アルバイトを通じて物が売れる仕組みに興味を持ったという、文学部日本文学文化学科の石田健太さん。ポスターやポップが商品の売り上げを左右するのを目の当たりにして、商業印刷に関わりたいと思うようになりました。そんな石田さんの就職活動を支えたのは、ゼミで鍛えられた発信する力と聞く力、そして就職支援室のサポートとアドバイザーのコメントだったそうです。地に足を付けて今日という日を精一杯過ごすという姿勢は、一番行きたい会社、一番したい仕事へとつながりました。

印刷物やポップで商品の売れ行きが変わる不思議

私には、入学当初から将来に対する明確なキャリアプランがあったわけではありません。ただ毎日、目の前のことを一生懸命やっていたら今日という日になっていた。そんな気がします。

振り返れば、卒業後の進路に影響を与えたのは、1年生からずっと続けてきたコンビニでのアルバイトでした。自分が一任された売り場で、印刷物やポップが商品の売れ行きを左右する様子に興味を覚え、物が売れる仕組みに関わる仕事ができたら面白いのではと考えるようになったのです。そこで最初は、広告代理店を中心に企業を見ていたのですが、印刷物は広告の中でも大きな役割を果たしていること、代理店が仕事を依頼するのは印刷会社であることを知りました。

印刷の知識があればお客様が求める販促用印刷物に対して具体的な提案ができる。そう思って、商業印刷を主体としている印刷会社に候補を絞り、就職活動を進めました。印刷会社でお客様が売りたいものを売れるような手伝いをする、そして最終的に商品を買ってくれる方も喜んでくれるという仕事がしたいと、将来に対するビジョンがはっきりしたのです。

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ゼミでの学びで伝える力がついた

就職支援課でアドバイザーをしていた先輩がたまたま印刷会社へ内定が決まっている方で、参考になる話を聞かせてもらっているうちに、ますます印刷会社で働きたいという思いが強くなりました。

面接試験で役立ったのは、ゼミで培われた自分の考えを整理してわかりやすく伝える力、相手が何を伝えたいのかを読み取る力です。ゼミでは3年生で「写真」、4年生で「死生学」について研究しました。3年生のときの研究テーマである「写真」は自分で撮るのではなく、食べ物で作られている風景を撮るアーティストを取り上げました。発表の際は、聞く人を飽きさせないように意識し、いかに自分の個性を出しつつ聞いてくれている人が食いつき面白いと思ってもらえるかを重視したことで、「伝え方」が見えた気がします。

同時にほかの人の発表を聞く中で、相手の伝えたいことを追求する姿勢も身に付きました。4年生の研究テーマである「死生学」では、現実の死と小説などフィクションの死の相違点を学びました。2年間同じゼミに在籍しながら、まったく違うジャンルを学べたことは、自分にとっても大変貴重な経験でした。

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一喜一憂するのは成長している証

大学生活を通じて、大きなことを学びました。当たり前のことですが、行動しなければ何も始まらない、行動することで自分にも自信が付いていくということを実感したのです。また、私は何事においても準備を万端に整えてから動くタイプですが、就職活動では初動のスピードも大事で、時と場合によってどちらを優先するか判断する必要があることもわかりました。さらに、人の話を聞き、大切なことは自分の中に取り入れる。それが自分の大きな財産になることも学びました。

私が最初に商業印刷に興味を持つきっかけになったのがポップだったこともあり、いずれはポップの力がどれだけあるのかを、仕事を通じて挑戦していきたいと考えています。そして、常に周囲に感謝して生きている人間でありたいですね。これから大学生活を送る皆さんに伝えたいのは、1日1日を大切に、後悔しない毎日を送ってほしいということ。日々の努力は結果につながり、結果は経験につながります。その経験は自分の力になります。一喜一憂するのも成長の過程と受け入れ、毎日を全力で過ごす。その姿勢が将来の道を照らしてくれることになるのだと思います。

石田 健太さん文学部 日本文学文化学科 4年

  • 内定先:共立印刷株式会社
  • 所属ゼミナール:信岡朝子ゼミナール
  • 千葉県立松戸六実高等学校出身

  • 掲載内容は、取材当時のものです