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【著作紹介】瀬戸内レモン ~ブームの到来と六次産業化・島おこし~

著者川久保 篤志 (法学部企業法学科 教授)
出版社: 渓水社
出版年:2018年 12月発行 
価格:1,700円+税
ISBN: 9784863274655
所蔵館:白山


内容
近年、夏季を中心に店頭を賑わしている「瀬戸内レモン」商品。今やブームと化したこれらの現象は、どのようにして生じてきたのか。レモンを産する瀬戸内の島々、こだわりの商品を開発する加工業者,ブランド価値の向上に知恵をしぼる行政やJA,それぞれの取組みを多面的に考察し、ブームの成果と将来像、ならびに柑橘産地の再生・振興を構想する際のレモンならではの可能性を展望した一冊。

渓水社の紹介ページ

 

教員メッセージ

 私が国産レモンの存在を知ったのは20年ほど前の愛媛県の島でした。10年ほど前にはスーパーに高級品として並ぶようになり、ここ数年では「瀬戸内レモン」を冠した様々な加工品やスイーツが、夏季を中心に店頭を賑わしていることに気づいている人も多いのではないでしょうか。

 では、なぜ「瀬戸内」レモンなのでしょう。レモンは Sunkist が当たり前だった一昔前を思い起こすと、隔世の感があります。本書では、「瀬戸内レモン」が夏の風物詩としてブームを巻き起こした過程について、その発信元である瀬戸内の島々でのレモン作りや飲食店でのご当地メニュー化の動き、広島県を中心とした加工業者のこだわりの商品づくりについて調査した結果を紹介しています。

 ブームが瀬戸内の島おこしに果たした役割や、六次産業化の事例として評価するには時期尚早かもしれません。しかし、未だ方向性が定まらず多様化を続けているブームの今後に注目し続ける価値はありそうです。皆さんもお気に入りの「瀬戸内レモン」商品を探してみてはいかがですか。

 

目次

序章 レモンブームの到来と瀬戸内

第1章 カリフォルニアレモンの今
1. カリフォルニアのレモン栽培
2. カリフォルニアのレモン消費
3. 対日輸出の展望

第2章 国産レモンの復活とブームへの道のり
1. 国産レモン生産の復活
2. レモンブームへの道のり

第3章 加工品にみる瀬戸内レモンブーム
1. 多種多様なレモン加工品
2. 広島県におけるレモン加工品開発

第4章 瀬戸内レモンブームとともに成長する地場企業
1. まるか食品とイカ天瀬戸内レモン味
2. ヤマトフーズと瀬戸内レモン農園
3. とびしま柑橘工房と「愛とレモンで島おこし」
4. 島ごころ~香りと旨みのレモンケーキ~
5. 地場企業の成長の意義

第5章 小売・飲食店にみる瀬戸内レモンブーム
1. 土産物店におけるレモンブーム
2. 飲食店におけるレモンブーム
3. 瀬戸内レモンブームの日本的特徴

第6章 レモンの島々を訪ねて
1. 芸予諸島のレモン栽培
2. 生口島~レモンを柱とした農業の六次産業化~
3. 岩城島~青いレモンの島~
4. 大三島~伸び悩むレモン栽培と加工業~
5. 大崎上島~レモンの島構想~
6. 大崎下島~レモンに託す産地再生への道~
 7. レモンの島の地域差と六次産業化への課題

第7章 レモン栽培の停滞打破に向けた新たなアプローチ
1. JAによる新規就農者支援
2. ポッカ社との包括連携とレモン産地振興
3. 島外からの人材・資本の受入れと課題

終章 瀬戸内レモンブームと島々の将来
1. レモンブームのもたらしたもの
2. 柑橘栽培史の中のレモン

あとがき
参考文献


[著者] 川久保 篤志(カワクボ アツシ)

東洋大学法学部 教授。 専門は人文地理学。

1966年和歌山県生まれ。岡山大学大学院文化科学研究科単位取得退学。博士(文学、広島大学)。

著書として、『戦後日本における柑橘産地の展開と再編』(農林統計協会、2007年)、『グローバル化に対抗する農林水産業』(農林統計出版、2010年)などがある。

 

関連リンク

東洋大学研究者情報データベース(川久保 篤志教授)
カリフォルニアレモン事情(東洋大学学術情報リポジトリ)
TPP 大筋合意と日本の稲作―輸入米と非主食用米の需給に絡めて―(東洋大学学術情報リポジトリ)
山間地域における果樹・加工品開発と地域存続力の構築(東洋大学学術情報リポジトリ)