子どもの頃から食べることが大好きで、将来は食品を扱う仕事がしたいと考えていた食環境科学部食環境科学科フードサイエンス専攻の村井航さん。そのため、食を専門的に学ぶことのできる東洋大学へ入学し、身近な食品の研究を続けてきました。研究のかたわら、アルバイトやサークル活動などにも精力的に活動。4月からは地元の食品会社に就職し、「いつまでも消費者目線を忘れない開発者」として新たな一歩を踏み出します。

大好きな「食べること」を学びたい

子どもの頃から食べることが好きだったので、大学でも食品のことを学びたいと、漠然と考えていました。大学選びの際には、食品と直接的に関わりを持って研究ができる学科が少なかったのですが、東洋大学の食環境科学部では自分の希望をかなえることができそうだと思い、志望しました。

高校を卒業して、地元を離れての大学生活には戸惑いもありました。大学では授業を選ぶのも、時間の使い方も自分次第。高校までとはまったく違う生活です。そして、週1回必ず実験があり、そのたびにレポートを提出しなければならず、かなりハードでした。それでも、授業は興味深い内容ばかりで、味噌や醤油など、身近な発酵食品の歴史を学んだり、それらがどのように作られているかを知ることができ、自分が好きな食品について学ぶことは楽しかったです。研究室を選ぶ際には、自分が学んできたことや食に関することを研究できる食品計測工学研究室を迷わず選びました。

2018040403_01

身近な食べ物の、素朴な疑問を研究に

研究室では、「リンゴジュースの開封に伴う品質の変化」をテーマに研究を進めてきました。身近にあるものをテーマに研究したいと考えたとき、農林水産省のアンケートで、数あるジュースのなかで、リンゴジュースが一番飲まれていることを知りました。そこで、リンゴジュースを対象として研究に取り組むことにしたのです。

ジュースには賞味期限が記載されていますが、実際に開封後はどれだけの期間で飲み切らなければならないかについては触れられていません。研究では、開封してどの程度までなら品質を保持できるのか、酸味などの成分はどのように変化していくのかといったことを、味センサーなどの機械を用いて計測しました。例えば、搾りたての果汁を使用したストレートジュースの場合、開封して1日が経っただけでも、若干の味の変化が現れます。研究では、仮説を立てた結果が導き出せないこともよくありますが、繰り返し実験を行い、結果を導き出していきました。

2018040403_02

多忙な生活でより計画力がアップ

大学では学業や研究に没頭するだけでなく、できるだけいろいろなことを経験したいと、サークル活動やアルバイトも精力的にこなしていました。大学では軽音楽サークルに所属し、ギターを担当していました。2か月に1回ほどのペースでライブ活動があったため、時間をやりくりしながら、毎日コツコツとギターの練習をしました。また、授業後にはアルバイトもあり、忙しい毎日でしたが、授業の合間を使ってレポートを書くなど、計画的に勉強して、両立できるようにと頑張りました。

このように過ごしてきた大学生活で培われた計画力は、就職活動でも存分に活かすことができました。就職活動ではエントリーシートの記入や面接対策、業界研究など、やらなければならないことがたくさんあります。だからこそ、計画性を持って取り組むことが求められるのです。日頃から学業、サークル活動、アルバイトを計画的にうまく時間をやりくりして両立してきたので、そんな力も活かせたのではないかと思います。

食べることが好きな自分でしたが、就職にあたっては、商品開発を通じて誰かに食べてほしいという強い思いから、企業も食品関係に絞って就職活動をしてきました。春からは地元・新潟の製菓会社で、商品開発の仕事に携わることになります。消費者目線を保ちながら、普段の生活の中でもオンとオフを切り替えて、幅広い視野を持った開発者でありたいと思っています。

pf_2018040403

村井 航さん食環境科学部 食環境科学科 フードサイエンス専攻 4年

  • 内定先:株式会社ブルボン
  • 所属研究室:食品計測工学研究室(大熊研究室)
  • 出身校:新潟県立巻高等学校
  • 掲載内容は、取材当時のものです