【著作紹介】「数学をする」ってどういうこと?

[2021年7月更新]

数学の力

著者:小山 信也(理工学部生体医工学科 教授)
出版社:技術評論社
出版年:2021年5月発行
ISBN:9784297121136
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内容:
本書は,「数学をする」ってどういうこと?という直球の質問に答えていく構成になっています. 数学者ってどんな仕事をしているの?という質問から,なぜ楽しく思えないのかなどなど,聞きたかった質問に「ゼータ先生」が答えていきます. コロナ禍でよく見聞きする数値のことや,有名なパラドックス「アキレスと亀」や無限など人類がおかしてきた誤解の歴史にも迫ります. そして素数にまつわる問題であるリーマン予想へとつながっていきます. 実は,リーマン予想はある無限級数の収束を用いるだけで記述できることがわかってきました.その貴重な内容もご紹介します.

 

教員メッセージ

本書は,コロナ禍の2020年7月に,学長室から全教職員向けに配信された講演「数値の正しい理解とコロナ対策」をもとに執筆したものです. 本書誕生の経緯は,学科のウェブサイト 【書籍の紹介】生体医工学科 小山信也 教授「数学をするってどういうこと?」を刊行 に詳しく記載しましたので,ご参照ください. 以下では,そこに書けなかった執筆裏話を一つ披露します.

本書の登場人物「景子ちゃん(表紙中央)と優くん(表紙左手)」についてです. 彼らの名前の由来について,読者の方に良く聞かれるのですが,「景子は著者の妻の名前ではないか」とのフェイクニュースも一部に流れておりますので,それを払しょくするためにも,正しい情報を公表したいと思います.

実は,この本の執筆依頼が来る前に,ある出版社で対談集を出す企画がありました. 私が各界の著名人と数学に関して一対一でトークを行い,対談集を出す企画でした.対談相手の候補として,

  • 大栗博司さん(世界的な物理学者.カリフォルニア大学教授)
  • 南場智子さん(経団連副会長.株式会社DeNA創業者.愛読書が数学の本)

が内定し,スポーツ界から

  • 岩政大樹さん(元Jリーガー日本代表.教育学部数学科で数学の高校教員免許を取得)

も候補になりました.そして芸能関係者として,出版社側が挙げてきた案が,北川景子さんと蒼井優さんでした.

北川景子さんは,数学が好きで,数学を使う勉強がしたくて大学の商学部で経済学を専攻した経歴です. 女優になったのはスカウトされたことがきっかけで,本人の元々の希望ではなかったそうです. 蒼井優さんは,数学を使う職業に就きたいとの希望を持っていたそうです.

偶然,二人とも私の好きな女優さんたちでしたので,願ってもないチャンスと思い,楽しみにしていました. ギャラの交渉など,契約がうまく行くかは出版社も未知数とのことでしたが,ちょうどそのタイミングで北川景子さんは妊娠し,蒼井優さんは結婚され,それどころでは無くなりました. そして,対談集の話は立ち消えになり,別の企画を進めることになりました.

私は,せっかく北川景子さんと蒼井優さんに会える機会を逸してしまったことが悔しくて,せめて,彼女たちに名前だけでも参加してもらいたいと思い,この本を書きました. これが,景子ちゃんと優くんの名前の由来です.

そのようにして作ったこの本が,まさかベストセラーになるとは思いませんでした. しかし,私はまだ対談をあきらめていません.いつか将来,実現させたいと希望を抱いています. そしてその際は,この本を手土産に彼女たちにお会いしたいと思っております.

[著者] 小山 信也(コヤマ シンヤ)

小山信也先生

1962年新潟県生まれ。数学者。東京大学理学部卒業。東京工業大学大学院理工学研究科修士課程修了。
専門は整数論、ゼータ関数論、量子カオス。現在、東洋大学理工学部教授。著書に『リーマン教授にインタビューする』(青土社)、『素数からゼータへ、そしてカオスへ』(日本評論社)、『ABC予想入門』(共著、PHP研究所)、『ゼータへの招待』(共著、日本評論社)などがある。

©撮影 河野裕昭

関連リンク

東洋大学研究者情報データベース(小山信也 教授)
『大学への数学』7・8月号にインタビュー記事が掲載
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リーマン予想とゼータ関数(東洋大学学術情報リポジトリ)
科学雑誌Newton 2021年8月号 『足し算とかけ算の未知なる関係の謎にせまるABC予想とIUT理論』を監修