授。指導現場と研究を行き来するからこそ見える日本スポーツの課題、これからの可能性をお伺いしました。

スポーツバイオメカニクスとは

私の研究領域である「スポーツバイオメカニクス」は、他のスポーツ研究領域よりも比較的新しい学問です。私はこれまでにサッカーのキックやヘディングといったサッカーに特有の技術を分析してきました。

例えば、日本では幼少期からパスなどに使われる「インサイドキック」の練習をするのですが、私たちはそういった動作を科学的に検証し、技術発揮するためのコツを明らかにして指導現場に還元するのです。海外の選手に比べて体格や身体能力が劣ることが多い日本人は、もともと技術的な面に対するこだわりが強く、様々な競技種目でのスポーツ技術を解析するために「スポーツバイオメカニクス」が生かされています。

私の講義では、関節の動きの基本的な知識を用いて、ヒトの姿勢制御や歩行動作といった基礎的な運動から投動作や蹴動作などの発展的な運動まで幅広い運動動作をテーマにして、動画を活用することで視覚的にわかりやすい授業を心がけています。

研究成果を指導現場に還元する

私は学生時代からサッカーの指導者を目指して経験を積んでいたのですが、その中で「スポーツ科学」と出会い、未だに明らかになっていないことを解明する「研究」に興味を持つようになりました。一方で、「指導」にも選手とコミュニケーションを取りながら日々のトレーニングで改善を試みて、勝利を目指す楽しみがあります。「指導」と「研究」という両方の領域を行き来しながら活動を続けることが私のライフワークになりました。

スポーツの世界で日本人選手が世界で戦うために、私たちは研究活動を行っています。しかし研究内容が選手の指導に生かされなければ、全体のレベル向上にはつながりません。「研究」と「指導現場」の距離を縮めることが、競技力向上に必要なことではないかと考えています。

「東洋大学総合スポーツセンター」は、それが実現できる場所ではないかと私は思います。ここは都心にありながらもグラウンドやアリーナ、プール、トレーニングルームなどのスポーツ施設を備えており、さらに日本のトップ選手がトレーニングを行う「味の素ナショナルトレーニングセンター」と隣接している、他の大学にはない魅力的な場所です。研究者と指導者が総合スポーツセンターで同じ目標に向かって活動し、スポーツ界の発展に貢献する、 そんな存在になっていくといいですね。

スポーツならではのコミュニケーション能力を養う

経済学部経済学科 スポーツ健康科学領域 角南俊介准教授

これまで国内外のスポーツを見てきましたが、日本ではまだ「スポーツは競技者のため」という印象が根強いように感じます。部活をがんばったり、プロスポーツを目指したりという「勝ち負け」を目的とする人が中心です。しかし、スポーツの本来の目的はPlay(遊ぶ)することで日々の楽しみを得ることにあると思います。日本でももっとカジュアルに、男女や年齢、上手下手に関係なくスポーツに親しめる環境を作っていくことが必要であると思っています。

2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されますが、これにより国内スポーツの環境が大きく改善されるのではないかと期待を寄せています。大きな国際大会を迎えることによって、選手はもちろん指導者、サポーター、そして一般の方による応援やボランティア活動などを通してスポーツと触れ合える。これからのスポーツ界を背負う子どもたちにとっても、スポーツを身近に感じる絶好の機会になるのではないでしょうか。

スポーツとは、言語を超えたコミュニケーション――私はそう考えています。サッカーというスポーツは、チームでボールをつなぎながら、共通意識を持ってゴールという目標に向かっていきますよね。さまざまな人と一緒にスポーツすることで、言葉だけでなく身振りや手振り、目、体全体を使って国籍を問わずコミュニケーションを取ることができる。これは大学生にとっても机に向かっての勉強では中々得られないものですし、その経験は社会に出るにあたって貴重なものになると思います。これからはさらに留学生が増えてくることも予想されますので、学生にはスポーツ活動を通じて、さまざまな国の人と言語を超えたコミュニケーションを取る経験をしてほしいですね。

総合スポーツセンター 総合スポーツセンター
2011年にオープンした「東洋大学総合スポーツセンター」。アリーナ棟、アスリートビレッジ、グラウンドからなり、東洋大学初となるプールが設けられた。授業や部活動以外にも、東洋大学の学生は利用可能。

――専門家の視点――

サッカーの試合を見ると、ボールの行方を追いがちかと思いますが、私の場合は攻守においてボール保持者以外の選手のポジショニングや動きを見ています。ボールを保持していない状況でどう動くかで、相手の攻撃を未然に防いだり、チャンスを作るきっかけにもなる。オフ・ザ・ボールの動きこそ、サッカーの醍醐味だと思います。

プロフィール

角南俊介(すなみ しゅんすけ)

2002年、早稲田大学人間科学部スポーツ科学科卒業。2004年東京都立大学大学院 理学研究科修了。修士(理学)。2010年東京工業大学大学院 社会理工学研究科修了。博士(学術)。サッカーのさまざまな動作の分析、幼児の身のこなしに関する研究を行いながら、各年代男女のサッカー指導を行う。2012年から現職。

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