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トビタテ生(第9期)活動レポート vol.5


報告レポート(奥平直煕)



東洋大学ライフデザイン学部健康スポーツ学科
トビタテ9期多様性人材コース 奥平直煕



トビタテ留学計画のタイトル
世界情勢の不条理に立ち向かう〜身一つでイノベーションを起こす〜
複雑に絡まりあった難民問題に対して変化を起こす鍵を見つけるため、アメリカの大学とトルコ、レバノンにある難民支援団体に留学し学問と現場の学びで両面から考察する。


難民支援を志すようになったきっかけ
2015年のシリア難民の家族がボートで避難中に、海に飲まれてしまい、その中で3歳の子供がトルコの浜辺に打ち上げられてしまうという悲惨な事故をテレビや新聞で大きく取り上げられているのを見て、自分の知っている世界との違和感を感じ、事を調べれば調べるほど出てくる彼らの現実を目の当たりにして、少しでも何か力になりたいと思ったのがきっかけである。

留学の概要

⑴ カリフォルニア州立大学チコ校(休学留学) アメリカ
期間 08/2018~05/2019

oku1国際関係学や宗教学などに関して多角的な視点から国際情勢を考察するという高いレベルの授業を受けることができるチコ校にて難民問題や内戦を抱える中東の問題に関してや、宗教についての学習を行い、国際社会に柔軟に対応するための基盤知識や自分の考えを見つめるために留学をしていた。中東の国際問題や宗教問題といった複雑な内容をやっていたため、平日は毎日学校の巨大な図書館で夜遅くまで篭って勉強漬けの日々を送っていた。また、週末には現地の学生と一緒にハイキングやスポーツといったアクティビティやMovie Night、ホームパーティなどリフレッシュとして友人と盛大に遊んだことも大切な思い出である。
”Study Hard Play Hard”といったメリハリのある生活でとても充実していた。

⑵ Torres Community Shelter アメリカ
期間 01/2019~05/2019

留学先のチコではホームレス問題が深刻化していて、彼らの生活支援や自立支援といった形で彼らの居場所を提供し次のステージへ進む手助けをしている。そのため、チコにある地域ボランティアグループに約5ヶ月間ボランティアスタッフとして活動していた。私は基本的にはホームレスの方々の荷物管理やお話し相手になるなどを行なっていたが、オフィシャルスタッフなどは、医療支援やカウンセリングといった活動や、毎日異なる周辺地域に住んでいる支援者である住民の人たちがシェルターに来て大量の食事を用意するなど、ホームレスの人たちの温かい家のような場所として存在していた。そこで私は先進国における貧困層への支援の実態を体験していた。

⑶ imece inisiyatifi cesme トルコ チェシュメ
期間 05/2019~07/2019

シリア難民の女性のエンパワーメント獲得のためにNGOの村で学校を開き活動している団体にボランティアスタッフとして活動させてもらった。教育の内容は太陽光学や工作、芸術などがあり、女性の自立をゴールに技術を身につける教室が開かれていた。NGOの村は山の中にあるため山で暮らしながらチーム全員で半分自給自足のような生活をして授業補助を行なっていた。そのため、学校だけではなく畑作業やチームでご飯作りなども行い、みんなで一緒にご飯を食べる時間がとても素敵で自分の好きな時間であった。また、月に数回フードバックを毎回約200個ほど作成し、幾つものトルコにある難民キャンプに向かい食料支給を行なった。


⑷ Children and Youth Center レバノン ベイルート
期間 07/2019 (3週間)


パレスチナ難民の子供に向けて学校教育を行なっている団体にボランティアスタッフとして活動させてもらった。夏休み期間ということもあり、通常授業はボランティアする機会がなかったのだが、サマーキャンプに参加させてもらった。そこでは子供たちのタレントを発達させるための芸術や音楽、スポーツといった内容の授業を展開していたことや、パレスチナ人としてのナショナリティの確立のための話など、日本の典型的なサマーキャンプとは違うよりアカデミックな内容のキャンプに参加させてもらった。私は日本の手遊びを紹介し、彼らからはパレスチナの伝統的なダンスを教えてもらったなど、文化交流も行い子供たちの沢山の笑顔を見ることができた。


