実践的な授業を転機に、新たな進路を見出す

入学当初は、将来スポーツ医学の分野に進みたいと考えていましたが、3年次に前川透先生の「非線形の科学」を受けて、その進路が大きく転換。「公式は必要なときに使えること。そして重要なポイントを押さえてメモをとることが必要不可欠である」として、ノート持ち込みの試験を行ったり、「重要なのはプレゼンテーション力」ということから、他の授業より多くの発表する機会が設けられていたりして、とても斬新で刺激的な授業でした。この実践型授業を機に、前川先生の「ナノサイエンス研究室」を選択。研究室では英語の論文を読めることが求められましたが、先輩の親身な指導や復習に力を入れることで、少しずつ研究の理解も深まり、電磁波をシャットアウトするガラスへの応用などナノファイバーの可能性を実感しました。生活の向上に貢献できる科学の研究を通して、就職先はヘルスケア業界をリードするロシュ・ダイアグノスティックスを志望。自分としては一つの挑戦だったので、内定をいただいたときは涙が出るほどうれしく思いました。

出会った人たちに支えられた大学4年間

大学時代には視野が広がったり、自分の進路を決める機会になったりと、いろいろな場面で転機があり、出会いがあります。アルバイト先のアミューズメントパークでは、ホスピタリティと呼ばれる「心からのおもてなし」のサービスに専念し、お客さまが何を求めているか、その人の目線や姿勢だけで気付き、応えていく接客に取り組んでいました。結果、これからの仕事にも活用できるコミュニケーションスキルを学んだほかに、人の為になることに大きなやりがいを得られることを実感。またバイト先の上司や知り合いの社会人など世代の異なる人たちと広く交流をしていくことで、学生という立場ではなかなか気付かないような就職観や人生観などを学ぶことができました。おかげで、就職活動にも気後れせずチャレンジできたと思います。振り返れば、いろいろな人に支えられた大学4年間でした。これからも人との出会いを大切にして、新たなことに挑戦し続けようと思います。

4年間の学び

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ナノファイバーの応用は奥が深く、様々な環境下で実験中

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学業とアルバイトの両立に、主体的に取り組み世界が広がる
生物や生体そして医工学の知識を幅広く習得するため、今まで学んだことがない科目を精力的に履修。プライベートでは高い顧客満足度が求められるテーマパークで、初めての接客に注力。そんな環境だからこそ、人の為になることに喜びを感じられる気付きを経験し、世界が大きく広がりました。

2年次

リーダーとしての経験が、問題解決力を養うきっかけに
アルバイト先でリーダーを任され、新人スタッフの教育やマネジメントを担当。自由な裁量権のある環境で、自分のスタイルでメンバーの指導に挑戦。壁にぶつかりながらも、上司からのアドバイスをもとに乗り越えてきました。この経験は、今の自信につながっています。

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斬新な授業を通して、プレゼン力の重要性を実感
「非線形の科学」の授業を受けて、プレゼンテーション力や要約力の重要性を実感。この授業を機に、ナノサイエンス研究室を選択しました。

4年次

基礎知識や技術を生かして、データ採取
卒業研究は「レーザーとベンゼン環によるナノファイバーの生成」。ナノファイバーを医学的に応用できるかどうかについて探りました。まだ基礎研究の段階なので、目下のところ様々な環境下での実験データを採取中です。
高校時代のわたし
わたしの所属していた野球部は、部員数が多く、実力主義の環境でした。このときに学んだのは結果を出せるプロセスにこだわること。真面目に練習をしているだけでは、求めるスキルや技術が身に付かないことを痛感しました。今のわたしの考え方のベースになっています。

アドバイス

焦らなくていい!自ら行動すれば、夢や目標は見えてくる
わたしもそうでしたが、多くの大学生の場合、高校時代の目標と、大学卒業時の目標は変わってくると思います。今、決まった夢や目標がないからといって、焦る必要はありません。そのときに、自分がベストだと思う選択をしていけば、必ず目指したいものは見つかるはず。大学では、興味のあることに取り組める時間が豊富にあるので、いろいろ挑戦して、その中で、自分の夢を見つけてください。

濱洲 良太さん理工学部 生体医工学科4年

  • 内定先:ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
  • 千葉県・市立松戸高等学校出身

  • 掲載内容は、取材当時のものです