農業高校時代は、常にトップ3に入る成績だったという、生命科学部応用生物科学科の堀内誠弥さん。意気揚々と入学したものの、大学の授業についていけず、大きな壁にぶつかります。一時は退学まで考えながらも、その壁を乗り越え、成績優秀者として表彰されるまでになりました。その努力の源は、「学ぶことは楽しい、新しい知識を得ることは楽しい」という向学心と探究心でした。

勉強についていけず退学を考えたことも

食品のことを学びたくて農業高校に進学し、大学ではさらに専門的に学びたいと思い、東洋大学を選びました。ところが入学早々、自分の学力が周囲の人より劣っていることにがく然としました。高校でほとんど勉強してきていない科目があったのです。周りのみんなが当たり前に理解していることも農業高校出身の自分にはわからず、化学にいたっては元素記号から覚える始末でした。もともと苦手だった英語も、周りとはあまりにも隔たりのある実力。ショックでした。

あまりに勉強がきつくて心が折れかけ、1年生の春学期に1つでも単位を落としたら「自分のレベルでは、この大学の授業にはついていけない」と判断して退学し、地元に戻って就職しようとまで思いつめていました。

しかし、そうして期末試験に臨んでみると、大学の試験は、高校のように正解に当たる言葉を暗記して解答用紙のマス目を埋めるのではなく、問いに対して自ら答えを考え、文章にして解答する内容でした。ようやく大学での学び方が見えたという思いでした。私は暗記が得意で、今までは試験前に一気に暗記して点数を稼いでいたのですが、大学では「覚える」だけでなく「考える」ことが求められるのだと気づくことができたのです。ここでようやく、ひとつ霧が晴れたというか、ピンチを乗り越えられた気がしました。

幸い単位を落とさずに迎えることができた秋学期。大学での学び方がわかったおかげで、学ぶことが面白くなると共に、知識が増えていくことの楽しさを実感できるようになりました。どれくらいの知識を吸収できたか、それを目に見える形で証明できるのが試験です。そのため、試験でより良い点を目指そうという気持ちもどんどん強くなった結果、成績優良賞をもらえるまでの実力が付きました。退学しようかとまで思い悩んだことも、今となってはいい思い出です。

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大学生はもっと遊んでいると思っていた

学業、サークル、アルバイトと、うまくこなしている学生もいるでしょうが、私の場合はこの3つすべてをそつなくこなすことがあまり上手にできません。フットサルのサークルに入り、1~2年生の頃は週1回の練習に積極的に参加していたものの、3年生になって実験が忙しくなってくると、次第に足が遠のいてしまいました。

大学に入学するまでは、「大学生は授業をさぼったり、平日から遊んだりしている」というイメージを持っていましたが、実際にはまるで違いました。生命科学部では、1~2年生は1限から4限まで隙間なく授業がありますし、3年生になったら実験とそのレポートに追われ、遊んでいる余裕などありません。私も周囲の友人もみんなまじめに勉強しています。そうしなければ、レポートの提出が追いつきませんから。そもそも板倉キャンパスの周囲にはお店も何にもないので、遊ぶ誘惑もありませんし(笑)。

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もっと深く学びたい

高校では食品一辺倒の毎日でしたが、大学で学んでからは、微生物の奥深さにもどんどん興味がわいています。また、水処理についてももっと深く学びたいと考え、研究室は微生物か水処理のいずれかに進みたいと思っています。秋学期から授業はほとんどなくなりますが、就職活動の準備があるので、大学にはこれまで通りのペースで通う予定です。そして、卒業までに公害防止管理者や危険物取扱甲種などの資格取得も目指したいと考えています。

堀内 誠弥さん生命科学部 応用生物科学科 3年

  • 所属ゼミナール:エコテクノロジー研究室
  • 群馬県立中之条高等学校出身

  • 掲載内容は、取材当時のものです