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【著作紹介】ミシェル・セール 普遍学からアクター・ネットワークまで

ミシェル・セール

著者:清水 高志(総合情報学部総合情報学科 教授)
出版社:白水社
出版年:2019年5月発行
価格:3,900円+税
ISBN:9784560097021
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内容:
思考を複数化する《普遍学》とは何か? ライプニッツの方法論をはじめ、ラトゥールのアクター・ネットワーク論、ハーマンやメイヤスーらの思弁的実在論も胎動するセールの哲学——あるがままの自然を〈百科学〉として織りなす、しなやかな思惟に迫る!

白水社の紹介ページ

教員メッセージ

 先日惜しくも亡くなったミシェル・セールは、ニ一世紀の諸学問の潮流にもはかり知れない影響を及ぼしている巨人で、すぐれた文人でもあります。僕は二〇歳のときから彼の書くものを熱愛し、ずっと研究し続けています。
 この『ミシェル・セールーー普遍学からアクター・ネットワークまで』は、僕の代表作の一つですが、復刻リクエストの多い書籍45点を復活させる「書物復権」という企画で、今回選ばれたものです。

目次

[目次]
プロローグ──略伝と展望
暴力と科学──哲学に目覚める
エコール・ノルマル、形成期
世界的な活躍のころ>
後続世代への影響──情報論からアクター・ネットワークまで
今日のセール

第1部 人文学・美学
第1章 『生成』
多なるもの、一なるもの
ノワーズの轟き
「あるがままの多」に耳を傾ける
裸身の多
イクノグラフィ
相互包摂と往還
統一か多様性か
共─可能性
ネットワークと往還─シャトル(杼)の理論
はじまりの遍在
匿名性と普遍の美
暴力について
三機能とスケープゴート
怒り(ヒュルール)
脱出
第2章 『自然契約』
不可視な場所──自然という問題
自然、この両義的なるもの
主体的暴力と客体的暴力
人間プレート
いたるところにある存在
知の対象と学者たち
知とフェティシズム
準─客体論からアクター・ネットワークへ
恋人たちとリンゴ
紐帯──自然と人間の契約

第2部 エピステモロジー
第3章 『ライプニッツのシステム』
多様な構成法
複線的思考
結節点と可逆性
「折り返し点」としての対象
ループと網の目
動く焦点
第4章 『干渉』
連続体としての百科学
特殊性はまた普遍性である
多重な相互性
科学的認識の三段階
固体という対象─可塑性をめぐって
インターセプト
包摂関係のねじれ─質料形相論、コーラ

第3部 人類学
第5章 『パラジット』
追いやられるもの
腐敗、交換、蓄積
疎外と寄食
寄食者の帰還
ジョーカーとしての寄食者
腐敗の秘蹟
暴力と豊穣のあいだ
饗宴──言葉と物の交換
第6章 『作家、学者、そして哲学者は世界を一周する』
デスコーラとその四類型
「寓話」の起源
トーテミストでアニミスト
パースペクティヴについて
方法としてのイクノグラフィ
メイヤスーの相関主義批判
実践家と理論家─二人のライプニッツ
ナチュラリズム、閉じたループ
記憶の場所たち
混淆と越境─セールの方法とその可能性
補論 『結合法論』におけるライプニッツ
あとがき
ミシェル・セールの軌跡[一九三〇─]
索引

[著者] 清水 高志 (シミズ タカシ)

清水 高志先生

東洋大学総合情報学部総合情報学科教授(専攻、哲学)。
主な著書に、『ミシェル・セール 普遍学からアクター・ネットワークまで』(白水社、2013)、『実在への殺到』(水声社、2017)、主な訳書に、ピエール・レヴィ『ポストメディア人類学に向けて』(共訳、水声社、2015)、ミシェル・セール『作家、学者、哲学者は世界を旅する』(水声社、2016)などがある。

関連リンク

東洋大学研究者情報データベース(清水 高志 教授)
動画で見るWeb体験授業 自然契約とガイア
メイヤスーと思弁的実在論(東洋大学学術情報リポジトリ)
純粋経験論が目指したもの―西田幾多郎とジェイムズ、円了(東洋大学学術情報リポジトリ)