1年次夏休みのアメリカでの語学研修、3年次春休みのカナダでの語学研修とインターンシップ、所属するゼミナールのフィンランドでの研修…。ライフデザイン学部健康スポーツ学科の稲葉晃さんは、4年間の大学生活を通じて、ハードなラクロス部の活動と学業を両立しながら、さらに海外体験を何度も経験し、英語力を高める努力も続けてきました。そうした活動の積み重ねによって認定されたTGLプログラムGOLDは、稲葉さんにとって「目標に向かって挑戦してきたことの証」であり、自信につながったと語ります。

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初めての海外で英語力不足を実感

留学生や帰国生徒が多く、英語が日常的に飛び交う国際色豊かな環境で高校生活を過ごした私は、大学に入ったら留学がしたいと考えていました。しかし、大学入学後はラクロス部に所属したことで、授業と週4日のハードな練習に追われる毎日となり、とても長期の留学をできる状況ではありませんでした。それでも、海外体験を経験して、文化の違いを肌で感じたいという気持ちをかなえようと、1年次の夏休みには短期の語学研修に参加し、アメリカ・オレゴン州ポートランドへ。ホームステイで使う単語などを事前に覚えてはいたものの、初めての海外で緊張していたこともあって、ホームステイ先では、思うように自分の考えなどを相手に伝えられないもどかしさを感じました。

高校時代にリスニング力はだいぶついていたと思ったのですが、スピーキングは苦手で、語彙力も足りないと実感しました。どうしても日本語を介して考えて話してしまい、英語を英語で理解して、英語でやり取りするということができなかったのです。実際に日本の外へ出て感じたのは、「自分の知っている世界はいかに狭いか」ということ。「もっと視野を広げて、いろいろなことを知りたい」という気持ちが高まった1カ月間でした。

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TGLキャンプに参加し刺激を受けた

東洋大学でTGLプログラムが始まったのは私が3年次のこと。そのため、2年次までは明確な目標があったわけではありません。ただ「海外に行きたい」「英語力を高めたい」という気持ちに突き動かされて、語学研修に参加したり、英語の勉強をしたりしていました。そして、3年次にTGLプログラムが始まると、すでにBRONZE認定の要件は満たしているのだと分かり、部活の中心的存在になって、一部リーグを目指して練習する忙しい日々ではありましたが、SILVERを目指すことにしました。

まず参加したのは、TGLキャンプでした。私は普段、朝霞キャンパスで学んでいますが、川越キャンパスで開かれたTGLキャンプに参加しました。日頃接点のない理工学部の男子学生2人とグループを組み、グループに割り当てられた国について、人口や面積などの基本情報から、文化や言語などについて3時間の制限時間内で調べ、ポスターにまとめて発表をするという活動をしました。私たちはネパールについて発表しましたが、聞いたことのないような国について発表するグループもありました。情報を調べるのが得意だという2人のメンバーと協力し、私は発表するという役割を分担し、時間内で調べ、発表するという課題解決型の活動は、実技科目の多い日頃の授業とは違った学び方で興味深いものでした。

春休みには、学部の語学研修とインターンシップでカナダへ行きました。1年次の語学研修のときよりは、自分で言いたいことを伝えられる力も少しはついたように感じました。健康スポーツ学科ならではのスノースポーツ体験やスキー場でのインターンシップは、目的意識もあり、日頃の学びを生かせる場でもあったと思います。

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高い壁に挑戦し努力で越えてきた

4年次に部活を引退してからは、いよいよ英語学習にも本腰を入れました。TOEICテストのスコアアップを目標に、授業の空き時間などには、スマホアプリやパソコンのオンライン教材などを使って勉強してきました。海外で仕事がしてみたいという気持ちも芽生え、そのためにも英語力を高めたいと考えるようになったのです。少子高齢化が進み、長寿社会となる日本では、人々の健康に対してどのように考えるか、そしてQOL(Quality of Life)をいかに高めるかといったことが大切です。そういった考え方を先進国である北欧から学ぶため、ゼミナールの研修ではフィンランドにも行きました。大学生活を通じて、何度も海外へ出たことで、日本で当たり前に感じていたことが世界では通用しないという場面に何度も遭遇しました。その一方で、日本人が持つ思いやりの心や気配りの素晴らしさをあらためて感じました。多様な価値観を持つ人々と接することは、自分の視野を広げることになるものだと思います。

朝霞キャンパスで初めてのSILVER認定を受けたことを励みに、卒業を控えて、さらに高いところを目指して、GOLDを目指してTOEICのスコアアップや英語で開講されている授業を受けたり、卒業論文の概要を英語で書くといったことにも挑戦してきました。初めは無理だと思った高い壁も、いざ挑戦し努力を続けることで、自分の力で越えることができました。春からは社会人として働くことになりますが、こうして4年間かけて取り組んできたいくつもの挑戦は、私のこれからの人生の糧となるはずです。

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稲葉 晃さんライフデザイン学部 健康スポーツ学科 4年

  • TGLプログラムGOLD認定
  • 出身校:東京都立国際高等学校
  • 掲載内容は、取材当時のものです