交換留学、2回の海外インターンシップ、海外研修、留学生のアシスタントなど、Toyo Global Leader(TGL)プログラムを通じて、多くの国際的な体験をしてきた国際地域学部国際地域学科(現・国際学部国際地域学科)の熊澤亜未さん。数々の活動を経て獲得したGOLDの認定は、「たくさんのチャンスや刺激を与えてくれた教授や友人のおかげ」と話します。TGLプログラムという学びの環境で、最大限にそのチャンスを生かして、挑戦し続け、充実した大学生活でした。

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長期留学を目標に、英語漬けの日々

入学当初より交換留学を念頭に置き、1年次からTOEICやTOEFLを受験し、週3日間のLEAP(Learning English for Academic Purposes)のプログラムを受講して、集中的に英語を学びました。私が入学した時はまだ、TGLプログラムがありませんでしたが、学内で英語を学ぶ環境は整っていたので、積極的に参加してきました。そこでは、他学部の学生や留学生も参加していたので、新たなつながりもでき、海外留学への気持ちが一層高まりました。英語学習に励んでいた1年次の秋には交換留学の募集があり、翌年からの長期留学を目指すことを決めました。

そして、スコアの提出やエッセイ、面接、グループディスカッションなどの選考条件をクリアし、2年次の8月からアメリカ・ケンタッキー州のリンゼイ・ウィルソン大学への交換留学が決まったのです。まさか自分でも、このタイミングで留学ができるとは思わなかったので、とてもワクワクしました。リンゼイ・ウィルソン大学は心理学が有名な大学です。私自身も、教育には興味があったので、留学中には心理学やコミュニケーションのクラスを履修し、子供たちとの接し方を学びたいと考えました。また、語学を学ぶことはもちろん、興味のある分野を深く学ぶことができることに魅力を感じました。

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人とのつながりを感じた交換留学

留学前に準備はしてきたつもりですが、いざ現地で授業が始まってみると、英語で授業を受けるということは想像以上に大変でした。分からない単語が多くて教科書を読むのに時間がかかり、教授のケンタッキー訛りの英語が聞き取れないなど、留学当初は苦労の連続でした。それでも、アメリカ人のルームメートが、私が理解できていないところを丁寧に教えてくれたり、講義をレコーダーで録音して聞き直したりするなどの工夫するようにしました。小さな田舎町にあるリンゼイ・ウィルソン大学は規模も小さく、地域とのつながりが密接な大学でした。「一瞬一瞬を楽しみ、人に貢献したい」という想いに基づいた教育が素晴らしいと思いました。そして、そのような環境で学ぶうちに「自分もそうなれたら」と感じるようになり、学びに対する考え方も変わっていきました。課題で分からないところがあれば、あえて他の学生と一緒に勉強するなど、仲間とともに考える時間を多く作るようにしていきました。

そうして過ごした9カ月間のケンタッキー州での交換留学を終えた私は、すぐに帰国はせず、そのままカリフォルニア州のサンディエゴへ向かいました。私の特技でもある「そろばん」を、現地の小学校やそろばん教室で教えるというインターンシップを体験するためです。子供たちに教える時には、できるだけシンプルな言葉で、分かりやすい英語を使うように心掛けました。以前、子供たちのサポート施設で学んだ「ABA法(Applied Behavior Analysis:行動応用分析学)」という指導方法を参考にしました。「子供たちを褒めて伸ばし、失敗経験ではなく良い経験を覚えさせ、学ぶ意欲を伸ばす」というもので、それを実践しながら教えるように心掛けたのです。生徒のなかには、お母さんに会えない寂しさから、いつも泣いてしまう5歳くらいの女の子がいました。その子と一緒に小さなステップを踏みながら、1つのことができるたびに褒めることを積み重ね、最終的には「私はもう1人でできるから先生はいらないよ」とまで言ってくれるようになり、成長を見られたことはうれしかったです。1年を超える長期のアメリカ滞在を通じて、「学生」と「先生」という異なる立場で、また住環境も異なる場所で双方を経験できたことはとても興味深いことでした。

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海外留学での学びを、次のステップに生かして

帰国後は、レジデント・アシスタント(RA)として、東洋大学の留学生が住んでいる国際会館という学生寮に住み、銀行や病院に一緒に行くなど、身の回りのサポートをする仕事をしました。ケンタッキー州では、自分が留学生という立場で多くの人に助けてもらったので、今度は自分が他の留学生を助けてあげたいという思いがあったからです。RAの仕事をしながら就職活動もしていましたが、TGLプログラムでの学びが就活中も大いに生かされました。海外に行くと、「なぜ、今自分がここにいて、なぜ、学んでいるのか」ということをよく聞かれ、自分を見つめ、深く考える場面が多かったように思います。自分のことを知り、何がしたいのかと客観的にとらえ、考えることは、就職活動においても重要なことでした。4年次の8月からは、インターンシップのため再びアメリカに渡り、ワシントンDCにあるメディア会社で記者の仕事を経験してきました。社会人になる準備としても、さらに視野を広げるいい経験ができたと思います。

振り返ってみると、入学時から卒業間近の時期まで、自分がやりたいことをやり続けた、そんな充実した4年間でした。TGLプログラムを通じて海外活動の場が大きく開かれていて、私自身も積極的に取り組むことができました。その結果得ることができたGOLDの認定は、そのチャンスを与えてくれた周りの人のおかげだと感謝しています。後輩のみなさんも、TGLプログラムに挑戦して多くの人と出会い、刺激を与え合ってほしいと思います。チャンスは自分でつかむもの。私がそうであったように、やりたいと思ったことは絶対に実現できます。あきらめることなく、チャンスを見逃さずに頑張ってください。

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熊澤 亜未さん国際地域学部 国際地域学科(現・国際学部 国際地域学科)4年

  • TGLプログラムGOLD認定
  • 掲載内容は、取材当時のものです