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ブランディング事業

(1)東洋大学の将来ビジョン

東洋大学では、「諸学の基礎は哲学にあり」という建学の精神を教育の基本とし、異なる学問分野同士の融合、連携を図ることにより、地球社会の未来を拓き、知的イノベーション拠点の確立を骨子とする将来ビジョン「東洋大学ビジョン Beyond 2020」を策定し公表している。http://www.toyo.ac.jp/beyond2020/
これは、「グローバリゼーション」「イノベーション」「創造力」「人間価値」という4つのキー・コンセプトによる大学改革を目指したものであり、「創造力」の項目では「研究者×イノベーターで、産学連携を創造する」ことを約束している。
また下図の東洋大学ビジョンBeyond 2020の構成図で示されているように、「Innovation」「Education」「Research」「Globalization」「Management」の5つに分け、それぞれの詳細な行動計画を策定している。本事業は、その中の「健康先進国として世界をリードするプロジェクトの推進」「国内外の先端企業とのネットワークの形成」「研究の国際価値の向上」「チーム東洋の総合力の発揮」を体現している。

ブランディング_戦略概要

この将来ビジョンは、主要新聞の掲出、パンフレットの作成、ホームページへの掲載により、外部にも広く公表している。
  
更に、2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会の開催をきっかけに、五輪閉幕後も長きにわたって継続する東洋大学とスポーツの有機的な関係性を構築すべく「TOYO SPORTS VISION」を策定し公表している。
https://www.toyo.ac.jp/site/toyo-sports/sportsvision.html
この将来ビジョンの4つの柱のうちの1つを「スポーツに関する「学術的アプローチ」の展開」としており、具体的には、「総合大学の強みを活かし、スポーツに関する多角的な学術研究を強く推進し、その学術的アプローチによって生み出された知的資源を、東洋大生のスポーツへの理解促進や、健康増進、競技力向上などのために、さらには社会一般に向けて積極的に還元」することを宣言している。  

本事業に関連する取り組みとしては 
①スポーツ庁の「女性アスリート育成・支援プロジェクト」に採択された食環境科学部を中心とした研究プロジェクトなど、数多くのスポーツに関する多角的な学術研究が進んでいる 。 
②学長主導のもと「東洋大学 オリンピック・パラリンピック特別プロジェクト研究助成制度」を創設した。これは、新たなイノベーションの創出に繋がり、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催後も持続性を持って、継続的に研究成果を社会に還元できる、人文・社会科学から自然科学まで全ての分野にわたるオリンピック・パラリンピック関連の研究に対して助成する制度である。

 

(2)本事業を通じて浸透させたい東洋大学のイメージ

リオ五輪においては、東洋大学の学生オリンピアンが水泳、陸上などの競技で活躍した。その活躍もあって、東洋大学はスポーツで成果をあげている大学というイメージは浸透している。しかし、彼らの活躍が前述したような学術研究によって得られた科学的知見に裏づけされた指導による面もあるということは大学外に浸透していない。
  
また、「TOYO SPORTS VISION」に「総合大学の強みを活かし」とあるものの、130年の歴史の中で、創立から70年以上、文系のみの大学であったためか、社会には文系の大学であるというイメージが流布し、文系のみならず理系の分野でも高度な研究が活発に行われているという実際のイメージが浸透していない。
株式会社リクルートホールディングスが、昨年、高校生を対象にした進学ブランド力調査において、東洋大学は関東エリアの知名度は12位となっている。ただし、文理別に見ると、文系12位 75.5%、理系20位 69.7%で、文系と理系の学部で知名度に差があり、理系の学部が東洋大学にあることを知る高校生は7割を切っている。
http://souken.shingakunet.com/college_m/2016/09/200-sep-oct2016-3e8e.html

さらに、株式会社リクルートホールディングスの調査の「クラブ・サークル活動が盛んである」という項目で、東洋大学は8位となっている。また、SNSの調査においても、運動部関連の発信は非常にエンゲージメントが高いものになっている。これらの調査結果は、東洋大学の日本を代表する運動部学生の活躍だと考えられるが、スポーツで活躍する人材を輩出している大学というイメージを利用し、そこには科学的な研究の知見の裏づけもあること、また、文系のみならず理系も含めた高度な研究・教育が行われている総合大学であることのイメージの浸透を本事業の実施により図る。

