向上心と向学心にあふれ、大学生活ではあらゆることに全力で取り組んできた、国際地域学部国際地域学科の寺尾知果さん。とはいえ、就職活動が始まると自分が何をしたいのかが明確に見えずにいました。あらためて自分が過ごしてきた大学生活を振り返ると、ゼミナールで学んできた地域活性化や公共性、グローバルといったテーマを生かした仕事がしたいという思いがわき上がったそうです。努力は報われること、頑張った分だけ必ず結果は出ることを、寺尾さんの4年間は教えてくれます。

興味の対象が国際協力から地方自治へ

東洋大学に入学し、国際地域学部で学んだ最初の2年間は、国際協力や発展途上国に興味があり、将来はJICA(国際協力機構)や国際NGOなどで働くことをイメージしていました。その気持ちが変わったのは、ゼミを選ぶ時期のことでした。国際地域学部の理念である“Think globally,Act locally”という言葉に共感し、もっと身近なことに目を向け考えていきたいと思うようになったのです。そこで稲生信男教授のゼミで地方自治を中心に学びました。

稲生教授のゼミを選んだ理由は2点あります。まず、当時は将来の選択肢として公務員も考えており、地方自治に関心があったこと、次に、まちづくりを主な研究とするゼミが多い中、稲生教授の「理論を学んでから現場に行く」というスタイルに魅力を感じたからです。3年生の夏季休暇期間には「まちづくり徹底比較プロジェクト」という課題のため、研究対象の地域に何度も足を運び、現場から情報を得る力を身に付けました。研究発表のため鴨川セミナーハウスで合宿をし、ゼミ生と協力しながら徹夜で資料を仕上げたことは、当時は大変でしたがいい思い出です。

国際地域学部では専門分野の勉強とは別に、自分の英語を発信するチャンスが多くあります。私はESP(English Special Program for Regional Development Studies=英語特別コース)学生に登録し、最近では卒業論文の要旨を英語で発表するという機会もありました。ほかにも、学内の英語スピーチコンクールに出場したり、英語で行われている授業を受講したりすることで、英語に触れる機会がさらに増えます。英語の勉強にも力を入れたいという人には、学ぶ環境が整っていてとてもいい学部です。

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やりたいことが見えてから迷いが消えた就職活動

就職活動を始めたばかりの頃は、なかなか自分のやりたいことが決められず、学内のみならず、外部で行われている就活セミナーにとりあえず参加するだけ。数ばかりこなしていました。早い段階で内定をいただいた会社もあったのですが、本当にその会社の業務をしていきたいのか考えると、ちょっと違う気がしたのです。そこで改めて大学生活を振り返ることで、ようやく自分のやりたいことが「日本の魅力を国内外問わず多くの人に伝えること」だとわかりました。

その後は地域活性化、公共性、グローバルの3点をポイントに就職活動を進めました。これらはいずれも大学で学んだことが反映されている業種です。その結果、いずれも第一志望のように思っていた会社の両方から内定をいただけ、どちらに進むか随分悩みました。しかし、お話を聞かせていただいた女性の卒業生がとても魅力的だったこと、経営支援、地域振興、政策提言といった業務内容すべてに興味があったことから、最終的に現在の内定先を選びました。

ゼミで実践した「自分の足で情報を稼ぐ力」は、情報戦ともいわれる就職活動で大きく役立ちました。また、以前は悩みを持つと答えが出るまで止まってしまいがちでしたが、悩みつつも行動することで新たなヒントが出てくることもあると、就活を通じて学びました。

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常に進む、常に挑戦するという攻めの姿勢

大学生活では、常に何かに挑戦していることを心がけていました。TOEICの外部講座受講、LEAP(旧SCAT)の履修、2度の海外研修、フェアトレードを推進するボランティアとアカペラという2つのサークルなど、さまざまな経験を重ねました。中でもザ・リッツ・カールトン東京でのインターンシップは、それまでアルバイトをしたことがなかった私にとって、忘れられないことばかりです。一流のホテリエに囲まれて勤務する中で、「目指せ半人前」を目標に、学ぶ姿勢の大切さを改めて知った気がします。

息切れすることを恐れず、立ち止まらずに進むようにしていたのは、国際地域学科の仲間は主体的に動く人がとても多かったのでそれにも感化され、いい刺激をもらったことが大きいと思います。また、自分自身を磨きたいという思いだけでなく、就職活動に向けて何かしていないと不安という理由もありました。就職活動では必ず結果を出したい、大学生活で頑張ったことをすべて就活に転化したいと思っていたのです。最初に公務員という道を選択肢の1つに考えていたのも、公務員試験合格という目に見える結果がほしかった側面もありました。

内定先での業務は大学で学んだことがベースになるかと思いますが、将来はその中でも特に強い関心を持っている地域振興とインバウンド関係の業務に関われればいいなと思っています。そのためにも、日頃から広い視野を持つことと、英語に触れる機会を継続していきたいと考えています。

寺尾 知果さん国際地域学部 国際地域学科 国際地域専攻 4年

  • 内定先: 東京商工会議所
  • 所属ゼミナール:稲生信男ゼミナール
  • 私立江戸川女子高等学校出身

  • 掲載内容は、取材当時のものです