【著作紹介】良寛「法華讃」
[2019年7月更新]
著者:竹村 牧男(東洋大学 学長)
出版社:春秋社
出版年:2019年5月発行
価格:本体2,500円+税
ISBN:9784393134290
所蔵状況を確認する
内容:
良寛の深い仏教理解の見られる「法華讃」百二首を、新潟市所蔵の真筆をテキストに、原文と書き下しを載せやさしく解説。全編カラー口絵でその名筆も味わえる究極の「法華讃」。
学長メッセージ
良寛には、『法華経』28品に、漢詩の讃100をつけた作品『法華讃』がある。そこには、『法華経』に関して、良寛の参禅体験や宗祖・道元への時を隔てた私淑をふまえた「看経の眼」による、『法華経』の奥義の理解が披歴されている。讃およびその著語(寸評)の作成にあたっては『碧巌録』や白隠の『槐安国語』等の禅籍に対する広範な知識が動員されており、この『法華讃』は禅文学の白眉と言うべきものである。本書には、良寛研究の第一人者、小島正芳先生による『法華讃』の解説と竹村による『法華経』の紹介および『法華讃』の各讃の解説を収めた。良寛の禅思想、仏教思想を理解するうえで最適の書物といえよう。
なお、本書は全国良寛会会長(元新潟市長)・長谷川義明氏の、『法華讃』に対するなみなみならぬ情熱がこめられており、その個人的な負担により、定価がかなり低く抑えられているものである。
[著者] 竹村 牧男(タケムラ マキオ)
東京都出身。博士(文学)。1974年3月東京大学人文科学研究科(印度哲学)修士課程修了。75年4月東京大学人文科学研究科(印度哲学)博士課程中退。
三重大学助教授、筑波大学教授などを経て、2002年筑波大学名誉教授就任。
02年4月から15年3月まで東洋大学文学部教授。文学部長を経て、09年9月より学長就任。15年4月より文学研究科仏教学専攻教授。
専門領域は仏教学、宗教哲学。日本宗教学会理事、比較思想学会理事を務める。
◆受賞等
日本印度学仏教学会賞(1984年)、日本宗教学会賞(1986年)、第17回中村元東方学術賞(2007年)、井上円了賞(2008年)。
◆主な著作
『日本仏教 思想のあゆみ』(講談社、2015年)、『大乗仏教のこころ』(大東出版社、2013年)、『<宗教>の核心-西田幾多郎と鈴木大拙に学ぶ-』(春秋社、2012年)など多数。