Research 粗悪学術誌(ハゲタカジャーナル)に関する注意喚起

オープンアクセスジャーナルの中には、「ハゲタカジャーナル」と呼ばれる粗悪学術誌が存在し、世界的に大きな問題となっています。このようなジャーナルに論文を投稿すると、研究成果および投稿者に対する信頼性を損なう可能性があるため、論文投稿の際は十分に注意してください。

ハゲタカジャーナルとは

ハゲタカジャーナル(predatory journal)とは、論文掲載料(APC:Article Processing Charge)の搾取を目的として、適切な査読を行わない低品質のオープンアクセスジャーナルのことを指します。ハゲタカジャーナルに論文を投稿した場合、高額の掲載料を徴収されるほか、論文の正当性や質が担保されないために、投稿者自身や共著者、所属機関の信頼性が損なわれる可能性もあります。

ハゲタカジャーナルの特徴(例)

  • 投稿を勧誘するメールを何度も送り付ける
  • Webサイトの文章に、スペルや文法の誤りが見られる
  • 連絡先の記載がない、もしくは偽った情報が記載されている
  • 編集委員の情報が公開されていない、もしくは誤った情報が記載されている
  • 掲載料が異常に高額である、もしくは掲載料の記載がない
  • 査読のプロセスが公開されていない
  • 査読にかかる時間が短時間すぎる
  • 論文撤回や著作権譲渡に関する説明がない
  • 著名なデータベースに採録されていないのに、採録されていると謳っている
  • 同じ著者が何度も投稿していたり、編集者自らが投稿していたりする
  • タイトルやロゴが著名な学術誌に酷似している
(参考)

「名古屋大学附属図書館オープンサイエンス・オープンアクセス支援」

ハゲタカジャーナルに投稿することで生じるトラブル・リスク

  • 研究の正当性への不信感が生じる
  • 研究者や共著者、所属機関の社会的な評判が低下する
  • 高額料金の請求など、APCに関するトラブルが発生する
  • 論文が撤回できず、他の雑誌への再投稿ができなくなる
  • Webサイトが突然閉鎖される等、閲覧できなくなる
  • 会費徴収が目的の学術集会(ハゲタカ学会)に勧誘される
(参考)

北海道大学 附属図書館 注意が必要な「怪しいジャーナル」

栗山 正光「ハゲタカオープンアクセス出版社への警戒」『情報管理』、 58巻(2015)2号、P.92-99

ハゲタカジャーナルへの投稿を避けるために

ハゲタカジャーナルは創刊や廃刊を繰り返して常に変化するため、その定義は統一されておらず、対象となる雑誌は明確ではありません。また、ジャーナルの評価も変わり続けるため、ある時点でハゲタカジャーナルだったとしても、後に正当な学術雑誌として認められるケースもあります。投稿する雑誌を選ぶ際には、ハゲタカジャーナルの特徴を理解し、複数の情報源をもとに慎重に検討する必要があります。

Think Check Submit

投稿先の雑誌の信頼性をチェックすることができます。

https://thinkchecksubmit.org/

日本語版:https://thinkchecksubmit.org/journals/japanese/

Web of Science

学術文献データベースWeb of Scienceに収録されている雑誌を検索できます。

https://www.webofscience.com/WOS

※東洋大学附属図書館によるWeb of Scienceの紹介

https://www.i-repository.net/il/meta_pub/G0000604seachDB_40

SCOPUS

Elsevier社の総合文献データベース。一定の基準のもとに選定した雑誌や論文のみが登録されています。

https://www.scopus.com/

※東洋大学附属図書館によるSCOPUSの紹介

https://www.i-repository.net/il/meta_pub/G0000604seachDB_35

DOAJ

厳しい審査基準をクリアしたオープンアクセス学術誌が採録されており、無料で検索できます。

https://doaj.org/

Beall's List of Potential Predatory Journals and Publishers

アメリカの大学図書館司書であるJeffrey Beall氏が作成したリストで、現在は有志が管理。ハゲタカジャーナルの疑いがある雑誌が集約されています。但し、選定基準は個人に依るものであるため、信頼性には注意が必要です。

https://beallslist.net/

参考情報