「水泳に打ち込むために、東洋大学を選んだ」という、経営学部経営学科の髙橋健人さん。最初は寮外生からのスタートだったものの、運動部の学生たちが寝食を共にするアスリートビレッジに入寮してからは、持ち前の向上心とハードな練習が実を結び、着実にレベルアップを果たすことができました。スポーツに専念できる環境に身を置き、信頼できる仲間たちと切磋琢磨しながら過ごした学生生活は、集中力や責任感など、社会人として活躍していくために多くのことを学んだ大切な時間だったと振り返ります。

水泳を極めるために、選んだ東洋大学

東洋大学に入学したきっかけは、高校まで水泳をやってきて、大学でも続けていきたい、レベルを上げたいと望んでいたからです。いろいろな大学を検討しましたが、東洋大学は総合スポーツセンターが完成したばかりで環境も良く、一番自分に適しているのでは、と感じたので入学を決めました。

総合スポーツセンターにはアスリートビレッジという運動部の学生のための寮があります。私は入学当初から入寮を希望していたのですが、「高校でインターハイ(全国高等学校総合体育大会)を突破していないと入寮できない」というルールがあり、1年生のときは寮外生として練習に参加していました。しかし、実家から通っていると朝の練習に参加するのが遅くなってしまうことから、2年生になる直前の3月、入寮許可を得られました。

それからはずっと練習に明け暮れる毎日でしたね。まず朝の7時から陸上トレーニングがあり、その後プールに入って2時間練習をしてから授業へ。そして午後はまた練習。基本的に月曜日は休みでしたが、それ以外は毎日6時間くらいの練習をこなしていました。

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泳ぎの技術も、意識面もレベルアップ

試合では主に、50mと100mの自由形に出場しました。1年生のときはサポート的な役回りに徹していましたが、2年生でインカレ(日本学生選手権)の標準記録を突破することができました。3年生のインカレでも着実に順位を上げ、4年生になり、4月の初めての試合でジャパンオープンの標準記録を突破。9月のインカレではリレーの2番手に選ばれ、B決勝で1位になりました。個人でも100m自由形で20位台になり、しっかりと成績を残すことができました。こうした結果を残せた理由はやはり「好きこそものの上手なれ」。何か1つのことに必死に取り組み、諦めなければ必ず道は開けるのだということを実感しました。

周囲からの刺激も大きかったですね。1学年下には、日本代表にも選ばれるようなトップスイマーがいました。普段の練習で彼らに食らいついてタイムを競うことが、自身のレベルアップにも役立ちました。また、寮で生活を共にしながら泳ぎについて語り合うなど、意識面の影響も大きかったと思います。

四六時中、水泳部の仲間といると信頼関係が生まれ、互いの成長も見えてきます。3年生になる頃には「自分たちで行動を律し、部を引っ張っていかなければ」という責任感も芽生え始めていました。それまでの自分を振り返ると、勝手な行動が多かったかもしれません。でも、試合に向けて毎回きちんと練習に取り組んだり、周囲のアドバイスを聞き入れたりしなければ、泳ぎも向上していかないと気付いたのです。後輩も増えてきて、自分勝手な行動を慎もうと心掛けるようになりましたね。

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厳しい練習を乗り越え、つかんだ消防士への道

3年生になると徐々に就職のことも考えるようになりました。私は父と母、それに姉も公務員という一家に育ったので、自然と公務員の仕事に興味を持ちました。身近な先輩で消防士になった人がいたこともあり、身体を動かすことが好きなことや、使命感への憧れなどの理由から、消防士一本に絞って公務員試験対策を始めました。

一日6時間の練習に加えて授業もあったので、試験勉強は毎日時間を見つけては少しずつ取り組みました。参考書を買い、過去問を解くなど独学が中心でしたが、就職支援課の方にいつも相談相手になっていただき、論文の添削などでお世話になりました。試合の一週間前などは、水泳のこと以外考えられなくなります。そんな時でも就職支援課の方は「メリハリをつけて勉強するように」とアドバイスしてくれました。

9月のインカレをもって選手生活を終了し、卒業を控えた今、次のステージでは立派な消防士として市民の安全を守れるよう、がんばっていきたいと考えています。

髙橋 健人さん経営学部 経営学科 4年

  • 内定先:さいたま市消防局
  • 出身校:私立大東文化大学第一高等学校

  • 掲載内容は、取材当時のものです