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寺内 大左 助教

社会文化体験演習

はじめに

平成29年度優秀教育活動賞に社会学部社会文化システム学科の社会文化体験演習・国際理解分野を選んでいただきました。本演習は春学期の国内活動と秋学期の海外研修を組み合わせた現場体験型の学習プログラムです。プログラムの特徴を述べる前に、国際理解分野の3つの目標について説明します。

1つ目の目標は、身近な商品を通して日本と途上国の関係(グローバリゼーションの様相)を理解することです。2017年度は、1980年代から急速に国際商品化し、生産・輸出国の環境問題や貧困問題と密接にかかわる「エビ」に注目しました。学生たちはエビ消費国である日本でエビの流通と消費の実態を調べ、エビ生産国であるインドネシアでエビの生産(養殖・加工)の実態を学びました。

2つ目の目標は、インドネシアのエビ生産者とのつながりを深く理解するために、インドネシアの異文化社会を理解することです。日本では在日インドネシア人の方々にお会いして、日本で受けたカルチャーショックなどのお話を伺い、インドネシアではモスク(イスラーム教徒の礼拝所)を訪問したり、ホームステイを経験するなどして異文化社会を体験しました。

3つ目の目標は、学んだことを発表し、議論するコミュニケーション能力を養うことです。学生たちはインドネシア・フィールドスタディ中に日本で調べたことをインドネシアのエビ生産者や現地の大学生に発表し、意見交換を行いました。また、年度末には公開シンポジウムを開催し、1年間の活動成果を発表し、外部の大学教員を交えてパネルディスカッションを行いました。

学生の学問に対する興味や関心を高める工夫

本分野はグローバリゼーションの様相を学ぶことを目標の一つにしていますが、国レベルの経済・政治の関係から学び始めるのではなく、学生の興味を引くために、「エビフライ定食のエビはどのような経路で食卓にとどくのか」「このエビはどこで、誰が生産しているのか」「エビを生産している方々はどのような生活を営んでいるのか」など日常生活レベルの問いを展開させて、私たちの生活とインドネシアのエビ生産地域の人々のつながりを学ぶプログラムにしています。

もう一つの学びの工夫は、徹底した現場主義を採用している点です。エビの流通を調べるために築地を訪問したり、エビの生産を学ぶためにインドネシアのエビ養殖地域を訪問しました。また、インドネシアの異文化社会を理解するために日本では在日インドネシア人の方々に話を聞いたり、インドネシアではモスクを訪問したり、ホームステイも体験します。現場のリアリティに触れる機会を多く設け、学生の興味・関心を高めるようにしています。

学習の成果を公表する多様な機会―プレゼンテーション、報告書、プロモーション・ビデオ

学習成果を公表する機会を多く設けている点も特徴的だと思います。春学期は学科のフレッシャーズキャンプの際に、1年生全員を対象に昨年度の活動報告を行います。秋学期のインドネシア・フィールドスタディでは国内調査の成果を英語で発表します。秋学期の最後には公開シンポジウムを開催し、1年間の活動成果を発表します。また、1年間の活動成果は報告書にまとめ、関係者に送付しています。さらに、プロモーション・ビデオを作成し、YouTubeやホームページにアップしています。以上のように成果公表の機会を多く設けることで、学習のモチベーションや活動に対する責任感が向上し、活動後の大きな達成感につながっていると思います。

◆LINK
東洋大学社会学部社会文化システム学科「社会文化体験」科目群/国際理解分野 webページ