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石田 実 講師・李 振 講師

マーケティングデータ分析入門

 

「マーケティングデータ分析入門」の取り組み

 マーケティング学科は2016年度から「マーケティングデータ分析入門」を新たに開講しました。これは1年生秋学期の必修単位であり(図1)、履修範囲は統計学会連合が定めた統計学分野の教育課程編成上の参照基準の大学基礎科目レベルに準拠しています。具体的な学習の到達目標は重回帰分析を使えることです。履修生は1コース約40名に分かれ、各コースに担当教員と2名のSAが付き、理論を学ぶ講義と統計ソフトRを用いた演習を組み合わせた授業をしています。数学を受験してこなかった学生には楽しくないだろうと思いながら開講準備をしました。予想通り初年度の講義では「経営学部に入ったのに、どうして理系の科目が必修なのですか?」「先生いじわるですね。」といった不満の声を受けて毎週のように心が折れました。

 

図1 マーケティング学科のカリキュラムマップにおける「マーケティングデータ分析入門」の位置づけ

 

 開講から3年が過ぎて「なぜ統計を勉強しなくてはいけないの?」といった声を聞かなくなりました。それどころか、演習課題を予習して仕上げてから授業を受けに来る学生が大量発生するようになり、これはこれで授業運営の新たな課題になっています。データ分析に興味を持つ学生が増えたのは、ビッグデータやAIの浸透といった社会的な背景もありますが、他の講義やゼミなどで分析の有用性を目の当たりにする機会が多いためと思います。マーケティング学科のゼミでは、他大学と合同の研究報告会に参加する活動が盛んです。リサーチ・デザインと実証分析を根拠として主張するプレゼンを観る機会が多々あります。そのような研究を行う先輩たちの活動を手本として、次の世代が育っているように見えます。

 2018年度の演習では、マーケティング分野で国内トップのリサーチ企業から教材データの提供を受けて、実務に近い教材作りに取り組みました。また、マーケティング課題を意識して分析の設計をする力を養うため、各自が仮説や分析に用いる項目を選べるような課題を増やしました。模擬データを用いた演習では、変数の選択や結果を解釈する際に統計の知識が必要になったとしても、マーケティングの知識が大切であると気付かないでしょう。本科目で学んだ内容を基礎としてさらに専門科目を学び、ゼミ活動や卒論で実証研究に取り組み、卒業して実務でマーケティング課題に取り組める力を養って欲しいと思います。

(文責 石田 実)

 

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マーケティング学科便り 平成30年度第5号(9月配信)