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【著作紹介】Law and Democracy in Contemporary India: Constitution, Contact Zone, and Performing Rights

著者上田 知亮 (法学部法律学科 准教授) 【編著】
出版社: Palgrave Macmillan
出版年:2019年1月発行 
価格:£89.99
ISBN: 9783319958361
所蔵館:白山

内容
This book analyses legal orders, actors and democracy in contemporary India, with a particular focus on the everyday contexts and dynamics of human rights, citizenship and socio-economic rights and laws.

The contributions explore both ‘institutionalization from above’, where the judiciary and legislative body aim to govern people, and ‘institutionalization from below’, where the governed attempt to expand their substantive rights embedded within their everyday lives. This analysis identifies contact zones between the two directions, which act as spaces for democratic participation and negotiation. Such a perspective should be useful to both those who are interested in Indian politics, and anthropologists and sociologists working on dynamics of laws and rights.

Palgrave Macmillanの紹介ページ

 

教員メッセージ

 本書は、人権や市民権/国籍、社会経済関係の法と権利にまつわる日常的な実践と動態に焦点をすえて、現代インドの法秩序とデモクラシー(民主政)を分析したものです。

本書が採用している分析枠組みは、司法機関や立法機関が法を通じて人々を統治する「上からの制度化」と、統治される人々が自分たちの日常生活のなかに見出した自らの権利を実現・拡大していこうとする「下からの制度化」という2つの「制度化」の接触領域(コンタクト・ゾーン)に着目するというものです。このコンタクト・ゾーンこそ現代インドにおいて民主的な参加と交渉の空間として重要な役割を担っているのです。

従来のインド研究で等閑視されがちであった<法/権利とデモクラシー>という課題を「上からの制度化」と「下からの制度化」の両面から解明するには学際的な分析が必要となります。政治学はもちろん、社会学や人類学など様々な分野の研究者8名の論考から本書が編まれている理由はそこにあります。

本書をPalgrave Macmillanから出版することになったきっかけは、2016年7月にオーストリアのウィーンで開催された世界社会学会の第3回社会学フォーラム(3rd ISA Forum of Sociology)にパネル企画で参加した際に、大会プログラムを見て関心をもった同社の編集者からメールをもらったことでした。気軽に国際学会に参加したことが海外の学術出版社からの英語論文集出版につながったことは誠に僥倖であったと思います。大会プログラムから出版企画の芽を見つけ出そうとする出版社の熱心さに驚くとともに、経済的負担や出版助成なしでも出版できる英語出版物の市場の広さも痛感しました。

なお本書は以下の研究助成事業の成果の一部です。
◆科研費:基盤研究(B)
研究課題「現代南アジアにおける法と権利の動態をめぐる研究―国制・権利・法秩序」(代表:山本達也、課題番号26283006)
◆サントリー文化財団:人文科学、社会科学に関する学際的グループ研究助成
研究課題「現代インド民主主義の持続性に関する学際的研究:司法積極主義と社会運動の観点から」(代表:上田知亮)
◆東洋大学:井上円了記念研究助成
研究課題「社会運動・法形成・権利実践からみる現代インドの民主主義と立憲主義」(代表:上田知亮)

本書をさらに発展させた研究成果をあげるべく、本書刊行後も以下の支援を得て共同研究を続行しています。
◆サントリー文化財団(同上)
◆JFE21世紀財団:アジア歴史研究助成
研究課題「近現代インドの権利形成史:司法積極主義と社会運動に着目して」(代表:上田知亮)
◆科研費:基盤研究(B)
研究課題「司法積極主義と社会運動からみる現代インドの自由民主主義体制の持続可能性」(代表:上田知亮、課題番号19H04367)

目次(論題は仮訳)

1. Introduction; Tatsuya Yamamoto
「序論」(山本達也)

2. Inventing Rights in the Indian Context; Kazuhiro Itakura
「インド史のなかで創造された権利」(板倉和裕)

3. Who Appoints Judges? Judicial Independence and Democratization of the Judiciary in India; Tomoaki Ueda
「誰が裁判官を任命するのか? インドにおける司法の独立と司法府の民主化」(上田知亮)

4. Citizenship In-between: A Case Study of Tibetan Refugees in India; Tatsuya Yamamoto
「狭間にある市民権:在印チベット難民の事例から」(山本達也)

5. Rethinking the Reservation System in Contemporary India: A Local Point of View; Kenta Funahashi
「現代インドの留保制度を再考する:草の根の事例から」(舟橋健太)

6. 'The Right to Know Is the Right to Live': The Right to Information Movement in India; Shinya Ishizaka
「『知る権利は生きる権利』:インドの情報公開請求権運動」(石坂晋哉)

7. Protesting the AFSPA in the Indian Periphery: The Anti-Militarisation Movement in Northeast India; Makiko Kimura
「インドの辺縁で軍事特別権限法に抵抗する:インド北東部における軍事化反対運動」(木村真希子)

8. Justice and Human Rights at the Grassroots Level: Judicial Empowerment in Dalit Activism; Maya Suzuki
「草の根レベルでの正義と人権:司法を通じて力を獲得するダリトの活動」(鈴木真弥)

9. The Right to Sacredness: Politics Surrounding Wind Power Development in the Thar Desert; Kodai Konishi
「聖なるものにアクセスする権利:タール砂漠における風力発電の政治」(小西公大)

 

[著者] 上田 知亮(ウエダ トモアキ)

【学歴】
2002年11月 - 2004年09月, デリー大学, 社会科学部, 歴史学科
2001年04月 - 2005年03月, 京都大学, 大学院法学研究科, 政治学専攻博士課程
1999年04月 - 2001年03月, 京都大学, 大学院法学研究科, 政治学専攻修士課程
1995年04月 - 1999年03月, 京都大学, 法学部

 

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