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ライフイノベーション研究所2022年シンポジウム「プロバイオティクス機能に基づいた健康維持増進」を開催

ライフイノベーション研究所2022年シンポジウム「プロバイオティクス機能に基づいた健康維持増進」を開催致します。
【オンライン開催:10/28-11/13】

【お知らせ】2022年11月13日(日)をもちまして、動画の配信は終了いたしました。

 

(開催概要)

現代日本は、世界に類を見ない超高齢社会に突入し、その結果、がんや認知症等の増加、介護給付金や医療費の増大等を引き起こしており、健康維持増進や生活習慣病等の慢性疾患予防等により健康寿命の延伸を図り、平均寿命と健康寿命との差を短縮させ、個人の生活の質を向上させることが今後の日本社会にとって最重要課題です。この課題解決にすこしでも貢献するために、東洋大学ライフイノベーション研究所が平成27年4月に設立され、食環境・運動・住環境を主体に健康寿命延伸に寄与できるように、日々研究を実施しています。
今年の本研究所のシンポジウムでは、「プロバイオティクス機能に基づいた健康維持増進」と題して、本学内外のプロバイオティクス関連分野の研究者3人に、それぞれの立場から、プロバイオティクス機能を利用した健康維持増進の可能性について講演をいただく予定です。
プロバイオティクスによる腸管機能の活性化が、体全体の健康状態を維持促進するのに重要であることはよく知られており、本シンポジウムが視聴者の皆様のプロバイオティクスを利用した健康維持増進への関心につながれば幸いです。


 

■講演(1)「腸内細菌叢からみた人生100年時代の栄養学」
内藤 裕二氏(京都府立医科大学大学院医学研究科 教授)
【講演概要】
ヒトの老化は必ずしも個々が同じスピードで起こるものではなく、老化の進行の程度を判定するには暦年齢とは別の老化指標が必要とされ、加齢に伴う種々の臓器の機能の低下を反映し、身体機能低下から推定される生物学的年齢(biological age)が報告されている。そのなかでもDNAメチル化をベースにしたエピジェネティクス年齢指標(DNAmAge)が注目され、研究が進められ、すでに食を中心にしたライフスタイル介入によりDNAmAgeが減少する若返り研究も報告されている。さらに生物学的年齢の指標として、プロテオームや血中サイトカインに着目した指標も提案され、老化の中心的病態として慢性炎症の存在が明らかにされ、サイトカインを中心にした炎症性生物学的時計も提案された。加えて、腸内細菌叢をメタゲノム解析、その代謝物を分析する手法が改良・確立され、腸管の老化を制御することが生活習慣病の予防、健康長寿の延伸につながる可能性を示す重要な成果が報告されてきている。腸内細菌叢・代謝物の変容→慢性炎症→エピジェネティクス→生活習慣病・老化といったセントラルドグマが存在する可能性を示唆されている。さらに、腸内細菌叢、腸内環境に最も大きな影響を与える外的要因が食・栄養であることが明らかにされつつある。本講演では、最新研究情報を紹介し、人生100年時代の健康長寿戦略を考えてみたい。

■講演(2)「乳酸菌・ビフィズス菌による健康の維持・増進」
石田 達也氏(株式会社 明治 研究本部 乳酸菌研究所 基盤微生物研究部 マイクロバイオームG 研究員)
【講演概要】
医療技術の発展や急速な少子化の進行により超高齢社会が到来しており、今後要介護状態となる人が増えてくると考えられます。労働人口が減少し、人手不足が顕在化している現状では、介護を必要としないで生活できる期間を延ばすことが必要と考えられます。健康寿命の延伸は喫緊の課題と考えられ、その解決手段の一つとして食品の3次機能(体調調節機能)を活用した健康の維持・増進が期待されています。微生物、特に乳酸菌やビフィズス菌(Bifidobacterium )がヒトの健康に寄与していることは古くから考えられてきました。例えばロシアの科学者であるイリヤ・メチニコフは、ブルガリアに長寿者が多いのはヨーグルト中の乳酸菌が腸内細菌叢を改善しているためであるという「ヨーグルトの不老長寿説」を1900年の初頭に提唱しています。その考えは現在では、プロバイオティクス、ポストバイオティクスという言葉となり、整腸作用をはじめ、メタボリックシンドロームに対する作用、アレルギー低減作用、過敏性腸症候群に対する作用、脳機能に対する作用等、様々な機能性が期待されるようになりました。本講演では、2015年4月に施行され、近年着目を浴びている機能性表示食品の現況を紹介するとともに、乳酸菌・ビフィズス菌をはじめとするプロバイオティクスの保健効果に関して基本機能の一つである整腸作用についても紹介します。
 
■講演(3)「腸内細菌と食行動・食欲」
小西 可奈(東洋大学 食環境科学部 食環境科学科 助教)
【講演概要】
肥満の予防および治療において、食欲や食行動の調節機構の正常化を図ることは有効な手段であると考えられます。ヒトの摂食行動は、消化管ペプチド等が関与する恒常性摂食調節系と、ドーパミン神経系が担う報酬系による調節を受けて成り立っていますが、肥満者はこれら両方の調節機構が破綻した状態にあることが知られています。近年ではこれらの関係に腸内細菌が介在し、影響を及ぼしている可能性が示されています。実際に、肥満者では、腸内細菌組成の違いによって、全粒穀物や野菜を多く含む食事介入の体脂肪減少効果が異なることが報告されています。腸内細菌は宿主が摂取した食物からエネルギーを享受して生育する一方で、宿主が摂取した食物から短鎖脂肪酸等を産生します。腸内細菌によって産生される代謝産物は、種々の摂食調節関連因子を制御し、摂食行動の発現に作用することが報告されています。本発表では、食欲・食行動と摂食調節ホルモンおよび腸内細菌・短鎖脂肪酸との関係について、関連する研究を交えながら紹介します。

 

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※詳細はこちらのPDFを参照してください。