入学後、さまざまな学びや活動から「環境」に興味を持つようになったという、国際地域学部国際地域学科国際地域専攻の成田早恵さん。「環境教育」を専門的に学ぶために、3年生から4年生にかけて、11ヵ月間の交換留学生としてドイツのマールブルク大学に留学しました。そこでは「持続可能な開発と平和構築」セミナーなどから刺激を受け、ドイツに根付いた環境教育を目の当たりにし、「環境教育」の重要性を実感。そして、将来の目標が教育者へと大きく変わりました。今、その夢へ向けて大学院進学を志望しています。

国際関係から環境教育へ、興味の幅が広がって

ドイツへ留学して、自分の意識が大きく変わりました。帰国したら就職活動をしようと思っていたのですが、将来の目標が大転換してしまったのです。しかし、大学入学時には、それほど留学したいとは考えていませんでした。

高校時代は、「国籍や人種の違いや男女差のないダイバーシティ(多様性)を推進するような仕事に就けたらいいな」と、漠然と思っていました。大学1年生の時、発展途上国のことを勉強したり、国際関係の新しい学びに触れたりして、「貧困をなくしたい、世界平和のために働きたい」と考えるように。2年生の時には、国際援助やボランティアについて学び、「援助は時として迷惑になることもある」とわかり、“人を助けること”の難しさに悩み、将来の目標を見失った時期もありました。ちょうどその頃、環境開発にも興味を持つようになり、ゼミで自然保護や環境教育について専門的に学ぶようになりました。

それほど留学に積極的ではなく、アメリカに行く友人が多かったので、なんとなく留学先にアメリカをイメージする程度でした。しかし、「環境」について専門的に勉強していると、どうしても“ドイツ”に関わることが多くなってしまう。そこで、「環境の専門的な学びをドイツでするのもいいかな」と、そのぐらいの気持ちで留学先を決めました。

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環境教育の先進国での刺激が、将来を変えた

ドイツのマールブルク大学の社会学部社会科学学科で学びましたが、国際開発研究学部や平和構築学部にもフレキシブルに参加できたので、セミナーを受けていました。特に、国際開発研究学科のセミナー「持続可能な開発と平和構築」が、私の今後の目標に大きく関わることになりました。

マールブルク大学での学びから、地球の将来を考える上で、持続可能な開発計画を策定することの重要性を認識しました。環境のことを考えずに開発をしても、公害問題が出てくると人間の生命に関わってきます。しかし、経済が発展していくためには、どうしても開発が必要です。結局、開発も環境も大事ですから、持続可能な開発を目指していかなければなりません。このことが、今後の国づくりや街づくりに生かされていくべきです。

ただ、この重要性を速やかに理解するためは、子供のうちから環境の大切さを教えることが必要です。そして、その基盤を築くのが環境教育です。将来的に、教育という分野の中で「環境教育」は非常に大事な分野になると推察しています。

留学当初、ドイツ人の環境への配慮が、私たちのそれとずいぶん違うと感じました。ドイツには「環境」という授業があります。彼らは子供の頃から“ゴミは分別すべき”で、ゴミがどのような過程で再利用・廃棄されるのかなどを学んでいるため、環境への理解度がとても高いといえます。

実はドイツから帰国したら、就職活動をする予定でした。しかし、ドイツでたくさんの先生や学生と出会い、「もっと勉強しなければならない」と感じて、大学院進学希望へと大転換しました。子どもの環境教育のマスタープログラムに触発されたので、大学院ではこれを専門的に学びたいと思っています。
目標は大きく変わりました。将来は環境教育を専門的に行う教育者になることを目指しています。

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この大学での、多くの活動と人との出会いに感謝

大学1年生の時はいろいろなことに手を伸ばして、例えば、フィリピンのコミュニティ開発サークルに参加したり、カンボジアでの教育ボランティアを手伝ったり、環境やエネルギー問題についても学んだりしていました。友人から「何を目指しているの?」と言われるほどだったんです(笑)。しかし、それらの活動を通して非常に多くの人と知り合うことができ、さまざまな世界とその先に枝葉のように広がっている物事を知り、自分にとってそれがとても良い刺激になったと確信しています。

正直に言って、自分が「環境教育を推進する教育者を目指す」ことになるとは、全く考えていませんでした。東洋大学に入学し、国際地域学科で学び、ドイツへ留学したからこそ、本当の目標を見定めることができ、挑戦していけるのだと思います。

このように、学生一人一人の個性を認め、いろいろな経験を積ませてもらえるところが、東洋大学の良さだと実感しています。

成田 早恵さん国際地域学部 国際地域学科 4年

  • 所属ゼミナール:荒巻俊也ゼミナール
  • 東京都立小山台高校
  • 留学先:ドイツ マールブルク大学

  • 掲載内容は、取材当時のものです