国際哲学研究センターは、2018年度より、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)委託事業戦略的創造研究推進事業(社会技術研究開発)「人と情報のエコシステム」研究開発領域研究開発プロジェクト「自律機械と市民をつなぐ責任概念の策定」(平成29年度採択:平成29年10月~平成32年9月)と共同研究を行います。
「人と情報のエコシステム」研究開発プロジェクト
「自律機械と市民をつなぐ責任概念の策定」
プロジェクト概要
人工知能を搭載した自律機械の社会実装が現実味を帯びつつある中、社会的不安も同時に発生している。 その種の不安が発生する理由のひとつは自律機械が起こした事故や、生み出した被害への責任の帰属先が不明瞭であることによる。
この不安を軽減するための手段として、本プロジェクトは、自律機械が実装された社会の中でも説得力を持つような責任概念を提案する。 自律機械が社会になじむには、自律機械の社会的位置づけが、非専門家たる市民にも納得できるように、歴史的・文化的背景からも 説明されなければならない。そのためには、現在の技術的・社会的状況を踏まえつつも、 「自律機械が人間と対等と見なされるためには何が必要か」という問い ―この問いは「人間とは何か」の裏返しである― を 人類が積み上げてきた人文学的知見に投影する哲学的考察が必要である。そして、この考察に基づき、自律機械と市民を つなぐ新たな責任概念の策定を目指す。
達成目標
研究メンバー
氏名 |
所属 |
職 |
担当 |
松浦 和也 |
東洋大学 |
准教授 |
研究代表者 |
伊多波 宗周 |
京都外国語大学 |
准教授 |
情報技術の倫理的問題への近現代フランス社会思想からのアプローチ |
今村 健一郎 |
愛知教育大学 |
准教授 |
情報技術の倫理的問題への西洋哲学的アプローチ |
岡田 大助 |
江戸川大学 |
准教授 |
情報技術の倫理的問題への日本倫理思想史的アプローチ |
加藤 隆宏 |
東京大学 |
准教授 |
古代インド思想からの情報技術の倫理的問題の評価 |
八重樫 徹 |
広島工業大学 |
准教授 |
自律機械の現象学的観点から見た存在論的分析と、それにまつわる倫理学的問題の精査 |
山蔦 真之 |
名古屋商科大学 |
専任講師 |
情報技術の倫理的問題へのドイツ倫理思想史的アプローチ |
清塚 明朗 |
東洋大学 |
研究協力者 |
近現代フランス思想における身体性から見る自律機械の存在論的検討 |
西野 順二 |
電気通信大学大学院 |
助教 |
自律機械に関する技術調査および実装課題の検討 |
ジメネス フェリックス |
愛知県立大学 |
助教 |
教育における活用を凡例とした自律機械と社会性の分析 |
松葉 育雄 |
秀明大学 |
教授 |
数理情報論によるAIが社会に与えたインパクトの構造に関する研究 |
松吉 俊 |
電気通信大学大学院 |
助教 |
言語処理技術に関する情報提供と、人間の言語および感情に関する機械的処理の模索 |
荒井 弘毅 |
秀明大学 |
教授 |
制度的・文化的・経済学的・法的・人文学的多面性から見た情報技術の概観と社会実装可能性の多角的・総括的提言 |
荒井 明子 |
秀明大学 |
准教授 |
情報技術の社会的実装に対する教育,発達心理学的視点による分析 |
磯部 裕幸 |
秀明大学 |
准教授 |
近代ヨーロッパにおける法的、道義的「責任」概念の生成過程の研究 |
宇佐美 誠 |
京都大学大学院 |
教授 |
情報技術の社会制度的問題への法哲学的アプローチ |
中園 長新 |
東京福祉大学 |
専任講師 |
教育工学・教育方法学(特に情報教育)分野における責任概念の取り扱いに関する検討 |
清水至 |
ソニー株式会社 |
IPセントリックストラテジスト/弁理士 |
自律機械の創作能力が人間社会に及ぼす影響の評価 |