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【著作紹介】エコ・ファンタジー

エコ・ファンタジー

著者:河本 英夫 (文学部哲学科 教授) 【共編著】
出版社:春風社
出版年:2015年9月発行
価格:3,500円+税
ISBN:9784861104688
所蔵館:白山

内容 :
もっと、感じよう
スケールが大きくて捉えにくい「環境」と、個人の生活感覚とのギャップは、どのように埋められるのか。
食料自給率、生物多様性、南方熊楠など、多彩な視点から問い、想像力を押し広げる刺激的論集。

春風社の紹介ページ

教員メッセージ

一般に環境と呼ばれるものには、自然環境、文化的環境、歴史的環境がある。いずれも認識がその場所で形成されていくので、全面的に明るみに出ることはない。そうなると環境を捉えるというよりも、むしろうまく感じ取っていかなければならない。そしてそこに言葉を当てていくのである。それは自分自身で環境に染まる詩人のようになることでもある。

自然環境では、その時々にトピックと呼べるものが変化していく。現在では、海洋のプラスティックゴミが大問題である。そこへの感度の違いは、文化ごとに大幅に異なる。少々のことではゴミだと感じることのない文化もあれば、敏感に反応する文化もある。また現在の環境のなかに、歴史的遺産が堆積するように含まれているものもある。そのため環境とは、眼前に見えるものだけではなく、むしろ一つのファンタジとして感じ取っても行かなければならない。

目次

Ⅰ 環境への思い
1 ファンタスティックな環境【岩崎大】
2 触覚性環境【河本英夫】
3 食料自給率【山田利明】
4 レジリエントな自然共生社会に向けた生態系の活用【武内和彦】

Ⅱ 一歩後退二歩前進
5 非合理の合理性【住明正】
6 ケンムン広場:生物多様性モニタリング研究における保全生態学と情報学の協働【鷲谷いづみ・安川雅紀・喜連川優】
7 消費者が関与する海のサステナビリティー:水産物エコラベルのポテンシャル【八木信行】
8 宇宙と環境とファンタジー【石崎恵子】
9 マヌカン・レクチャーとフレッシュな生命【池上高志】

Ⅲ 文化的環境
10 初期日本哲学における「自然」【相楽勉】
11 南方熊楠・説話研究と生態学の夢想【田村義也】
12 大正詩人の自然観:根を張り枝を揺らす神経の木々【横打理奈】
13 城外に詠う詩人:中国の山水田園詩【坂井多穂子】
14 潜在的人類を探索するワークショップ【安斎利洋】
15 エクササイズとしての無為自然【野村英登】

Ⅳ 障碍者・高齢者・避難者の環境
16 22世紀身体論:哲学的身体論はどのような夢をみるのか【稲垣諭】
17 移動・移用についての小論:フレッシュな生命【日野原圭】
18 カップリング(対化)をとおしての身体環境の生成【山口一郎】
19 高齢者・障碍者の能力を拡張する環境とは【月成亮輔】
20 障碍者の環境【池田由美】

[著者] 河本 英夫(カワモト ヒデオ)

河本英夫先生1953年鳥取県生まれ。
東京大学教養学部卒業。同大学大学院理学系研究科博士課程満期退学。専門は科学論、システム論、オートポイエーシス。
長崎大学助教授を経て、現在、東洋大学文学部哲学科教授、博士(学術)。あらゆる人間の生の深層に届く言葉を繰り出す唯一無二の哲学者。
主な著作に『オートポイエーシス』『臨床するオートポイエーシス』(ともに青土社)、『〈わたし〉の哲学』(角川選書)等がある。

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