03 競歩をする人 川野 将虎 03 競歩をする人 川野 将虎

競歩との出会いは突然に。 競歩との出会いは突然に。

競歩選手となったきっかけを教えてください。

高校に入学し、1,500m、5,000mなどの長距離の選手として練習を続けていたある時、顧問の先生が予告なく競歩の大会にエントリーし、県大会の予選へ出場することになりました。突然のことで準備も不十分だったため結果は最下位だったのですが、なんと順位繰り上げで県大会に進むことに。県大会にむけ本格的に練習を始めたところ面白いようにタイムが向上し、そこで競歩が俄然楽しくなったことが選手になったきっかけです。今では、顧問の先生も当時の私に競歩の可能性を感じていたのかなと思います。東洋大学を選んだのは、在学中にオリンピアンとなった競歩選手を2人輩出しており(西塔拓己選手/2012年ロンドン大会、松永大介選手/2016年リオ大会)、自分も後に続きたいと思ったから。東洋大学陸上競技部はハイレベルなだけでなく、部員同士の仲が良いのが特徴です。特に同学年の競歩選手、池田はライバルでもあり、互いに高め合える大切な存在だと感じています。私が50km部門でオリンピック出場を決めた際に、「おめでとう、俺も20kmで絶対出場を決めるから」と声をかけてもらったのは本当に嬉しかったです。

監督・コーチの手厚い指導が自分の根幹。 監督・コーチの手厚い指導が自分の根幹。

競歩を始めてから今までで、辛かったことはありますか。

2018年11月、練習中に足首を捻挫し、約2ヶ月間全く練習ができなかった時にはさすがに堪えました。ようやく練習を再開できても前のような歩きができず、ネガティブになるばかり。しかし、ミーティングを重ね、トレーニングや試合スケジュールを綿密に調整した結果、翌年3月の復帰戦で学生新記録が出せ、復活を果たすことができました。普段の練習だけでなく栄養面でも、寮の食事が出ない昼食は毎回食べたものの写真を送ってバランスをアドバイスしてもらうなど、細部に渡る的確な指導には感謝しかありません。

真面目にコツコツ、一歩ずつ。全てを糧に、今、世界へ。 真面目にコツコツ、一歩ずつ。全てを糧に、今、世界へ。

自身の競歩における強みは何ですか?

鍛え上げた体幹ですね。競歩は単純に誰よりも早くゴールするだけでは不十分で、正しいフォームを維持しながら一番を目指すという競技です。疲れが出る後半や体がブレやすいスピードを上げる際にも崩れない歩型をモノにするためには体幹が必要不可欠。うつ伏せで前腕とつま先を支えに、地面と平行に身体を浮かせるプランクトレーニングをしたり、地道に股関節の筋肉を強化したりという毎日の積み重ねが大事です。また、今はまだ模索段階ですが、授業で専攻しているスポーツ心理学の研究からも競技のヒントを見つけたいと考えています。たとえば、練習では結果が出せるのに試合では失敗してしまう選手の心理的要因を実験から模索し、実際の課題の分析や解決に繋げるなど、自分の競歩をさらに躍進させたいです。

今後の目標についてお聞かせください。

目標は、競歩の常識を覆すような選手になることです。具体的には世界新記録の樹立を目指し、これまでにないレース展開を実行していきます。東京五輪代表選考会であった2019年の全日本競歩高畠大会での2段階スパートがまさにそうで、50km競歩の場合、スパートをかけるのはスタミナの関係などで1回が普通でしたが、これまでの常識を覆す15kmと40km地点での2回のスパートで、優勝を掴みました。新しいことに積極的に挑戦しつつ、同時に競歩の認知や価値を高められる人間性を備えた選手になれるよう今後も精進を続けます。

シューズ

タイムを上げるためには、数ミリ単位での底の厚み調整が必要。
オーダーメイドで作っていただいたシューズで今日も勝負に挑みます。

常識を覆す選手になる 川野 将虎

PROFILE

川野 将虎 / KAWANO MASATORA

【出身地】
宮崎県

【所属】
総合情報学部 総合情報学科 3年

記事の内容は取材当時(2019年12月)のものです。

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