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第1ユニット

日本哲学の再構築に向けた基盤的研究

井上円了及び近代日本の哲学研究ユニットでは、日本近代以降の哲学受容史をふり返りつつ、その日本的特質を分析・究明することを通して、日本近現代哲学の独創性を探究すると同時に、さらには、その営みが今後の地球社会を先導する先進的な価値観の創造にどのように寄与しうるかを、国際的な連携の中で考察する。特に、本学の創立者である井上円了の業績の本格的な研究は、本学における建学の理念を正しく自覚するためにも、急務であると考える。

また、同時代の哲学者には、西周、井上哲次郎、ら何人かの先駆的「哲学」者がいるが、これらの「哲学」者も含めて、幕末から明治にかけての時代、ウエスタン・インパクトを受け、伝統的価値観と普遍的価値観との衝突の中で、どのように哲学研究を行い、独自の思索を展開してきたのかをあらためて検証し、その姿勢に学ぶことは、今日のグローバル時代を生き抜いていく上に大きなヒントを与えてくれるであろう。

具体的な研究の視点としては、井上円了研究だけでも、

  1. 井上円了の思想形成史の解明
  2. 井上円了の哲学の核心の究明
  3. 井上円了における哲学と仏教の関係の究明
  4. 井上円了の哲学と同時代の哲学思想との関係の究明
  5. 井上円了の哲学および同時代の他の哲学の継承すべき点の分析

等々がある。東洋大学には、その後、大内青巒、境野黄洋らが出て、円了の思想を継承していった。その状況を追跡するとともに、その他、西田幾多郎、田辺元、和辻哲郎、九鬼周造等、日本近現代の哲学の営みに固有の特質をも究明していく。これらの研究を丹念に進めて行く中で、日本近代哲学史を新たに書き直す作業をも果したい。

以上のように、西洋スタイルの哲学研究を開始した時代から、日本人はどのように哲学の営みを遂行してきたのかをあらためて検証することによって、かえって将来の日本の哲学研究の進むべき進路を展望することを目指す。また、その研究成果を他の研究ユニットに提供し、あるいは、対話することによって、混迷を深めている地球社会に対し、新たな哲学の方法論と価値観とを産み出すことが可能となるであろう。それらを国際的に発信することにより、地球市民のライフスタイルの革新やコミュニティの再生をもたらし、多元化社会のそれぞれの伝統の尊重と連帯・統合とを果すことができよう。

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