いずれは新潟に帰ろうと漠然と思っていた経営学部経営学科の久志直人さんは、マーケティングを学んだことで、その知識を観光産業に生かして故郷を発展させたいと、地元就職の意志を固めます。最も適したポジションとしてとらえたのは、県の職員。迷いのない決意のもと、早期から計画的な自主学習に取り組んだことで、公務員試験を突破しました。

ゼミで気づいた自分のやりたいこと

正直言うと、私はこれまで明確な目標を抱いていたわけではありません。むしろ、何をしたいのかわからなかったと言うべきかもしれないのです。ゼミの選択理由も、説明会での雰囲気が何となく良かったから、というものでした。そうして所属した長島ゼミでは、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネージメント)について研究しました。これは、顧客の購入履歴をもとに好みを把握し、それを踏まえたものを紹介しながら長期的につながることで企業価値を向上させるというマーケティング手法です。学びが深まるほどにマーケティングの面白さに惹かれ、いつしか「この知識を生かして故郷の新潟にもっと人を呼べないだろうか」と考えるようになりました。

卒業したら地元で就職しよう。そう心に決めたのは、東京で一人暮らしを始めたことで新潟の魅力に気づくと同時に、若者が地元に定着しない傾向を残念にも感じていたからです。自分に何ができるかわからず、また、いろんなことに挑戦してみたいという気持ちもあり、進路について悩んでいた時、ゼミの先輩の「公務員ならいろんな課があるから、いいんじゃない?」というひと言で目標を見出すことができました。

2014040802_img_02

準備する、そして目標に突き進む

公務員という仕事について調べてみると、思っていた以上に業務は幅広く、これならいろんなことができそうだと感じました。目指すからには、県の観光業務に携わりたい。そこで、3年生の春から公務員試験に向けて勉強を始めました。30科目もの試験科目をパスするには、かなり気を引き締めて取り組まなければなりません。集中するために1日1科目のみと決めてローテーションを組み、勉強仲間と刺激し合うことで最後までモチベーションを維持できました。

試験対策にしっかり取り組めたのは、それまでに準備を整えていたからだと思います。就職に少しでも役立つようにと、簿記2級検定やTOEIC®テストを受験してベースづくりができたところで3年生になったので、集中して取り組むことができました。準備は早いに越したことはないと実感しています。

2014040802_img_03

蓄積してから全力で取り組みたい

大学入学当初から、この4年間は社会に出る前の大事なステップだととらえ、友達とばかりでなく、異なる年代の人とも触れ合おうと意識してきました。経験豊かな年上の人たちから得るものは大きいと感じていたからです。進路についても、学内外で多くの人から意見をもらうことで、自分が生まれ育った町をもっとより良くしていきたいという思いが固まりました。その気持ちが自分を動かし、新潟県庁からの内定という結果につながって本当に良かったです。どんな業務に配属になっても、まずは任された仕事を一生懸命やります。もちろん、観光に関わりたい気持ちはありますが、本当にやりたいことだからこそ、いろんな仕事を通して新潟のことをきちんと理解したうえで取り組みたい。そしてその時には、大学で学んだマーケティングの知識を生かして、日本国内だけでなく、世界にも新潟県をPRしていきたいと思っています。

久志 直人さん経営学部 経営学科4年

  • 内定先:新潟県
  • 所属ゼミナール:長島広太ゼミナール
  • 新潟市立万代高等学校出身

  • 掲載内容は、取材当時のものです