3年生の秋、就職活動を行う周囲に比べて、何も準備できていないことに焦りを感じた法学部企業法学科の安藤貴之さんは、まず自分自身の分析を始めました。企業社会で生きる法学を軸に、好きなスポーツ、早朝のアルバイトと、有意義かつ規則正しい学生生活そのものをアピールしようと確信。その堅実さと見事に響き合ったのは、あの鉄道会社でした。

本当にアピールできるものは何か

勉強、スポーツ、アルバイトと、一般的な学生生活を占める3つを規則正しく、どれも全力でやってきた4年間でした。生活の軸は、もちろん大学の授業です。企業法学科では、企業社会で働く際に必要な法知識について学びます。企業就職を考えるなら、より現実味をもって深く理解できるのではないでしょうか。

私は地元のバスケットボールチームに所属し、夜の練習へ参加するため、アルバイトは早朝の時間帯にできる開店前の百貨店清掃の仕事を選びました。1限目に授業がない日は午前4時半起床、アルバイトをしてからキャンパスへ。所属する上田ゼミでは、アルバイトを通じて関心の高まった、働くことに関する法律の「労働法」や「社会保障法」についてみっちりと学習。そして放課後はバスケットの練習に励み、午後10時過ぎに帰宅。そのような生活を4年間繰り返し、我ながらよく同じリズムが続いたなと思います。今となっては、自分のやるべきことややりたいことを、どれもあきらめないために最善のサイクルをつくり、継続できたことを自負していると言ってもいいかもしれません。もともとの粘り強い性格が支えた、この規則正しい学生生活は、就職活動において大きな強みになりました。

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自己分析ができていないと話せない

大学で対策ガイダンスを受け、友達や先輩にも相談しながら挑んだ就職活動ですが、初めての面接では自己PRが十分にできませんでした。深い質問を投げかけられると、言うことが尽きてしまい、まるで引き出しが空っぽの状態です。これではダメだと取り組んだのが「自己分析」でした。ある企業のレポート課題だったものを参考に、これまでのターニングポイントやその時々の感情、成長度などを細かくノートにまとめたのです。そこにあるのはすべて真実ですから、もちろん自信を持って表現することができます。これまでの半生を振り返り、自分自身を分析することで、エピソードとして語れるものが豊かになりました。

私は一対一の面接には苦手意識がありましたが、こうした準備で人に話をする時のコツをつかんだような気がします。

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自信にあふれる人たちと働きたい

学内の企業説明会でたまたま最初に話を聞いたのが東海旅客鉄道株式会社(JR東海)でした。新幹線だけでなく、その高い技術力で次世代に向けてリニアモーターカーをつくり、これからも日本の大動脈を支える企業として発展していく。そう言って社員の方々が眼を輝かせながら、仕事の魅力を語るのを目にすると、「自分もこの人たちと一緒に働きたい」と思わずにはいられません。幅広くいろいろな企業を見てみるつもりでしたが、JR東海の印象があまりにも強く、全般的にインフラ企業へ傾いたように思います。その中でやはりこの会社を志望したのは、会社としてのスケールの大きさもさることながら、世の中を支えているという社員の方々の自信と誇りに強く惹かれたからです。

内定をいただいた運輸系統というのは、駅係員、車掌、運転士など輸送に関わる分野の仕事です。規則正しい学生生活とその継続力に着目してくださったのだとしたら、自分が誇れる部分をしっかりアピールできたからではないでしょうか。

安藤 貴之さん法学部 企業法学科4年

  • 内定先:東海旅客鉄道株式会社
  • 所属ゼミナール:上田真理ゼミナール
  • 千葉県立成田北高等学校出身

  • 掲載内容は、取材当時のものです