現代社会は、電気・電子・情報技術によって動いています。電気エネルギーがなくなったら、水処理、社会維持システム、医療(CTやMRI)、電動アシスト、電車や自動車、エレベータ、ロボット、通信、ネットなどは機能しなくなり、私たちの生活は成り立たなくなるでしょう。
電気エネルギーの大量消費社会となった今、主力のエネルギーとなる火力・水力といった大電力の不足を補うには、風力・太陽光の小電力のほか、企業や家庭などで、プラグインハイブリッドカーのバッテリーに電気エネルギーを貯蔵し、必要なときに使用するといった「エネルギーのネットワーク」の活用が重要です。こうしたエネルギーを有効利用し、回収し、自然エネルギーを電気エネルギーに変換活用していくうえで、電気機器・パワーエレクトロニクス装置、制御の技術が活かされているのです。
今後は、従来の化石燃料社会から、水素エネルギーや自然・再生可能エネルギー社会への転換が求められます。エネルギーや環境の問題は重要ですが、すぐに解決策が見つかるわけではありません。パワーエレクトロニクス装置や制御は、こうした問題解決に大きく貢献する技術として注目されています。みなさんが電気電子情報分野における技術者・研究者として活躍していくことを期待しています。

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堺 和人教授理工学部 電気電子情報工学科

  • 専門:電気電子工学/電力工学、電力変換・電気機器
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