実験に携わる中で見えてきた自分らしさ
生命科学部の場合、1年次から実験の日々となるわけですが、意外におもしろかったのが、協力して実験をするパートナーとのコミュニケーションでした。適切な手順を正確に踏んでいくことが実験成功には欠かせません。実験は、2人1組で行いますので、2人の間の意思疎通がしっかりできていることが鍵となります。そして僕自身、黙々と試験管に向かうより、相談したり、議論することの方に自分らしさが発揮できると感じるようになりました。授業とは別に、3年次の半ばには就活がスタートします。当初はエントリーシートの書き方も分からないような状況でしたが、就職支援室の方にアドバイスをいただき、訴えたいことをうまく伝えられるものに仕上げることができました。
人のためとなり自分の能力も活用できるMR
友人に誘われて某医薬品企業の特別セミナーに参加し、知ったのが医薬情報担当者(MR)という仕事でした。自社の医薬品について、情報を医師などに提供するとともに利用していただき、副作用情報などを収集するMRにとって、医薬品情報に精通していることは前提条件となります。そして、さらに幅広い知識をベースにしっかりコミュニケーションすることが求められることを知りました。大変だと思う反面、人の役に立てる仕事であることに魅力を感じました。また、自分のコミュニケーション力を生かすことができるのではないかとも感じ、挑戦してみたいと思うようになったのです。
4年間の学び
1年次
- アルバイトで塾の講師を体験。無気力な子どもとどう向き合うか
- 勉強にやる気を見せない子どもの中には、親や先生からほめられた経験がないという子どもがたくさんいます。まずは、何でもいいからほめることから、徐々に良い関係を築き、やる気を育んでいくことを学びました。
2年次
- 組織をまとめることの難しさをサークルの役員として実感
- 1年次に10人程度で発足したサークルが、2年次に一気に50人ほどまで増えました。すると、数人程度の仲良しだけで集まることが多くなり、サークル全体の結束力が低下してしまいました。サークルとはいえ、組織をまとめていくのは大変だと感じました。
3年次
- 通学時間を利用して簿記の資格を獲得
- 通学に1時間半ほどかかるので、行き帰りの電車の中で簿記の勉強をして資格を取りました。「理系なのになぜ?」と思われそうですが、社会に出る前に、企業の中でどのようにお金が流れているかを理解しておきたかったのです。必ず役立つことがあると思っています。
4年次
- 就職が決まった後は、乳酸菌の研究がラストスパートに
- 5月に内定をいただいた後は、研究テーマである乳酸菌の研究に力を注いでいます。研究内容は、乳酸菌の中でも、抗菌作用が強く、食品に添加しても安全なものをぬか床から取得するというもの。将来、食品の安全性をより高めることにつながればと思っています。
- 高校時代のわたし
- 3年次から受験勉強に取り組みました。当初は自分の苦手な点を見つけ、補強するように。中盤は、苦手克服に加えて得意科目で安定した点数をとれるように。終盤は、過去の問題を解き実践的な力をつけるようにと、時期を分けて計画的に勉強しました。
アドバイス
- 何をしたいのか、強固な意思はあるかと常に自分に問いかけること
- 高校とは違って、大学生活は基本的に自由です。ただ、その分自分の意志を持つことと、行動力が大切になってきます。自分が何に挑戦したいのか、その挑戦を成し遂げる強い意思を持ち合わせているかということを常に自分自身に問い、貴重な4年間を有意義に過ごすようにしてください。
原 遼太郎さん生命科学部 応用生物科学科4年
- 内定先:持田製薬株式会社
- 埼玉県・私立大宮開成高等学校出身
- ※掲載内容は、取材当時のものです