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社会心理学科・尾崎由佳教授の著書『自制心の足りないあなたへーセルフコントロールの心理学』が日本社会心理学会出版賞を受賞

社会学部社会心理学科・尾崎由佳教授の著書『自制心の足りないあなたへーセルフコントロールの心理学』(ちとせプレス)が2021年度日本社会心理学会出版賞を受賞しました。日本社会心理学会賞は、日本社会心理学会が会員の優れた研究業績を顕彰するために設けたもので、出版賞は前年度に出版された書籍に対して選考のうえ授与されるものです。

受賞著書

『自制心の足りないあなたへーセルフコントロールの心理学』
出版:ちとせプレス
発行日: 2020年9月30日
体裁: 四六判並製384頁
ISBN: 978-4-908736-19-3
定価: 2600円+税

選考委員会コメント(日本社会心理学会会報228 号より引用)

本書は自制心がはたらくプロセスを一般読者にもわかりやすくていねいに紹介するとともに、研究者にとっても有益なレビューとなっている良書である。著者は自制心がはたらくプロセスを明らかにするために、まず本書で扱うセルフコントロールが何を意味しているのかという概念整理から始める。ここでは、学問的な意味と日常場面での実例を交えて、本書で扱う問題の所在が一般読者にもわかりやすく説明されている。次にセルフコントロールに関する心理学とその周辺領域における研究を紹介し、当該研究分野の裾野の広さを示してくれる。このようにセルフコントロールというテーマのもつ意味とそれに対する複数のアプローチを紹介し、読者に問題を十分に理解させた後、それがはたらくプロセスをていねいに説明していく。そもそも誘惑がなければセルフコントロールは必要ないので、誘惑が生じないようにしておけばよい。しかし、短期的で魅力的なオプションが存在すればついついそちらに流されてしまいそうになる。そういったときに長期的で大きな目標を思い出すことで、短期的目標と長期的目標の間にある葛藤の検知が可能になる。検知された葛藤はうまく解消されるかもしれないが、解消されないこともあるだろう。解消されない場合も行動を抑制することで長期的目標を達成する行動をとることができるかもしれない。こうしたセルフコントロールのプロセスのそれぞれについて詳しく説明することで、どのような場合にセルフコントロールに失敗するのか、翻ってどうすればセルフコントロールができるようになるのかが説明される。

選考委員会が本書を出版賞にふさわしいとして推薦する理由は大きく次の 3 つである。第一点目はセルフコントロールという研究領域を一般読者にわかりやすく解き明かしている点。第二点目は、それと同時に、セルフコントロール研究についての良質なレビューになっており、研究者にとっても有益な学術書になっている点。第三点目は、特にセルフコントロールがはたらくプロセスについて著者自身の研究を交えた内容となっている点である。このため、本書は本格的な学術書という側面と一般読者に向けた啓蒙書という側面を併せもつ稀有な書籍となっている。

以上の観点から、本書を日本社会心理学会出版賞にふさわしい内容であると評価し、推薦するものである。

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