シリア難民キャンプでの物資支給活動で感じた小さな一歩の価値
トルコのNGOでシリア難民のキャンプを訪れて中東の難民問題の現状を視察するとともに、実際にボランティア活動を行うことができた。主な活動内容は上記の概要の部分であるが、難民キャンプにフードバック(お米やミルク、砂糖など)や幼児がいる家庭にはおむつを配布し彼らへ生活支援を行なっていた。また、そこで暮らしている子供たちを集めて歯の磨き方の授業や歌やダンスを一緒に行い、彼ら日常生活に笑顔と変化もたらす活動を行なった。難民キャンプは天候が厳しいにも関わらず劣悪な居住地に集団で生活していて、まさに非現実のような状況であり、彼らは過酷な生活を送っていると容易に想像することができてしまった。そのためか、一番最初に行った時には周りのスタッフは笑顔で難民の方達へ話しかけていくのを横目に、難民キャンプのリアルな空気感を感じ取り、私は本当に胸が痛くなりうまく笑顔を作ることができなかったのである。彼らの世界に入り込んで支援!開発!という活動をする自分自身にもエゴ的な思いや、大きすぎる問題に対し何も変えられない自分の無力感というのを極端に感じてしまった。それくらい、日本での暮らしと比較すると想像もできないくらい異なる環境の中で生活している人が多くいるのである。しかし、そこからポジティブな気持ちに変えられたのも彼らの影響なのである。いつも親切に接してきてくれて、赤ちゃんを抱っこして!とお願いされたり、子供に手を引かれて一緒に踊ったりと、彼らの笑顔の前にメソメソしていても何もできないし、彼らとの出会いがこのままではもったいないと思った。難民に関する問題はいつも大きすぎるし、今すぐに何か変革を起こし彼らを救うことなんてできないが、いつだって目の前の人と笑顔で繋がって素敵な何かを共有することはできる。できないことだらけで安易な考えだけれども現場のニーズを理解した上で、小さな一歩でも踏み出して彼らのために動くことが、この大きな問題を解決するためになることを考えさせられた経験であった。彼らとの繋がりというのは私の中ではとても価値のあるもので、これからも忘れることのないもの。それを得ることができたことでより彼らに寄り添うような活動をしていきたいと思うようになった。


留学中に身についた生き抜く力
この留学を通して、しぶとく生き抜く力というのを身につけたと思う。留学期間中何度も壁にぶつかり苦労するなんてことは当たり前のようにあるが、そこを乗り越える経験をすることができた留学だったため大きく成長させてもらうことができた。海外で勉強する、ボランティアを行うなど未知数なことばかりであるが、難しいことでも自分から全力で行動を起こすことで次の結果が変わってくることを体感することができた。もちろん成功しなかったこともあるが、総じて自分にとって価値になる経験となって次に繫がっている。踏み出す勇気と諦めない気持ちを大事にし、留学を経て、しぶとく海外でも生き抜く力として身についた。


和気藹々とした自慢の友達!
家族や慣れ親しんだ環境から離れて1人で生活することとなる留学生活のなかで、留学中にできた友達はとても大切な存在となっている。アメリカでは勉強と遊びの両方を一生懸命にする友達や、中東のボランティア団体では同じような志を持った友達ができ彼らの存在によって沢山救われたことがある。行き詰まった時に相談に乗ってくれたり、リフレッシュしたりなど、彼らの存在がなければどこかでくじけてしまったのではと思えるほど大切な存在である。多種多様な人たちと出会い本当に興味深く、いつも助けられていました。私はよく言われる内向的な日本人ではないとしても、やはり自分の根底は日本人なため、仕事や勉強をきっちりこなそうとすることや、責任感をかなり抱えていたりしたのですが、それで悩むこともあり、周りによく「考えすぎず、もっと気を抜いてやれ」と諭されていました。特に、NGOでボランティアしていた時には「責任を他に負わせろ!お前が壊れる方が問題だ!」なども言われたりして、彼らの寛大な考え方に救われました。友達からも学ぶことが多くあり、いろんな場面でたくさん刺激をもらえる素敵な人たちでした。


トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラムの価値
私はトビタテ留学の価値として、魅力的な留学サポートと国内外で活躍する志の高いコミュニティーの一員になれるということだと思います!留学サポートとは、奨学金もそうだが留学前後にある自己の成長のための研修会などがあり、グローバルリーダーを目指すための学びの場を提供してくれます。また、トビタテコミュニティーはワクワク感や不安も持つ同じような境遇にいる学生や常に味方でいてくれる事務局の大人の方などと繋がりを持つことができ、本音と本気で語り合える仲間に出会うことができます。特に後者の繋がりは本当に心の支えとなり、留学で感じた楽しいことや自分の弱い部分なども共有できる仲間と出会うことができ素敵な財産になっていると思っています!


最後に
この1年間は自分の今後の人生においても大きなチャレンジをすることができたと思っています。留学中に成功と失敗を繰り返し何度も経験していたため、毎日キラキラした生活を送っていたわけではありません。ネガティブな部分を挙げればきりがないほど、失敗や苦い経験をしました。しかし、終わってみると挑戦したことに意味があり、そこから学べたこと、自分が今感じている自信などはそういった経験から生まれているのだと感じました。最後になりますが、自分のやりたいことをするために海外へ飛び込んで必死にもがきながら成長させてもらう機会をいただけたトビタテの支援や、色々な場面で協力してくださった先生方、友達、そして家族の支えがあって山あり谷ありの留学を無事に実りのあるもので終えることができました。この場を借りて、感謝を伝えさせてください。
ありがとうございました。