東洋大学に入学したら、「勉強とサークル、そしてアルバイトの3つを完全にやり遂げたいと思っていました」と話す社会学部メディアコミュニケーション学科の日越美優さんは、その言葉どおりに、学生時代にしか経験できない多くのことに挑戦し、その全てに達成感を得ているそうです。しかし、「3つをやり抜くこと」を4年間の目標に決めたのは、高校時代の後悔を繰り返したくない、という強い意志があったからです。

同じ後悔はしたくない。「やり抜く」4年間にする

高校生の頃は、いろいろな物事への興味はあっても「絶対にこれを学びたい!」という強い思いがありませんでした。そうしたなか、文化祭の実行委員でPR・広報戦略の部署を統括したことから、メディア系の学びに興味を持つようになりました。「少しでも興味を持てる分野なら、学ぶのも面白いかもしれない」と思い、メディアコミュニケーション学科を選びました。

入学後は「4年間で勉強とサークル、そしてバイトの3つを完全にやり抜く!」と決めていました。高校時代に、「最後までやり抜けなかった」という後悔がたくさんあったからです。だから大学に入学したら、最低3つのことをやり抜けようと考えていたのです。

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スケールの大きな学びが、興味の幅を広げてくれた

勉強面では1〜2年生のうちに「単位を取れるだけ取る」という目標を立て、かなり密にいろいろな分野の科目を履修しました。その分、3年生以降は語学力を磨くなどの学習に集中的に時間を費やすことができました。

たくさんの授業を受けてきたなかで、特に印象に残っているのは、2年生のときに受講した小川祐喜子先生の「文化社会学」です。社会学の幅広さに改めて気付きました。また、先生が解説する人間関係や社会構造についての話題、エンターテインメント的な視点からの話題などは、アルバイト先でのサービスやイベントにも関連する内容で、「なるほど!」と理解しながら授業を受けていました。教授の学術的な解説や視点と、自分の身近なアルバイトの経験が重なり、興味の幅が広がりました。

東洋大学の学びはさまざまな面で「柔軟」だと思いました。社会学の領域はただでさえ広いのに、レポートや課題でも「あるテーマの中で幅広く考えてもいい」というスタンスのものが多かったようです。先生が「これはこうだ」と正解を決めつけるのではなく、「そうだね、そういうことも当てはまるね」と言って理論を展開してくださることが多く、スケールの広さを感じていました。いろいろものに興味を持ってしまう自分としては、学びやすい環境だったと思います。

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自分だけではなく、周りにも良い影響を与える人材に

サークルは、学内の広告学研究会と、その中から毎年選抜で参加できる学生団体の2団体で活動しました。学生団体の方は約60人で活動し、「Miss of Miss CAMPUS QUEEN CONTEST」という、TV放映もされたビッグイベントを毎年主催しています。イベントは一発勝負。どんなに用意周到な準備をしたつもりでも、トラブルはつきものです。そして迎えた当日の朝、高さ約3メートルもあるドアが壊れてしまいました。私はそのドアを開閉する係。イベントが終わるまでの間50回ほど、高い脚立に登って全体重をかけ、ドアの開閉を繰り返しました。終わったときには疲労困ぱいでしたが、私のトラブル対処法をTV局の方に絶賛していただき、「自分のガッツが通用する」と自信につながりました。とにかく、自分たちで手掛けたことを最後までやり通したかった。その一心でがんばることができたのだと思います。

また、1年生からテーマパークのレストランでアルバイトを続けてきました。最初はサーバーから始めて、限定イベントのMCを担当するようになり、新人教育のトレーナーまで任されるようになりました。週5日シフトが入ることもあり、大変忙しかったのですが、高度なホスピタリティや先読み力が身に付き、続けてきて良かったと思います。

テーマパークはお客様からの期待値がとても高く、一挙一動のミスが許されない職場です。例えば、お客様からクレームが入った時などは、ただ謝るだけでなく、どのようにリカバリーをして、クレームが起こる前よりもプラスの状況に持っていくか、という考え方が求められます。アルバイトを通じて、その時々に応じた柔軟な対応の仕方を学び、自分が成長できたと感じています。

私は基本的にポジティブで、パワフルに生きていると思います。今までは自分がそうであればいいと思っていたのですが、大学4年間でさまざまなことを「やり抜いた」経験を通して、「私の周りの人もポジティブにしていけるような人になりたい」と思うようになりました。その気持ちは、きっと社会でも生きるものだと、卒業を前にした今、確信しています。

日越 美優さん社会学部 メディアコミュニケーション学科 4年

  • 内定先:TOTO株式会社
  • 所属ゼミナール:鈴木崇史ゼミナール
  • 出身校:私立吉祥女子高等学校

  • 掲載内容は、取材当時のものです