本事業のステークホルダーは、受験生、在学生及び保護者、卒業生、企業と広く国民全体を設定する。また、海外の研究者も本事業の対象として設定する。国民全体の抱く東洋大学のイメージも、前述した高校生のものに近いと思われる。国民全体に、文系のみならず理系も含めた高度な研究・教育が行われている総合大学であることを浸透するためのブランディング戦略を実施していく。

平成26年に、東洋大学は文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援」のタイプB(グローバル化牽引型)に「TOYO GLOBAL DIAMONDS グローバルリーダーの集うアジアのハブ大学を目指して」の構想で採択された。この構想の実施により、教育分野での学内の国際化の進捗は著しいものがある。研究の分野でも「東洋大学ビジョン Beyond2020」の行動目標に挙げている「総合的なグローバル研究を行い、高い研究力を擁する知的ピラミッドを形成する」ことの実現を、本事業の国際的な研究により牽引する。
そのことで、「スーパーグローバル大学創成支援」事業の実施により生まれつつある国際的な大学であるというイメージをより強固なものにしていく。
 

(3)本事業の情報発信の内容と手段

ブランドは単なる知名度とは異なり、ステークホルダーに東洋大学の価値の高さを認めてもらわないと発生しない。ステークホルダーそれぞれの立場によって、何に価値を高く認めるかは異なるため、情報発信の内容・手段は自ずと異なることとなる。 

私立大学研究ブランディング事業は、単に研究の成果のみが求められているのではなく、ブランディングによる大学のイメージを浸透させることまでが求められている。その観点から、伝えたい情報を、様々なステークホルダーに届けるために、ステークホルダー別の情報発信手段として以下を想定している。

①受験生:
受験生向けホームページやSNSを利用し、本事業の先端的な研究内容や学生の関わり方を発信する。入学したときに、先端的かつ国際的な研究に関われる可能性があることをイメージしやすい内容にする。その際には、本学の受験生向けのサイトの特徴であるウェブ動画を大いに活用する。また、オープンキャンパスの模擬授業においても、本事業を素材としたものを実施し、研究施設を公開する。
 
②在学生及び保護者、卒業生(校友):
ホームページ、SNS、大学報、父母会報、校友会報、ホームカミングデーを利用し、本事業の先端的な研究内容や学生の関わり方を発信する。直接的なステークホルダーであるだけに、「東洋大学に入学してよかった」「東洋大学を卒業してよかった」と認識してもらえるようなコンテンツの作成を意識する。

 
③企業:
ホームページ、SNS、研究シーズ集、企業向けの産学連携マッチング・イベントを利用し、本事業において生み出された研究シーズ、社会実装化可能性のある研究について発信する。産学連携マッチング・イベントについては、産官学連携推進センターが主催する。それ以外の国民全体に対しても、ホームページ、SNSによる発信は行うが、マス・メディアへのニュース・リリースによるニュース化の効果も大きいと考えられる。また、必要に応じて、主要な新聞への広告出稿も検討する。
 
④海外の研究者:
国際的なジャーナルへの論文掲載、海外の主要学会での発表、海外研究者の招聘等を通じて発信する。また、それにより、本学を認識してくれた海外の研究者がホームページを検索することに備えて、英語ページを更に充実させる。

 

(4)事業の進捗・達成状況を把握する方法

本事業の成果指標及び達成目標については、以下のKPI(Key Performance Indicator=重要業績評価指標)を用いて、目標の達成に向かい、プロセスが適切に実行されているかどうかを評価する。

本事業での主なKPI

○SNS等のネットワーク上での言及数
○ニュースサイトでのニュース掲載数
○TV・新聞・雑誌等のマスメディアでのニュース掲載数
○ニュース掲載の広告換算金額
○本事業関連学部・研究科への志願者数
○関連学部・研究科の卒業生・修了生の就職率
○共同研究・受託研究・奨学寄附金の受入数と受入金額
○特許出願件数
○特許実施数・実施料
○本学主催産学連携研究事業イベントの開催数および参加者数
○外部の産学連携イベントへの出展数・来客数
○論文発表数
○海外ジャーナルへの論文発表数
○学会発表数
○海外学会での発表数
○論文の被引用数
○発表論文のインパクトファクターの平均
○世界大学ランキングの各項目の評点
○世界大学ランキング日本版の各項目の評点
○大学イメージ調査・ランキングを発表している各雑誌の各項目の評点
○本学の実施する東洋大学のイメージ調査の評点

これらのKPIの数値を表で管理し、内部評価・外部評価を受ける。また、私立大学研究ブランディング推進委員会において、事業の進捗や効果を測定する、PDCAサイクルのCのチェックの部分において活用する。